株式会社タンシキ(本社:神奈川県川崎市、代表取締役:秋山和久)は、多種多様な広報実務の知恵を、「数式」によって構造化した概念モデル「広報実務のバイブル 総論編(β版)」を策定し、本日公開いたしました。
本モデルは、経験やセンスに依拠しがちだった広報実務を、成果創出に繋がる要諦を足し算・引き算・掛け算・割り算を用いた「数式」で表現するものです。上位・中位・下位・基盤概念として構造化することで、広報実務の全体像を体系的に捉えることが可能になりました。
発表概要
- 「経験やセンス」を「数式」へ:広報実務で成果を創出するための暗黙知(知恵)を数式で構造化した「広報実務のバイブル」を策定し、上位・中位概念を総論編として無償公開した。- 生成AIと共創:実務家の知見・経験と最新AIの論理構成力を融合し、工学的な視点で実務の力学を可視化した。
- 経営と広報の共通言語に:広報実務を「信頼貯金という無形資産を積み上げ、平時の推進力と有事の防圧力を最大化する経営機能」と定義し、経営と広報の共通言語となる概念を体系的にまとめた。
背景:広報実務の「暗黙知」を「構造化」する
広報の実務は、これまで、属人的なセンスや経験に依拠することが多く、新任者への体系的な引き継ぎや、経営層に対する価値説明が困難であるという課題を抱えてきました。株式会社タンシキでは、広報活動を「何らかの現象を発生または抑制させる“力学”」と捉え、工学的なアプローチで実務上の成果創出に繋がる要諦を構造的に「数式」として表現しました。
策定にあたっては、代表・秋山の記者経験・広報実務経験・コンサルティング経験といった様々な実体験をベースに、生成AIとの対話を重ねることで、実務のリアリティと論理的整合性を両立させた数式モデルを完成させました。
株式会社タンシキ 代表取締役 秋山和久のコメント
「今回の数式モデルは、組織内での広報実務経験、コンサルティングや研修・指導経験を総動員して、広報実務の知恵(成果創出の要諦)の体系化に挑戦したものです。このバイブルを無料で公開することで、同業他社も含めて広報に携わるすべての方の実務の底上げに繋げたいと考えました。成果に繋がる要諦が腑に落ちれば「胆識」(タンシキ)になり、誰もが自信をもって行動できます。今回は総論編ですが、個々の実務領域の数式モデルも公開していきますので、楽しみにしていてください。今後も、広報の領域を中心に、これまでにない新たな選択肢・枠組みを提供していきます」広報実務のよくある悩みと数式モデルの関係(数式モデルのメリット・活用場面)
(1)広報の実務は経験やセンスに依拠することが多く、引き継ぎが不十分になりがち広報実務の数式モデルは、実務的観点での広報活動の定義や、成果創出に影響する変数を概念化・体系化しています。経験が浅い状態でも全体像を「パッとイメージしやすい」です。(要領よく知恵を学べます)
(2)社内調整の時に、上司の好みや主管部の声が優先されがち(共通認識を持ちにくい)
広報実務の数式モデルは、広報活動の成果を最大化するために、思わぬ形でプラス・マイナスに作用する力学が客観的に提示されています。パワーバランスに左右されずに広報から「こうやりましょう・これは避けましょう」と説明しやすくなります。(社内調整しやすくなります)
(3)次々と新しいトピックスを扱うので、仕事が「フロー」になりがち
広報実務の数式モデルは、広報の成果に「ストック」の概念を包含しています。「フロー」の仕事をどうやってストックとして蓄積していくか、あるいは、蓄積できているかを検討・確認しやすくなります。(活動や振り返りの質があがります)
なお、今回の数式モデルは、広報の成果・効果そのものを数値化しようとする数学的方程式ではありません。広報の実務の要諦、実務上の力学を概念的に可視化したものです。成果創出に繋がる変数が純粋な独立変数ではなく、相互作用(シナジー)を持つ変数であることを前提にしています。成果・効果の数値化(数学的な正しさ)ではなく、業務品質の向上を追い求めたものです。
広報の実務の体系化:4つの階層モデル
本バイブルでは、広報活動を以下の4つの階層で整理しています。- 上位概念(基礎的総論): 広報活動による「インパクト」の創出モデル
- 中位概念(実務的総論): インパクトの源泉となるステークホルダーの「態度変容」モデル(社外広報活動、社内広報活動、経営層への提言活動の3つの業務類型に沿って整理)
- 下位概念(実務的各論): 日々の実務が生み出す「アウトプット」の品質モデル(上記3つの業務類型に沿って、個々の実務領域を細分化して整理)
- 基盤概念(基盤的各論): 成果を生み出す「ひと(処理能力)」のスループットモデル
「総論編」の範囲
今回公開した「総論編」は、4つの階層モデルのうち、上位概念(基礎的総論)と中位概念(実務的総論)を扱うものです。下位概念(実務的各論)は、攻めの報道対応編、守りの報道対応編、企業サイト・SNS企業公式アカウント編、社内広報編、提言活動編のように、細かく分けて今後発信していきます。
広報実務の数式モデル
【上位概念(基礎的総論)】1. 広報活動によるインパクト創出モデル(Impモデル)

広報活動による社会や経営へのインパクトの創出方法を概念的に整理した数式モデル
概要:広報活動による社会や経営へのインパクトの創出方法を概念的に整理した数式モデルです。
数式モデル:Imp = { ( EvP × ComQ ) / Noi } × Td
- Imp(Impact): 社会・経営に与えるインパクト
- EvP(Event Power): 案件・ネタ(事象の情報価値・エネルギー)
- ComQ(Communication Quality): 活動品質(社内外広報の良し悪し)
- Noi(Noise): 環境ノイズ(ニュースの需給や社会の冷笑主義)
- Td(Trust Deposit): 信頼貯金(インパクトの増幅器・緩衝材)
ポイント:案件の力(EvP)と活動品質(ComQ)は相互補完の関係にあり、環境ノイズ(Noi)によって抑制されます。信頼貯金(Td)が、これら全ての成果を増幅させる「レバレッジ」として機能します。この数式モデルによれば、広報実務は究極的には「Td(信頼貯金)という無形資産を積み上げ、平時の推進力と有事の防圧力を最大化する経営機能」だと定義できます。一時的なImpactの最大化も重要ですが、長期的視野で信頼貯金を積み上げることがさらなるImpactの最大化に繋がるという力学を意識して実務に取り組みましょう。
2. 「信頼貯金」の構成モデル(Tdモデル)

広報活動のインパクトを大きく左右する「信頼貯金」の構成要素を概念的に整理した数式モデル
概要:広報活動のインパクトを大きく左右する「信頼貯金」の構成要素を概念的に整理した数式モデルです。
数式モデル:Td = Σ { ( Ac × Tr × Em ) / Hy }
- Td(Trust Deposit): 信頼貯金
- Σ:日々の活動の積み重ね、全体への波及効果を含めた「時間の総和」を表すもの
- Ac(Action & Achievement): 有言実行・実績
- Tr(Transparency): 透明性・誠実さ
- Em(Empathy): 共感・寄り添い
- Hy(Hypocrisy): 偽善(失望)※信頼を毀損させる分母
ポイント:信頼は時間の総和(Σ)として蓄積されます。有言実行(Ac)、透明性(Tr)、共感(Em)の掛け算が資産を形成しますが、「偽善(失望)(Hy)」が発生した瞬間に分母が肥大化し、信頼資産は急激に消失します。ありのままの姿を継続的に見せることが重要です(ヒール役や尖ったブランドならその期待に応え続ける広報活動が肝要、ありのままの姿は必ずしも聖人君子である必要はありません)。
3. 「信頼貯金」の蓄積モデル(GTモデル)

信頼貯金をどうやって貯めるか、社内外の広報活動全般で意識すべきことを整理したモデル
概要:信頼貯金をどうやって貯めるか、社内外の広報活動全般で意識すべきことを整理したモデルです。
数式モデル:GT = ( Aext × Aint × Amgt ) / Gap
- GT(Generate Trust): 信頼貯金の蓄積方法
- Aext(Attitude Change / External):社外の態度変容
- Aint(Attitude Change / Internal):従業員の態度変容
- Amgt(Attitude Change / Management):経営層の態度変容
- Gap(Two-faced Gap):表と裏の顔の一致(社外発信と社内実態の乖離)
ポイント:社外広報(Aext)と社内広報(Aint)による態度変容を同期させるだけでなく、提言活動(インテリジェンス機能)により経営層(Amgt)の認識をアップデートすることで信頼貯金の最大化に繋がります。「表の顔と内の顔のギャップ(Gap)」の抑制が、信頼醸成の絶対条件となります。信頼貯金は、経営層に働きかけながら、表の顔(社外発信)と裏の顔(社内実態)を一致させることで蓄積できるのです。
【中位概念(実務的総論)】
4. 社外広報活動のアウトカム創出モデル(Aextモデル)

社外広報(エクスターナル・コミュニケーション)の領域で、社会からの期待・評価や行動などの「態度変容」の実現に必要な要素を整理したモデル
概要:社外広報(エクスターナル・コミュニケーション)の領域で、社会からの期待・評価や行動などの「態度変容」の実現に必要な要素を整理したモデルです。
数式モデル:Aext = Ctx × Vec × { ( Rch × Frq ) + ( Trs × Und ) } × Pt
- Aext(Attitude Change / External):社外の態度変容
- Ctx(Context): 社会的接点(「社外の意義」の明確化)
- Vec(Vector): 狙いの明確化(誰の、何の態度を、どう変えたいか)
- Rch × Frq(Reach × Frequency): フローの力(リーチの的確さと接触頻度)
- Aut × Und(Authority × Understanding): ストックの力(権威性・専門性と分かりやすさ)
- Pt(Path): 導線(行動への摩擦をなくすチャネル連携)
ポイント:社会的接点(Ctx)と狙いの明確化(Vec)を前提に、「フローの力(リーチ・頻度)」と「ストックの力(権威・理解)」が相互に補完しあったうえで、スムーズな導線(Pt)が態度変容を後押しします。社外広報とは、「社会との接点を見出したうえで、誰に・何を・どうやってを考えること」が成果最大化のポイントと言えます。
5. 社内広報活動のアウトカム創出モデル(Aintモデル)

社内広報(インターナル・コミュニケーション)の領域で、従業員の「態度変容(エンゲージメント等)」の実現に必要な要素を整理したモデル
概要:社内広報(インターナル・コミュニケーション)の領域で、従業員の「態度変容(エンゲージメント等)」の実現に必要な要素を整理したモデルです。
数式モデル:Aint = Vec × ( Flw × Dlg ) × Rcg
- Aint(Attitude Change / Internal): 従業員の態度変容
- Vec(Vector): 心臓のポンプ(目的・ターゲットの明確化)
- Flw(Flow): 動脈(会社からの情報が速く・正確に届く往路的流路)
- Dlg(Dialogue): 静脈(双方向の対話や現場からのフィードバック)
- Rcg(Recognition): 体温(称賛や承認による感情的報酬)
ポイント:明確な目的(Vec)に基づき、上意下達の動脈(Flw)と現場からの静脈(Dlg)を循環させ、賞賛や承認という感情的報酬(Rcg)で「組織の体温」を最適化することで、従業員の定着や自発的な行動を喚起できるようになります。社内広報(インターナル・コミュニケーション)は、「情報の循環系統と体温の調整により、組織の健康状態を維持するもの」と言えます。従業員の躍動を引き起こす力学です。
6. 社内広報の流体力学モデル(IntFlwモデル)

社内広報のアウトカムモデルにおける「動脈(Flw)」の補足モデル
概要:社内広報のアウトカムモデルにおける「動脈(Flw)」の補足モデルであり、組織内の情報伝達を配管ネットワークに見立て、インフラとコンテンツの品質を整理したものです。
数式モデル:IntFlw = ( Pip × Vol ) × ( Bev × Fil )
- Internal/Flow (Absorption): 従業員の情報吸収量(Absorption)を最大化するフローのあり方
- Pip(Pipe): 流路の設計(情報の届くインフラ整備)
- Vol(Volume): 水量の調整(情報過多を防ぐ適正量の管理)
- Bev(Beverage): 飲料の適合(現場のニーズに合わせた内容の出し分け)
- Fil(Filter): 飲みやすさ(経営の意図を従業員目線で翻訳・浄水する機能)
ポイント:流路(Pip)と水量(Vol)というインフラ品質を整えた上で、従業員が求める飲料(Bev)への適合と、広報担当者による情報の浄水・翻訳(Fil)というコンテンツ品質の掛け算によって、情報の浸透は最大化されます。社内広報担当者は、導管のつまり(インフラ品質)と摩擦(コンテンツ品質)を解消する配管工の役割を担っているのです。
7. 提言活動・インテリジェンス機能のアウトカム創出モデル(Amgtモデル)

提言(インテリジェンス機能)の領域で、経営陣の認識をアップデートし意思決定を最適化するために必要な要素を整理したモデル
概要:提言(インテリジェンス機能)の領域で、経営陣の認識をアップデートし意思決定を最適化するために必要な要素を整理したモデルです。
数式モデル:Amgt = ( Rel × Uti ) × ( Can × Tct )
- Amgt(Attitude Change/management): 経営層の態度変容
- Rel(Relevance): 焦点(経営判断に不可欠な情報の取捨選択)
- Uti(Utility): 翻訳(情報を自社の文脈に置き換えた実用性)
- Can(Candor): 率直さ(耳の痛い真実を忖度なく突きつける力)
- Tct(Tact): 配慮(相手の矜持を理解し、受け入れやすい場や間合いを計る技)
ポイント:価値あるインサイト(Rel・Uti)という「コンテンツ」と、率直な苦言(Can)を政治的配慮(Tct)で届ける「デリバリー」の両立が必要不可欠。苦言の忖度は不要だが、伝え方の忖度は重要という社内政治の力学を表現しています。広報ならではの参謀機能とは、「半歩外の立場から、インテリジェンス性のある苦薬を糖衣して経営に飲ませる」仕事です。
広報実務のバイブル
●広報実務のバイブル 総論編(抜粋版)「数式アレルギー」がある方は、まず「抜粋版」をご確認ください。
広報実務のバイブル 総論編(抜粋版)
●広報実務のバイブル 総論編(詳細版)
抜粋版、または、本リリースをみたうえで、各数式モデルの詳細や理論的背景を知りたい方は、「詳細版」をご確認ください。
広報実務のバイブル 総論編(詳細版)
今後の展望
株式会社タンシキでは、今回の「総論編」に続き、攻めの報道対応(パブリシティ)、守りの報道対応(危機管理広報・リスクコミュニケーション)、IR・サステナビリティ開示、社内広報(インターナル・コミュニケーション)、提言活動(インテリジェンス機能)などの実務的各論についても、順次モデルを公開してまいります。それぞれ実務領域でのモデルの公開とあわせて、広報担当者の育成や組織マネジメントを支援する仕組みの提供も検討してまいります。
株式会社タンシキでは、広報の実務が「信頼貯金という無形資産を積み上げ、平時の推進力と有事の防圧力を最大化する経営機能」として成果を創出し、経営・事業活動や経済・社会活動の活性化に寄与することで、世の中の胆識(タンシキ)を増やすことを目指してまいります。
会社概要
社名:株式会社タンシキ
所在地:神奈川県川崎市多摩区生田8-24-1
代表者:秋山和久
事業内容:広報に関するコンサルティング・調査・研修
URL:https://tanshiki.jp
TEL:044-934-2540
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