【特集・NGN】富士通の多地点間Webビデオ会議システム「JoinMeeting」、フィールドトライアル参加の目的 | RBB TODAY

【特集・NGN】富士通の多地点間Webビデオ会議システム「JoinMeeting」、フィールドトライアル参加の目的

 今回は富士通のFENICSシステム統括部 ASサービス部長 兼 モバイルソリューション部長の福島敦氏に、NTTのNGNフィールドトライアル参加の目的、同社のNGNのビジネス市場などについて話を聞いた。

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富士通ネットワークサービス事業本部 FENICSシステム統括部ASサービス部長 兼 モバイルソリューション部長 福島敦氏
  • 富士通ネットワークサービス事業本部 FENICSシステム統括部ASサービス部長 兼 モバイルソリューション部長 福島敦氏
  • Webビデオ会議システム「JoinMeeting」
  •  今回は富士通のFENICSシステム統括部 ASサービス部長 兼 モバイルソリューション部長の福島敦氏に、NTTのNGNフィールドトライアル参加の目的、同社のNGNのビジネス市場などについて話を聞いた。
 今回は富士通のFENICSシステム統括部 ASサービス部長 兼 モバイルソリューション部長の福島敦氏に、NTTのNGNフィールドトライアル参加の目的、同社のNGNのビジネス市場などについて話を聞いた。

●NTTのNGNフィールドトライアル参加

 富士通はNTTが進めるNGNのフィールドトライアルに参加、同社製品「JoinMeeting(ジョインミーティング)」の実証実験を行う。JoinMeetingは、インターネットやイントラネット環境において多地点(500人規模)間のオンラインミーティングを実現するWebビデオ会議システムである。2002年12月から販売されており、2006年12月には携帯電話端末にも対応した「JoinMeeting V3」を発売した(なお、携帯電話端末は同トライアルの実験対象外)。

 JoinMeetingの実証実験は、2つのステップに分かれている。ステップ1では、IPv6マルチキャストとIPv4/IPv6連携の実現性を、ステップ2では、SIPのQoS制御を使った1対1通信を検証する。同トライアルへ参加する目的について、福島氏は、「弊社はメーカーであり、今後、各企業様がNGNで自社ネットワークを構築していく際に製品を納めていかなければならない。そこでまず、NGNを使う側の立場から、網の機能としてNGNを検証したかった」と語る。JoinMeetingはすでに多数の導入実績のあるシステムであり、4月からの実証検証に最適なシステムであったようだ。

●NGNの導入メリット

 Webビデオ会議システムを導入している企業は多くなってきているが、インターネット経由では通信が不安定であり、またイントラネットの場合もコスト上の問題から十分な帯域を確保しておけないなど、現実的にはテレビ会議品質を実現できないケースは多い。

「ビデオ会議は、主に国際間で現場スタッフ同士の会議で使用したいという要望が多い。JoinMeeting自体は多人数で使用しても1.5Mbpsのスループットに対応可能だが、そうった通信環境をグローバルに用意できる企業が少ないのが現状」という福島氏は、NGNによってJoinMeetingの機能が最大限に発揮されることも期待している。

 福島氏は、「お客様から“NGNで何ができるか”という問い合わせを多くいただくが、NGN単独で何かが変わるというわけではない」と言う。「お客様には、例えば、今の会議システムが中国でも使えるようになる、あるいは多地点で会議する際の品質が向上するなど、提供しているサービスごとにNGNによる変化を説明している」(福島氏)

「どの企業も、様々な製品やサービスの中から何をどう選択すればいいか、悩んでいるのが現状。富士通は、各キャリアの状況を理解し、ワンストップでサービスを提供できるという強みがある」とし、「NGNによって従来のビジネスモデルが変わるのではない。NGNの最大のメリットは、新しいビジネスモデルを構築しようとしたとき、短いリードタイムで市場投入できること。それをどう引き出していくかが、我々の役割」と福島氏は語る。

●新しいビジネス機会に向けて

 「フィールドトライアルには多数の企業が参加し、様々なシステムが検証されるが、弊社同様、それがすなわち、各社のNGN上の注力サービスというわけではないだろう」と言う福島氏は、同トライアルに参加した第2の目的として、「NGNのキャリアサービスを利用して各企業様に使いやすいサービスを提供することにより、お客様のビジネスを革新する提案をしてしていくというネットワークサービス事業本部としての目的もあった」と語る。

 同事業本部は、IP-VPNや広域イーサネットなどのイントラネットや、インターネット接続サービス、モバイルサービスなどを法人向けに提供する「FENICSネットワークサービス」も展開している。FENICSのビジネスモデルは、単一キャリアではなくマルチキャリア環境で最適なサービスを提供していくことにある。

「当然我々も、NGNで実現される技術を使ったサービスを提供していきたい。既存のネットワークから完全にNGNに移行するお客様もあれば、既存のネットワークとNGNを併用するお客様もいる。そういった多様な要望に応えていくためにも、NGNを使いこなすことは弊社の課題」と福島氏は語る。

 さらに「クライアントの多機能化への対応」も視野に入っている。「例えばスポットキャスト(注:2006年3月に富士通が発表したコンテンツ配信システム)。ワンセグの配信方式を利用するが、2〜3m内に限定される微弱電波を使用するため免許不要。バーゲン情報やイベント告知などでの利用が期待されている)のようなサービスもその1つ。様々なサービスを網側から制御できるようになれば、我々の事業拡大にもつながる」(福島氏)。

 なお、同事業本部のNGNへの取り組みについては、5月17〜18日に開催される「富士通フォーラム 2007 東京開催」にて、デモを交えた紹介を行うとのことである。



●NGN時代のネットワークサービス

 FENICSネットワークサービスでは、NGNを「数あるインフラの中の1つ」と捉え、NGNのSDP(サービス提供基盤)よりも、各企業がインフラを意識することなくネットワークを使用し、それによってどういう価値を生めるかにフォーカスしているようだ。

 モバイル端末の普及により、ネットワークは地点間をつなぐだけでなく、人を人をつなぐようになってきた。「様々な状況下の個人に対し、強固なセキュリティや認証機能を備えながら、最適なサービスを提供していく必要がある。それをどう具現化していくかのアイデアも含め、お客様にはNGNを使った新たなサービスを紹介していきたい」と福島氏は語る。

「不安定なネットワークや複数ネットワーク経由の環境に対応するために、これまではソフトウェア側にフォールバックなどの高度な機能を搭載する必要があったが、NGNならそれが不要になる」と、製品の開発期間とコスト削減につながることも福島氏は指摘。さらに、「日本市場だけで展開していたサービスを、例えばJoinMeetingで言えば、多言語対応することでグローバル展開可能になる」と、網のグローバル化に期待を寄せる。

 ただし、NGNによってインフラ側がグローバル化するからと言って、単純に製品の市場が拡大するわけではないことにも福島氏は言及。「国によってNGNへの取り組み状況や、既存の主要ネットワークインフラも異なり、国民性や地域性の差もある。そういったこともきちんと考慮しながら、サービスを提供していくことが必要」と言う。

 NTTが2008年からの開始を予定しているNGNの商用サービスで、富士通がどのようなサービスを投入してくるのか。全方位的なサービス展開が可能な富士通のNGN動向が注目される。
《柏木由美子》

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