あなたの会社は不正コピーで1,000万円ソンをする 〜ソフト管理のノウハウ解説 | RBB TODAY
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あなたの会社は不正コピーで1,000万円ソンをする 〜ソフト管理のノウハウ解説

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 企業が社内でソフトウェアの不正コピーをすると、いくらソンをするか?
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 企業が社内でソフトウェアの不正コピーをすると、いくらソンをするか?

 2005年3月15日現在までの過去7年間で、企業側がソフトメーカー等に支払った和解金の総額は約52億円だ。一件当たりの和解金額(平均)は約1,310万円(2004年6月現在)にもなる。データ提供はコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)。

 1件当たりの和解金額(平均)は、2003年は約1,382万円、2002年は約1,220万円と、過去3年間はほぼ1,200万円〜1,300万円のベースで推移している。「企業が不正コピーをすると、1,000万円以上損をする」わけだ。

 一方、和解金の総額を単年度でみると、2004年度、2003年度とも年間約12億円だった。

 過去の裁判事例もみてみよう。最近では2004年5月にPC販売会社に対し、不正インストールによる著作権侵害で約8,000万円の損害賠償金の支払い命令が下りた。

 また2003年10月にはPCスクールとその代表者に対し、違法コピーのかどで約4,000万円。2001年5月には司法試験予備校に約8,500万円の損害賠償の支払命令が出されている。

 千や万円単位のソフトに払うコストをケチったために、数千万円のツケが返ってくるのだ。あなたの会社は、こんな賠償額に耐えられるだろうか?

 だがこうして訴訟に発展し、報道されるのは氷山の一角だ。実際にはそれ以前に和解で解決しているケースが数多い。たとえば2005年3月15日現在までの過去7年間で、和解解決した総件数は383件。目下、進んでいる案件は272件ある。また不正コピー自体の総件数は1,870件にものぼる。

 ビジネス ソフトウェア アライアンス(BSA)日本担当顧問の石原修弁護士は、3月15日に開かれたACCSとの共同イベント「ソフトウェアライセンス再点検全国キャンペーン」記者会見の席上、次のように語った。

 「企業経営者自身が、ビジネスソフトウェアを管理する必要があることを知らないケースもある。いまや企業にとってコンプライアンス(法令遵守)は重要だ。コンプライアンスを進めるには、まず社内での監査から。自社の著作権侵害の現状を把握し、次にルール作りをするのがセオリーだ」

 またRBB TODAYの独自取材に対し、ACCSの稲垣隆広報室マネージャは「特に上場企業のライセンスに対する意識は高いが、問題は中堅企業の経営者だ」と語る。一方、同じくACCSの葛山博志戦略法務室室長は、「今回の合同キャンペーンでは、いままでソフトウェア管理をやったことがない中小企業、あるいは実施はしているがまだビギナークラスの企業が手を上げるのではないか?」と期待を寄せる。

 コンプライアンスの進め方は、セキュリティ・ポリシー策定の手順に近い。監査のやり方は、まず正規に購入したライセンスの総数(ソフトウェアパッケージ、ソフトウェアプログラムの総数など)を出す。次に、実際にインストールされているソフトウェアの総数を割り出す。この2つを照合すれば、現状が把握できる。

 具体的な方法としては、ライセンスの総数を調べて「ライセンス管理台帳」を作ることがひとつ。同時に、すべてのPCにインストールされているソフトウェアの総数をもとに、「インストール台帳」を作成する。ソフトを新規導入すれば随時更新する必要があるため、台帳は表計算ソフトなどで作っておくと便利だ。

 こうしてPCやソフトの数を管理しておけば、次に導入する際割安な料金で権限を買える「ライセンス方式」を利用するのに便利だ。ライセンス方式ならばパッケージは1つだけ購入し、あとはプラスアルファの料金を支払えば複数のPCにソフトウェアをインストールできる。

 ころばぬ先の杖は、あったほうがいいに決まっている。
《松岡美樹》
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