QoSからQoE(体感品質)へ——日本アルカテル・ルーセント、NGN高信頼性技術を公開【動画あり】 | RBB TODAY

QoSからQoE(体感品質)へ——日本アルカテル・ルーセント、NGN高信頼性技術を公開【動画あり】

エンタープライズ その他

実験のネットワーク図
  • 実験のネットワーク図
  • 19インチラックから引っこ抜く!
  • 実験結果のグラフ。左が他社ルータ、右が7750SR
  • アルカテル・ルーセントのIPルータの導入実績
  • 日本で納入した7750シリーズの稼働実績。なんとダウンタイムゼロ。この記録は現在も続いている
  • 7750シリーズの拡張性能
 8月22日、日本アルカテル・ルーセント株式会社は記者説明会を開催し、サービス・ルータ7750SRシリーズによるトリプルプレイ品質のデモを行った。

 現在、音声電話が従来の交換機系電話からIP電話にシフトしつつある。光ファイバ系キャリアはIP通信による動画放送に注力し、CATV会社と激しく競争し始めた。そこで必要になる技術やネットワーク機器には、一瞬たりとも通信が途切れない高信頼性が求められる。単なるデータ通信なら多少のパケットロスはデータの再送信によってリカバリできる。しかし、リアルタイムで流通する音声や映像は一瞬の欠けも人間の感覚に違和感を与えるからだ。アルカテル・ルーセントは世界に先駆けてノンストップ・ルーティング、ノンストップ・サービス技術に取り組んできた。その結実がサービス・ルータ7750SRシリーズである。このルータを使って構築したネットワークは、99.999%の可用性を誇っている。すでに米国通信最大手のAT&Tやブリティッシュテレコムなど世界各国で稼働しており、日本でも3社が採用しているという。

 説明より先に、体験会で公開された比較実験の映像(記事下関連リンク参照)をご覧いただきたい。画面の左が日本アルカテル・ルーセント製品によるネットワークで提供されている動画、右側が他社(非公開)製品によるネットワークで提供されている動画である。ネットワーク図は次の通り。送信サーバからいくつかのルータを経由したのち、クライアントPCで受信している。

 図にもあるように、クライアントPC寄りのルータのアクティブマネージメントカードを物理的に外し、すぐに元に戻す。ルータには冗長性機能があるので通信断が発生しても自動的に復帰する。その復帰時間に注目して貰いたい。ネットワークがダウンアップしてから、ルータが再度ルーティングデータを構築し、動画データの再送信に復帰するまでに30秒以上を必要とする(実験の模様は記事下の関連リンク参照)。

 次に日本アルカテル・ルーセントの7750SRで同様の実験を行う。引き抜く様子はこんな感じだ。

 引き抜いたカードを直ちに装着する。左側の映像を流通するネットワークをダウンアップさせたが、体感的にはわからないほどスムーズに復帰している(動画は記事下の関連リンク参照)。

 以下が、この性能をグラフで示した写真だ。実験とは逆で、左が他社製ルータ、右が日本アルカテル・ルーセント製ルータである。

 説明を担当した日本アルカテル・ルーセント株式会社 IP事業部 マネージャーの田中厚氏は「トリプルプレイ関連技術ではQoS(Quality of Service:サービス品質)の向上が求められている。しかし日本アルカテル・ルーセントが目指す技術はその先を行くQoE(Quality of Experience:体感品質)である」と胸を張る。数値によるデータ通信の保証だけではなく、人間が体感して違和感のないクオリティを目指すというものだ。そのためにはネットワーク断を発生させない高品質な機器を提供することと、万が一ネットワーク断が発生した場合でも、冗長性のみに頼らない確実な復帰性能が求められる。デモンストレーションはまさにこの証明であった。日本アルカテル・ルーセントが「サービス・ルータ」という呼称を使う理由はそこにある。通信品質だけではなく、サービス品質も守るルータを提供するという意味だ。

 もっとも、この強力な復帰能力が活かされる場面は極めて少ない。なぜなら、日本アルカテル・ルーセントのサービス・ルータの可用性は99.999%。年間での非稼働時間は僅か5.256分に過ぎない。それでもクライアントがERPシステムを使っていた場合の損失算定額は6万8328ドル(約780万円)にのぼるという。ネットワークキャリアがNGNサービスを提供する場合、ダウンタイムの発生は顧客であるキャリアにとっては収入機会の損失であり、動画放送の中断、広告の中断となれば損害賠償の可能性もある。ゆえに、ノンストップ・サービスこそキャリアにとってもっとも重要なサービスだと言える。サービス・ルータは顧客に対して映像配信などの新しいサービスを提供する手段であると共に、顧客を損失から守る盾でもある。

 日本アルカテル・ルーセントはトリプルプレイ技術のほかに、IPトランスフォーメーション、エンタープライズVPN、モバイルネットワーク技術に注力している。また、顧客をネットワークキャリアにフォーカスし、サービスルーティングをコンセプトとしたセールスを展開している。その結果、世界シェアは2年間で5位から2位へと拡大した。業界最大手のシスコシステムズには及ばないものの、2位グループの団子状態から一気に飛び出した格好だ。そこには、通信キャリアの収益源が通話からビデオ放送へとシフトしていること、デジタル交換機すら整備できなかった通信後進国でIP化が急速に進んでいるという背景がある。日本アルカテル・ルーセントはこうした世界での実績を踏まえ、日本の通信キャリアに向けてQoEとサービスルーティングを提供したい考えだ。日本アルカテル・ルーセントは99.999%、ファイブナイン・アビラビリティの実績を元にHA(High Availability)戦略を進めていく。
《杉山淳一》

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