
「JUAS 2026調査:システム開発は500人月以上で予算未達42%・工期遅延48%。中堅SI・ITベンダー向けPPM SaaS『P3 PPM』が構造的赤字に挑む」
システム開発は、規模が大きいほど予定どおりに終わらない
システム開発プロジェクトは、規模が大きくなるほど予定どおりに完了しなくなる。そして中堅SI・ITベンダーの多くは、その兆候を案件の途中で掴む仕組みを持っていない。確定的な損益が見えるのは、しばしばプロジェクト完了の数ヶ月後である。この構造を、まず客観的なデータで確認する。
なぜ、いま問うのか
一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査2026」では、システム開発の工程ごとの内外製の構造が記録されている。要件定義に近い「システム企画」は70.9%が内製される一方、設計・実装・テストの工程は63.4%が外部委託されている。委託形態としても「内製・外部委託の混成」が44.0%で最も多く、「完全外部委託」は18.7%にとどまる。すなわち、システムの価値を規定する上流の企画は発注者の側に保持され、中堅SI・ITベンダーが収益を確保する主戦場は、外部委託される設計・実装・テストの「量」の層に置かれている。この層で採算が事前に見えないことは、そのまま中堅事業者の経営リスクに直結する。市場が拡大する局面であっても、「忙しいが儲からない」案件の機会損失は、相対的に大きな経営インパクトを持つ。
構造分析:発注者から見た「システム開発の失敗」3つの事実
以下に引用するのは、一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が東証上場企業およびそれに準じる企業のIT部門を対象に実施した「企業IT動向調査2026」(2025年度調査、有効回答957社)である。これはシステムを発注する事業会社の側から見たシステム開発の実態の記録である点を、まず明示しておく。「500人月以上」のプロジェクトでは予算超過 42%、工期遅延 48%
第一に、プロジェクト規模と失敗率の関係である。同調査では、プロジェクト規模が大きいほどQCD(品質・予算・工期)の遵守状況が悪化する傾向が明確に示されている。「10人月未満」のプロジェクトでは品質・予算・工期いずれも不良の割合が10.0%を下回るのに対し、「500人月以上」のプロジェクトでは品質で29.6%、予算で42.2%、工期で47.8%が不良となっている(不良とは、品質で「不満」、予算で「予定より超過」、工期で「予定より遅延」と回答した割合を指す)。
第二に、その失敗が「なぜ起きるか」である。予算が予定どおりにならなかった要因として、「計画時の考慮不足」が51.0%、「想定以上の現行業務・システムの複雑さ」が51.4%、「仕様変更の多発」が48.6%と高い割合を占め、いずれも前年調査より増加している。さらに品質面では、「ベンダーのスキル不足」が59.9%と最大の要因となっている。
第三に、この構造を補強する国際的な知見がある。マッキンゼーとオックスフォード大学が5,400件超のITプロジェクトを分析した研究(McKinsey & Company, 2012年10月)では、コスト超過の約半分が「目的の不明確さ・ビジネス焦点の欠如」と「要件変動・技術的複雑性」に起因し、残りの約40%が「チームの不整合・スキル不足」と「非現実的なスケジュール・場当たり的計画」に起因するとされている。対象案件の規模は国内の中堅事業者とは大きく異なるが、失敗を生む構造――事前の目的・戦力・スコープの評価不足――は、規模や国を問わず共通している。
プロジェクト事前評価の仕組みが成否を分ける
ここで、主語を明確にしておく必要がある。上記はいずれも、発注者である事業会社の側から見たデータである。一方で、同じJUAS調査によれば、システム開発の設計・実装・テスト工程は63.4%が外部委託されている。すなわち、発注者が「予定どおりに終わらなかった」と記録しているプロジェクトの実装は、その多くを受注したSI・ITベンダーが担っている。
「計画時の考慮不足」「複雑さの過小評価」によるコスト超過は、発注者だけの責任ではない。受注したSI・ITベンダーが、自社の戦力・スコープ・採算を案件着手前に評価できていれば、その相当部分は事前に検知し、手を打てた領域である。発注者から見た失敗の構造を、受注する側が自らの問題として引き受け、事前評価の仕組みを持つこと――中堅SI・ITベンダーに求められている変化は、そこにある。
問題は、その仕組みを中堅規模の事業者が持ちにくいことにある。大手向けのPPMは、戦略コンサルティングによる組織変革と、成熟したPMO組織の運用を前提に設計されている。中堅SI・ITベンダーには、その前提を満たす時間・体力・方法論が揃っていない。
『P3 PPM』のアプローチ
『P3 PPM』は、この構造に受注側から介入するために設計されたPPM SaaSである。中核となるのは、見積から実績までを同一の単位で追跡するSKU(Skill-Keeper-Unit)による設計である。スキル・役割・単価・成果物を一つの単位に束ね、経営層と現場PMが同じデータ・同じ言葉でプロジェクトを議論できる状態をつくる。日次で入力される工数とSKU単価から、プロジェクト別の粗利が速報値としてリアルタイムに可視化され、予算消化率と実績消化率の乖離が即時に検知される。結果として、月次や四半期の案件レビュー会議は、過去実績の報告と承認に費やすのではなく、進行中案件の粗利を速報値で確認しながら、続行・スコープ調整・撤退の判断を場で下す運用に変わる。
設計思想として、専任のPMO組織を前提としない。担当役員と現場PMだけで運用が回ることを要件として再設計している。着手前にプロジェクトの健全性を診断するという考え方は、前掲のマッキンゼーの研究が大手向けに提言したものだが、『P3 PPM』はこれを中堅SI・ITベンダーが自力で運用できる製品として実装している。
AIにより初期設定の負荷を大幅に低減
中堅規模の事業者にとって、PPM導入の最大の障壁の一つは初期マスタ設計の負荷である。『P3 PPM』は、従来6~12週間を要したマスタ設計を、AI OnBoardingにより約1週間に短縮する。設問への回答をもとに、公的出典に準拠した標準マスタをAIが自動生成し、最終的な妥当性は人間が確認する設計とした。また、進捗モニタリング・リスク検知・アサイン提案・予算超過の事前通知を補助するPMOエージェント「PiMO」を備える。これは判断を代替するものではなく、人間の意思決定を前提に、その精度と速度を支援する位置づけである。
料金モデル:管理者シートのみ課金・メンバーシートは無料
『P3 PPM』は、組織規模の拡大が一律にシート費用に比例する従来型のSaaS課金とは異なる料金モデルを採用している。課金対象は管理者シートのみで、タイムチャージを入力するメンバーシートは無料。PMO機能を担う限られた管理者層に費用を集中させ、現場メンバーは人数によらず全員が利用できる設計である。- 協業価格:管理者シート月額3,500円(税別、通常価格7,000円)。GA(正式提供)発表日から12ヶ月間、この価格を保証する。
- メンバーシート:無料(人数制限なし)
- 利用単位:1シートから利用可能
クローズドベータ参加条件
今回のクローズドベータは、製品改善へのフィードバックと事例化への協力を「協業」と位置づけ、その対価として協業価格を保証する。
- 募集規模:7社(密度の高い協業を維持するため枠を設定)
- 提供開始:2026年7月7日より順次
- 協力いただく内容:製品改善フィードバック、事例化(ロゴ掲載・インタビュー・定量数値の匿名化公開)、月次ヒアリング
- 優先条件:アドバイザリー導入を希望する企業を優先。7日間の無料トライアルを付与
代表者コメント
「米国IT企業(EMC、現Dell Technologies)で、グローバル水準のプロジェクト可視化の日本展開に携わってきた。同時に、中堅SI・ITベンダーの炎上プロジェクトを現場で立て直す機会も多く持ってきた。そこで繰り返し見たのは、スコープと自社の戦力配分が事前に評価されないまま受注圧力に押し込まれ、現場の力技で帳尻を合わせようとする構造である。数千人規模の事業者は戦力の層で吸収できるが、中堅規模では構造的に吸収しきれず、炎上が常態化しやすい。本来これを防ぐのがポートフォリオ管理だが、大手向けの仕組みをそのまま中堅に持ち込むことはできない。『P3 PPM』は、その可視化の思想を中堅SI・ITベンダーの実情に合わせて再設計したものである。今回の協業ベータでは、参加企業とともに、この構造への現実的な打ち手を磨いていきたい」(代表取締役 田中 洋)
参加方法
クローズドベータへの参加に関するお問い合わせは、下記までご連絡いただきたい。あわせて、自社の現状を把握するためのPPM成熟度診断(無料)を公開している。製品情報・お問い合わせ:[email protected]
Webサイト:https://www.pthree.co
PPM成熟度診断(無料):https://checker.pthree.co
会社概要

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株式会社ピースリー・ストラテジックパートナーズ 広報担当
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