【MIX07】Silverlightセッション・クイックツアー | RBB TODAY
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【MIX07】Silverlightセッション・クイックツアー

ブロードバンド その他
Silverlightアプリケーションによる映像再生アプリケーションのデモ
  • Silverlightアプリケーションによる映像再生アプリケーションのデモ
  • Microsoft Expression Mediaの動作画面
  • 映像アプリケーションのデモ。Mac OS上で動作している
  • Mac OS上のブラウザでのSilverlight開発のデモ画面。左側フレームにコードを記述すると、それがダイナミックに右側フレームのSilverlightアプリケーションの動作に反映される
  • Silverlightのロードマップ
 米国ラスベガスにて、現地時間4月30日から5月2日の3日間にわたって、マイクロソフトのクリエイター向けイベント「MIX07」が開催された。RBB TODAY編集部では、このSilverlightの新たなWEB展開に着目してレポートをお届けする。

 今回のMIXにおいては、キーノートに加え様々なセッションにおいてSilverlightの内容が明らかにされた。先のレポートでも紹介したように、Silverlightはマイクロソフトから提供されるランタイムプラグインをブラウザにインストールすることで動作するWEBアプリケーションプラットフォームとなる。

 開発環境としては、今回のMIX07で発表されたMicrosoft Expression StudioにてUIのデザイン、インタラクティブの組み込み、HTMLの生成、映像の編集までを行うことができ、その動作を定義するコードビハインドにおいては主にC#やJavaScriptが利用可能となる。

 ここでは、Silverlightの代表的なトピックであるストリーミング、プラットフォーム(ランタイム環境)、ダイナミックランゲージの3点に触れていきたいと思う

●ストリーミング

 Silverlightの大きな魅力は、映像メディアの強力なサポートだ。リッチコンテンツやRIAなどWEB上のサービスにおける映像メディアの需要はますます高まってきているが、Silverlightアプリケーションにおいては、従来の映像のみがHTMLに埋め込まれているだけのみならず様々なUIが提供可能となる。

 Silverlightで使用できるベクターグラフィックやテキスト、画像などを使用したインターフェースを動画にオーバーレイするなど、多彩なユーザーエクスペリエンスが提供可能となる。メディアも映像ならWMV V7、V8、V9、VC-1、音声ならWMA V7、V8、V9、mp3を扱うことができる。

 制作においても非常にシンプルなワークフローが提供されることも大きな魅力の一つだ。Microsoft Expression Mediaを開発に組み込むことで、映像メディアの編集からエンコード、UIとの結合までがスムーズに行える。また、このメディアサポート機能はWMVエコシステムの拡張版となり、Windows Media譲りのDRMなどの実装も可能となる。Windows Media Serverと組み合わせてストリーミングにて配信することも、HTTPによるプログレッシブダウンロードにて配信することも可能だ。

 また、今回のMIX07において、Microsoft Silverlight Streamingのリリースも同時に発表された。これは、いわばMicrosoftによるストリーミングサーバのホスティングサービスで、何と無料で利用できるとのことだ。Micorosoft Passport IDを取得することで、誰でも4GBのSilverlight向けのスペースが利用可能になる。

●Silverlightプラットフォーム

 Silverlightでは当然、上記で紹介した映像を使用したアプリケーションなどもMac OS上で動作可能だ。MIX07では、映像メディアを再生するSilverlightアプリケーションのデモに加え、Silverlightならではの動きとして、その映像をパズルのピースに分解し組み立てていくというような、映像を使用した比較的複雑なアプリケーションも、問題なくMac OSで動作させるデモを見せていた。

 ランタイムプラグインは、WindowsやMac OSのみならず、モバイルデバイス向けにもリリースされることが発表された。将来的にはmobile向けのWindowsを組み込んだPDAや携帯電話などでも、PC上と同じSilverlightアプリケーションが動作するようになるという。

●ダイナミックランゲージ

 Silverlightの特徴の一つとして、将来的にダイナミックランゲージがサポートされることが発表された。これは、SilverlightのUIのコードビハインド開発環境において、C#言語のみならず、JavaScript、Ruby、Pyhonのコードを利用して開発をすることが可能となる。これらのコードはSilverlightのランタイム環境においてリアルタイムに解釈・実行されるという。これにより、.NET言語を使用する開発者のみならず、これら他の開発言語を得意とする開発者も、Silverlight開発に加われることになる。また、C#のコードに関しても、ダイナミックに解釈・実行することもできるようになる。

 MIX07ではMac OS上のブラウザでC#のコードを記述し、その動作が別フレームに埋め込んだSilverlightアプリケーションとしてダイナミックに反映されるというデモを見せていた。しかも、コード記述部分においては、Microsoft Visual Studioでコード編集をしているのと同様にコードヒントがポップアップで表示されていた。あるいは将来的に、Microsoft Visual Studioを使用しなくても、Mac OSやLinuxなど、あらゆるOS環境において、ブラウザとSilverlightの環境さえあればコード部分に関しての開発が可能になるかもしれない。

●ロードマップ

 Silverlightは、現段階においてはバージョン1.0はベータ版、バージョン1.1がアルファ版が発表されたのみである。今年の夏にはSilverlight1.0がリリースされる予定である。その先にはダイナミックランゲージが扱えるようになるSilverlight1.1のリリースが控えているが、時期は未定のようだ。なお、これまた時期は未定であるが、今後、モバイル向けのSilverlightのリリースも控えているという。

 また、制作環境に関しては、現段階ではMicrosoft Expression Studioのリリースは発表されたが、Silverlight向けのデベロッパー向け開発環境であるMicrosoft Silverligth Tools for Visual Studio "Orcas"に関しては、現段階ではプレビュー版が存在するだけである。

 開発者としては、実際にソリューションの一形態として現場でどう生かしていくのかに関しては、まだまだ未知数ではあるが、純粋にテクノロジーとして考えたとき、非常に大きな可能性を感じる。また、映像を使用したアプリケーションの場合、開発コストやDRMの部分など、Flashの長短と比較してこそ見えてくる側面があり、MicrosoftがWEBでの映像配信のもはやスタンダードとなりつつあるFlashをいかに意識してるのかが感じられる。
 まだ発表されたばかりのSilverlightではあるが、今後の展開が楽しみである。
《後藤雄介》
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