
コクヨの「東北IDC」の次世代マテハンシステムのイメージ
株式会社日立製作所(以下、日立)は、コクヨ株式会社(以下、コクヨ)が2026年2月末に竣工した最新鋭の物流拠点「東北IDC*1(旧仮称:新仙台IDC)」(宮城県仙台市泉区)に、統合型マテハン*2制御システム「ユニバーサルWCS*3」を中核とした次世代マテハンシステム(以下、本システム)とHMAX Industryのラインアップの1つである搬送計画最適化エンジン「LogiRiSM(ロジリズム)」の一部の機能を納入します。2026年10月末の「東北IDC」の運用開始に合わせて、本システムも稼働を開始する予定です。
コクヨは、プラットフォーム型購買管理サービス「べんりねっと*4」やオフィス通販「カウネット*5」を中心とするビジネスサプライ流通事業の伸長に伴い、東北・北海道エリアの物流ネットワーク強化を進めています。「東北IDC」はその中核拠点として、最大27万SKU*6の品揃えと、スピーディーな出荷対応力が求められています。
日立はこれらを支援するために、オーダーを処理する順序や搬送ルートを設備状態や作業状態に応じて最適化した計画を立案する「LogiRiSM」や、複数設備を一元的に統合制御する「ユニバーサルWCS」を導入し、メーカーの異なる設備の稼働状況や倉庫の在庫状況をリアルタイムに把握し、入庫・保管・梱包・検品・出荷仕分け・棚卸までの倉庫内作業全体の最適化と生産性向上を実現します。また、国内初本格導入*7となるロボットによる自動搬送機能と高密度保管を両立した株式会社HAI ROBOTICSのGTP*8システム「HaiPick Climb System」、および搬送AGV*9やコンベヤなどの複数のマテハン設備を「東北IDC」に導入します。
想定される効果としては、「HaiPick Climb System」を用いた定点ピッキング(人が動かず、ピッキングの対象が人に向かう仕組み)により、作業者の移動時間を短縮するほか、GTPシステムと搬送AGVを「ユニバーサルWCS」で統括制御することにより、入出庫搬送の効率化を実現します。これにより、コクヨの主要3拠点(首都圏IDC、中部IDC、近畿IDC)の実績平均値と比較して、「東北IDC」の生産性を約40%向上*10させるとともに、省スペースでの高密度保管を実現します。
日立は今後、お客さまの現場課題に合わせて本システムと最適な設備を組み合わせ、流通業や製造業、さらにはグローバルへ積極的に展開し、サプライチェーン全体の最適化に貢献していきます。
日立のコネクティブインダストリーズ(CI)セクターでは、プロダクトの豊富なインストールベース(デジタライズドアセット)のデータにドメインナレッジと先進AIを組み合わせた産業分野向け次世代ソリューション群で、Lumada 3.0*11を体現する「HMAX Industry」を、成長産業へ水平展開する「Integrated Industry Automation」に注力しています。今後、CIセクターは、フィジカルAIに進化させた「HMAX Industry」の提供を通じて、現場を高度に自動化・自律化し、フロントラインワーカーの現場を革新します。
*1 IDC:Integrated Distribution Centerの略称で、通販他、複数ビジネスモデルの統合倉庫。
*2 マテハン(マテリアル・ハンドリング): 物流業務における保管、搬送、仕分けなどの作業を効率化するための機械や設備(コンベヤ、自動倉庫、ロボットなど)の総称。
*3 WCS(Warehouse Control System / 倉庫制御システム):マテハン機器をリアルタイムで制御・監視するシステム。上位の在庫管理システム(WMS)からの指示を受け、機器の動作を最適化します。
*4 べんりねっと https://www.benrinet.com/
*5 カウネット https://www.kaunet.com/
*6 SKU(Stock Keeping Unit):在庫管理上の最小の品目数を数える単位。
*7 2026年3月現在、日立調べ
*8 GTP(Goods to Person):作業者が棚まで商品を取りに行くのではなく、ロボットなどが商品を保管棚ごと作業者の手元まで自動で運んでくるピッキング方式。
*9 AGV(Automated Guided Vehicle): 無人搬送車。磁気テープや二次元コードなどの誘導体に従って走行し、荷物を搬送するロボット。
*10現状の生産性に対して、「東北IDC」でめざす生産性水準を比較したもの。
*11 Lumada 3.0:日立のドメインナレッジで強化したAIを活用することにより、Lumadaを進化させたもの。Lumadaとは、お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。
次世代マテハンシステムの特長
1. マルチベンダーのマテハン設備を統合制御する「ユニバーサルWCS」と搬送計画最適化エンジン「LogiRiSM」
通常、マテハン設備の制御システムはメーカーごとに独立した構造となっていますが、「ユニバーサルWCS」はこれらの上位システムとして統合的な制御を行います。さらに、日立開発の搬送計画最適化エンジン「LogiRiSM」の一部の機能を活用し、ボトルネックの発生を未然に防ぐオーダーの投入順序や搬送ルートを最適化し、その計画に応じて「ユニバーサルWCS」が複数設備を一元的に統合制御します。
2. 空間をフル活用する「HaiPick Climb System」
保管・ピッキング工程には、「HaiPick Climb System」を採用しました。従来のAGV型システムとは異なり、「HaiPick Climb System」自体が昇降機能を有しています。これにより、倉庫の高い天井高(上部空間)を最大限に活用した高層ラックへの保管が可能となりました。限られた床面積で最大27万SKUというコクヨのめざす圧倒的な保管容量の高密度保管を実現します。
「HaiPick Climb System」が包含する210台のロボット「HaiClimber」は、最大3,200箱/時の搬送能力を有し、商品は作業者の手元まで自動搬送されるため、作業員が商品を探して歩き回る必要がなくなり、庫内の生産性は約40%向上する見込みです。
3. GTPとDPS*12のハイブリッド運用
集品用オリコン*13の搬送にAGVを活用しつつ、ピッキング工程には「HaiPick Climb System」と、物量特性に応じて「DPS」を組み合わせたハイブリッド構成を採用しています。従来、このようなDPSからGTPへの連携を固定式のコンベヤで行う場合、動線が固定されるため経路が複雑化し、スペース効率の悪化や構築コストの増大が避けられない課題となっていました。そこで、搬送ルートの自由度が高いAGVを採用することで、レイアウトの柔軟性を確保し、物理的な制約とコスト課題を解決しました。さらに、メーカーや仕様が異なるこれら複数の設備を「ユニバーサルWCS」が一元的に統合制御することで協調動作を可能にし、「LogiRiSM」により立案した最適な搬送計画で、各工程がシームレスに連携する高密度かつ高効率なオペレーション環境を構築します。
*12 DPS(Digital Picking System):商品保管棚に設置されたデジタル表示器が点灯し、ピッキングすべき「場所」と「数量」を作業員に指示するシステム。
*13 オリコン:倉庫内でピッキング(集品)した商品をオーダーごとや配送先ごとに集約し、搬送するために使用する折りたたみコンテナ。
コクヨ 「東北IDC」の概要

「東北IDC」の外観

商標注記
ユニバーサルWCSは株式会社日立インダストリアルプロダクツの日本における登録商標です。
LogiRiSMは株式会社日立製作所の登録商標です。
HaiPick、HaiPick Climb System、HaiClimberは、HAI ROBOTICS Co. Ltd. の登録商標です。
カウネットは、コクヨ株式会社の登録商標です。
Integrated Industry Automation は株式会社日立製作所の登録商標です。
その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
関連サイト
「ユニバーサルWCS」について
https://www.hitachi-ip.co.jp/products/logistics/wcs/
「LogiRiSM」について
https://www.hitachi.co.jp/products/infrastructure/product_site/logistics_center/solution/logirism.html
「LogiRiSM」の紹介動画
https://youtu.be/ZDT3regBkUo?si=P2NOQ6ydvgNoTDuu
2026年3月17日 コクヨ株式会社 ニュースリリース
「コクヨ、日立の次世代マテハンシステムを導入し最新鋭の物流拠点「東北IDC」が竣工」
https://www.kokuyo.com/news/release/260317cs1/
日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。
お問い合わせ先
株式会社日立製作所
ロジスティクス&ロボティクスソリューションに関するお問い合わせ:インダストリー:日立
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