ヤフーを追撃せよ、ネットビジネス「世代闘争」が開幕!? mixi上場記者会見 | RBB TODAY
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ヤフーを追撃せよ、ネットビジネス「世代闘争」が開幕!? mixi上場記者会見

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笠原健治mixi代表取締役社長
  • 笠原健治mixi代表取締役社長
 本日9月14日に、東証マザーズに新規上場したmixi(ミクシィ)は、同日に東京証券取引所で記者会見を行い、業務内容や上場目的、今後の事業戦略などを説明した。

 mixiは、日本初かつ最大手のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)サイト。その席で配布された資料によれば、9月14日現在、ユーザ数は570万人、月間ページビュー(PV)が64億、1人当たりのPVが616PV、月間滞在時間が3時間55分、ユーザが3日以内にサイトを利用する率(アクティブ率)70%となっている。1人当たりのPVと月間滞在時間は主要サイト1位となっているが、月間PVなどでは現在mixiは国内2位となる。1位はYahoo! JAPANである。

 SNSは基本的な構造は会員制であるため、サイトの滞在時間・アクティブ率が高い傾向にある。そして会員数が多ければ多いほど、その価値も向上し、さらに会員数が上昇するという構造がある。また従来のWebサービスが基本的に企業側によるサービス提供とすれば、mixi(SNS)はWeb2.0的な会員同士のコミュニケーション/コミュニティそのものが魅力的なキラーコンテンツとなる。そういった点からも、ネットビジネスの世界では、Yahoo! JAPAN、楽天、ライブドアといった企業と、mixiなどのさらに新しい企業とでは、いずれも同じIT企業であっても“世代”が異なる、と見る向きも多い。経営者自身の年齢もさらに若い(笠原健治mixi代表取締役社長=30歳。孫正義氏=49歳、三木谷浩史氏=42歳、堀江貴文氏=33歳)。

 ライブドアショック、そしてライブドア事件初公判の直後に注目IT企業の上場とあって、記者からも「ライブドアをどう思うか」「先行のIT企業の多くはM&Aで拡大していったが、mixiも同じか」「株主に対してどう応えるか」といった質問がとんだ。

 こういった質問に対して、まず笠原健治mixi代表取締役社長は「(ライブドアなどの事件は)他社のことなので、意識していないし比較もしていない」「世代などは関係ない(他社は他社、自社は自社)。自社のサービスを高めていきたい」「あえていうなら、(彼らより)若いときにネットに出会っている。今のユーザの視点により近いのでは?」と、基本的には「ユーザありき」の姿勢を貫いた。記者の質問にしばし黙考した後、訥々と語る笠原氏の表情には、気負いはない。“風雲児”“革命児”といったニックネームで呼ばれることが多い前世代の社長たちとは、確かに異なる。

 そして「SNSもmixiも、まだまだ認知度が低い状況」と分析し、「今後もユーザのニーズを潜在的・顕在的に把握し満たしていくことで、ユーザ数を増やしていく。自社のサービスを高めていきたい」「(株式市場の反応には)ありがたいし責任を強く実感している。注目・期待に対してしっかり応えていきたい」といった発言はきわめてスタンダードなものだが、語っているビジョンは間違いなく前世代に追いつき追い越すというものに結果的にはなるはずだ。

 「SNSというサービスをあくまで本業とする」というのがmixiの今後のビジョンだが、SNSの仕組みの中で、ネット検索、オークション、物販、コンテンツ販売、配信といった事業はいくらでも展開できる。であれば、国内第1位のYahoo! JAPANと第2位のmixiとの間で、棲み分けは難しくなる。いずれ「世代闘争」が起きるのは間違いない。そして今回の上場で、64億8千万円という資金を調達したことで、人材確保、設備増強、他社との提携など、「次の手」をmixiが打ち出すのはそう遠くない話だ。「あくまでユーザのため」の提供であっても、だからこそそこで始まるサービスが広く受け入れられ、前世代のIT企業の牙城を切り崩す可能性は大きい。

 「上場は通過点ではなく出発点」とし「ゼロを1にし、10にし、100にしていきたい」と語る笠原社長とmixiは、“新世代IT企業の旗手”となったのだ。
《冨岡晶》
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