【Tech・Ed 2007 Vol.4】予定されているマイクロソフト製品群の機能と役割 | RBB TODAY
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【Tech・Ed 2007 Vol.4】予定されているマイクロソフト製品群の機能と役割

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スペシャルセッション:「ザ・ロードマップ」の様子
  • スペシャルセッション:「ザ・ロードマップ」の様子
 マイクロフトによるエンジニアを対象とした国内最大級の総合テクニカルコンファレンス「Microsoft Tech・Ed 2007 Yokohama」(8月21〜24日、パシフィコ横浜)にて23日、「ザ・ロードマップ 〜 マイクロソフト製品の現在・そして未来 〜」と題したスペシャル・セッションが開催された。

 このセッションではマイクロソフトの4人のエバンジェリストが登場、製品スケジュールよりも、今後投入されてくる製品やテクノロジーの進化の方向性をとらえることにフォーカスしたものとなった。デベロッパー エバンジェリストの2人からはスライドやデモによる新プラットフォームでの開発手法の紹介も行われたが、本記事では製品・サービスの動向をそのカテゴリごとにレポートする。

 まずWindows、特にサーバ関連は、Windows Server 2008とその次のWindows Server 2008 R2がひかえており、この流れに沿った形でサーバ仮想化の技術も進化する。Windows Server Virtualizationは、Windows Server 2008リリース後180日以内に登場するが、これはWindows Server 2008の1機能となるもので、Windows Server 2008 R2では統合される。また、Windows Server 2008をベースとし、ストレージや中小企業向け(コードネーム“Couger”)、さらにミッドサイズ(コードネーム“Centro”)やグリッドコンピューティングのソリューションの提供も行われ、1つのコア(Windows Server)を武器に複数の市場への提供および部品の共有化が進めれられると同時に各モジュールの作り直しも進み、「Software+Service」としての提供が進むことになる。

 メール&RTC(リアルタイムコラボレーション)関連においての特徴は、マイクロソフトが製品のパッケージのみではなく、Exchange Hosteed ServiceやLive Meetingといったサービスや、Office Communicator用のハードウェアも提供していく。またRTCに関しては、サードパーティとのハードウェアやモバイル連動が進む。

 セキュリティ製品Forefrontは各市場向けのサーバ製品に対応する形で提供されていき、ファイアウォール製品IAG(Interenet Application Gateway)は“止める”のではなく“セキュアにつなぐ”ものへと進化する。Active Directoryは今後もベースとして残る予定で、今後はさらにアクセスコントロールと情報保護が明確に分かれる。またIDA(Identity & Access)は、“認証できればよい”から“運用する”時代へ入り、その1つがILM(Identity Lifecycle Management 2007)の投入となる。

 システム運用については、すべてSystem Centerの統一ブランドで展開され、上述のようにWindowsが複数の市場向けに登場するのに同期したラインナップがそろえられる。また、物理/仮想環境の融合・混在を管理する製品(System Center Viatual Machine Manager 2007)や、キャパシティプランニングの自動化に向けたExchangeやOperation Managerを対象とするシミュレータが提供される。

 Webサイトとポータルの管理製品は、Webシステムにおける要件を柔軟にカバーする「統合プラットフォーム」化が進む。またWebページ作成のFrontPageは情報統制を設計するOffice SharePoint Designerへと進化する。

 Officeスイートに関しては、2007でより生産性の高いユーザー操作を実現するための新しいUI「リボン」が採用された。またファイルフォーマットに関しては、1つの拡張子で全てを網羅して複雑化するよりも、拡張子間の相互運用にフォーカスしてOpen XML形式を採用、安定性やセキュリティ、透明性を実現する方向へ向かう。またワークスタイルの新提案としてOneNoteやVisioが図とデータの融合や「見える化」に挑戦している。

 プロジェクト・ポートフォリオ管理では、単体プロジェクトから組織内のプロジェクトの管理・共有が進み、現在は組織のビジネス目標に合わせた投資の選別を実現するステップに入った。また、社員1人ひとりのパフォーマンスを明確にする取り組みも行われている。さらには、組織内の情報への迅速なアクセスを実現すべく、OfficeスイートがERPデータベースとのインタフェースを担うシーンが増えてくる。

 データベースでは、開発者の生産性をメインテーマとして、継続的な改善と標準対応が進み、またデジタルワークスタイルの実現に向けて映像や音声データのデータベース化にも対応していく。

 次に開発プラットフォームの動向に移る。サーバ系では、“ビジネスの変化”に強い構成の選択肢を提供するモジュール化とインテグレーションが進み、またデザイン中心の開発が促進される。従来どおりの開発手法で従来どおりのものを開発するという選択もできるが、新しい環境を活用するためには、モジュール分離の手法やマッチするコンポーネントはどれかといった最適解を選択るスキルが要求されてくる。

 UI系の開発では、クライアント技術には様々なものが登場してきているが、コンテンツのリッチ度とユーザーへのリーチ度(クライアントのプラットフォームへの依存性)のバランスを考慮し、カスタマーニーズを最優先して選択することが必要である。Visual Studio 2008が、Direct X、WPF、Windows Forms、Office、Mobile、さらにはSilverlightやASP.NT AJAXといったように、RIA(Rich Interactive Application)への広がりに対応した包括的な開発環境となり、またデザイナーを巻き込んでよりユーザーが使いやすいコンテンツにしていくExpressionがそれを補完する形となる。

以上のロードマップ紹介の後、最後に“パソコンの父”アラン・ケイの言葉「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」が引用され、マイクロソフトは進化を止めないこと、そしてITエンジニア自身および環境も進化させていってもらい、一緒に未来を作り上げたいと結んだ。
《柏木由美子》
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