
ミツカングループ(愛知県半田市、以下ミツカン)では、2018年よりデジタル推進組織を立ち上げ、「社員が自分ごと化しながらデジタル変革を推進する!」をミッションとして掲げています。DXの大きな武器となる生成AIの活用において、2024年10月に“新しい輪”である「生成AIフレンド会(以下、フレンド会)」を発足し、わずか半年間で約200人(国内社員の約10%)が参加するまでに拡大しました。
「フレンド会」とは、デジタル推進部に所属する新卒入社1-4年目の若手社員3人が企画・推進する社内コミュニティです。「ともに楽しむDX」を合言葉に、主体的な学びと実践が広がっており、役職や部門の壁を越えて生成AIに関心のある社員が自発的に参加し、失敗も共有しながら学び合うフラットな場です。また、トップダウンではなく現場発の取り組みとして、社員のマインドや組織風土の変革をもたらしています。
■若手社員発の「フレンド会」
フレンド会は、生成AIに興味を持つ社員が、手挙げ式で参加できる社内コミュニティです。現在、様々な部門・役職の社員が参加しており、生成AIに関する知識や事例を共有し、実践的な活用をともに学んでいます。「フレンド会」という名前は、「生成AIにワクワクする仲間が集まる場所にしたい」「自分の意見や考えをいつでも忌憚なく話せる“友人”のような関係でつながりたい」という想いで命名されました。デジタル推進部の運営メンバーも含め、参加した時点で全員が“フレンド”という名称で仲間になります。
<活動例>
● 勉強会・ワークショップ・社外との交流
● Teams上での情報共有(活用事例・工夫・失敗談など)
● 自主的な検証プロジェクト

■発足のきっかけ
フレンド会発足前は、生成AIに関心を持つ社員がいる一方で、学びを深める機会や繋がりが十分にありませんでした。そんな中、社内の生成AI推進を担当していた若手社員は、「この関心と熱意を活かさないのは、もったいない!」と考え、自分たちでコミュニティを作ることを決意しました。「部署や年齢に関係なく、生成AIにワクワクしている社員が、気軽に交流したり、学べる場所があれば楽しそう」
「みんなが楽しく続けられる、フラットな雰囲気のコミュニティにしたい」
この想いから、生成AI活用に前向きな社員が、経験や工夫、失敗も含めてリアルな情報を気軽に共有できる場を目指して、フレンド会を立ち上げました。
■風土を変えたアクティブキャンペーン
フレンド会で実施したアクティブキャンペーンは、「生成AIを活用してうまくいったこと・失敗したこと」をテーマにTeams上で事例を投稿するイベントです。これまでも社内で情報共有の試みはあったものの、自発的な投稿が少なく、議論が活性化しにくいという課題がありました。そんな中、フレンド会のアクティブキャンペーンは、50件以上(※1)の投稿とコメント・リアクションが集まり、過去最大級の盛り上がりを見せました。そこから前向きでオープンな議論が自然と生まれ、組織の壁を超えて自分の意見や考えを忌憚なく話す組織風土の波及に向けた大きな一歩となりました。※1 アクティブキャンペーン実施期間(17日間)の投稿数

フレンド会を企画・運営するデジタル推進部の社員 (左から) 林田 理央、近藤 陽菜、山口 美紅
■ともに楽しむDX - 社員の口コミで広がるフレンド会
フレンド会が立ち上がる以前から、社内で生成AIの活用を模索する取り組みは行われていました。しかし、トップダウンで取り組みメンバーを指名する形では温度差が生まれ、効果の出る活用は一部に留まっていました。ここで得た「トップダウンで動かすだけでは、広がらない」という学びをもとに、発想を大きく転換し、フレンド会は“やらされる”ではなく“やってみたい”と思う社員が、自分の意思で集えるコミュニティとしています。イベントへの参加や発信は強制せず、あえて「興味のある人が、楽しく・自分のペースで学べる」スタイルにしたことが成功の鍵となりました。立ち上げ当初は20人程度のコミュニティを想定していたところ、社員の口コミでどんどん輪が広がり、わずか半年で想定の10倍の約200人規模になりました。「生成AIを実務で活用したい」、「他部署の取り組みが知りたい」という社員の前向きな声が広がり、部門や役職の垣根を越えて学びの熱量が高まっています。
■参加者の声

■生成AI活用実績と今後の展望
現在、以下のような領域をはじめとして、生成AIのトライアルや本格的な活用を進めています。●アジア向けWebサイトの構築
-生成AIを活用しながら、ほぼ内製でWebサイトを制作し2025年2月にリリース。SEO(※2)なども自走化。
●新商品のマーケティング戦略構築でのPoC (※3)
-マーケティング戦略におけるコンセプト企画、商品名・コピーの検討、生活者理解などで活用。
●営業本部での生成AI部立ち上げ
-営業本部内での活用推進のための「部活」を2025年7月より始動。
●社内広告審査プロセスの効率化と審査業務の心理的安全性向上
-今秋から立ち上げ予定。
※2 Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、検索エンジンの検索結果でウェブサイトを上位に表示させるための施策全般
※3 Proof of Concept(概念実証)の略で、新しいアイデアや技術、サービスなどが実現可能かどうかを検証する手法
■日本・アジア事業 CDO 渡邉英右のコメント
今後の展望として、これまでの人間主導の事業・業務から、人間とAIが連携した事業・業務に変わるエージェンティックAI(※4)時代が訪れると考えています。今後は、どのように新しい価値提供ができるか、効率化できるかを、ゼロベースで考え、社内外でDXを加速させていきます。※4 AIエージェント(自律的に考えて判断し、行動を起こすことで、特定の目的を達成する、生成AIを含めた仕組み)などの様々な高度な仕組みを組み合わせて、自律的に、人間が実施している多くの業務を計画・実行・判断していくこと
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