法人向けセキュリティ対策大手のソフォスは1日、8月中に同社に寄せられたコンピュータウイルスの報告数をまとめた「トップ10ウイルス」を発表した。 同社が8月に検知した新規の脅威は1,998件で、新規の脅威のうち71.8%は特定のグループをねらって配信されたトロイの木馬だという。これについて同社は、不特定多数にワームを送りつける従来の手法とは異なってきているとしている。 ランキングの傾向では、悪意のあるソフト(マルウェア)の傾向は先月からあまり大きな動きを見せなかったものの、2005年5月以来チャートから姿を消していた「Mytob-Eワーム」が再び浮上したのが唯一の動きだとしている。 また、8月の上位2位の「Netsky-P」と「Mytob-AS」も、2005年8月に最も猛威を振るっていたワームで、Netsky-Pに至っては検知し駆除する対策が2年前にはすでに提供されているという。 これらのことから同社は、「ITセキュリティの意識を高めるための教育や啓蒙活動は世界中で行われているにもかかわらず、必要なマルウェア対策を適用されないままインターネットに接続されているPCが依然として数多く存在していると見ています」とし、以下のように警告している。 「世界中の多くのメディアによって脅威による被害の深刻さや対策の必然性が紹介されていますが、このように古い脅威が存続していることは、『脅威について知らない』または『脅威への感染を気にしていない』ユーザーが存在していることをあらわしていると思われます。単純に『自分の身には降りかからない』と楽観しているだけかもしれません。しかし、感染してからでは遅いのです。インターネットを使っているユーザーは、自分のデータが損なわれるだけでなく、NetskyやMytobなどの古いワームも存続させて他のユーザーに被害を与える危険性がある、ということを強く認識しなければなりません」 2006年8月におけるトップ10ウイルスは以下のとおり。[1位]Netsky-P:19.9%[2位]Mytob-AS:15.8%[3位]Bagle-Zip:8.0%[4位]Nyxem-D:6.4%[5位]Netsky-D:4.4%[6位]Mytob-C:4.1%[7位]Mytob-E:3.2%[8位]Mydoom-O:3.0%[9位]Zafi-B:2.7%[10位]Mytob-FO:1.5%その他:31.0%