
~3社共同実証による資源循環と発火リスク低減を目指したサービス構築~
2025年11月17日
各位
JA三井リース株式会社
JA三井リースオート株式会社
株式会社電知
日本オートリサイクル株式会社
サーキュラーエコノミー推進へ、電動車のバッテリー診断・放電サービスの実証・運用開始 ~3社共同実証による資源循環と発火リスク低減を目指したサービス構築~
JA三井リース株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:新分敬人)およびJA三井リースオート株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:鈴木章洋)(以下総称して「JA三井リースグループ」)、株式会社電知(本社:埼玉県、代表取締役:向山大吉、以下「電知」)、日本オートリサイクル株式会社(本社:富山県、代表取締役:五十嵐優、以下「日本オートリサイクル」)は、電動車(ハイブリッド車(以下「HV」)含む)のバッテリー診断・放電サービス(以下「本サービス」)の展開を目指した実証実験を行い、日本オートリサイクルにおいて正式に本サービスの運用を開始しましたのでお知らせします。
記
1.(取り組みの背景)
電動車(HV含む)の普及が進む中、車載バッテリーのリユース・リサイクルを軸としたサーキュラーエコノミーの重要性が高まっており、経済産業省の試算によれば、2030年には国内市場規模が約80兆円に達すると見込まれています。
一方で、中古バッテリーの劣化診断や性能評価の基準が未整備となっています。そのため、バッテリー価値の正確な判断が難しく、結果として、電気自動車(以下「EV」)の中古市場での評価がガソリン車に比べ著しく低くなり、EV普及の障壁となっています。また、EVバッテリーに使用されるリチウムやコバルトなどのレアメタル資源の確保も国家的課題であり、国内での高付加価値な再利用が進まず、多くの中古EVが海外へ流出しているのが現状です。
また、リサイクル現場では、解体されたEV/HVのバッテリーパックが適切な評価や処理体制が整わないまま長期間保管されるケースが多く、その保管量の増加から発火による火災リスクや保管スペースの逼迫が深刻化しています。
こうした課題に対応するため、JA三井リースグループ、電知、日本オートリサイクルは、バッテリー診断・放電サービスの共同実証を完了し、本サービスの運用開始に至りました。
2.(実証実験内容と本サービス概要)
実証実験では、リースの契約期間が満了した車両や廃車となったEV/HV車両を活用し、車載状態でのバッテリーおよび解体時に取り外されたパック型バッテリーに対し、CHAdeMO端子(注1)を用いた診断および放電処理の検証を行いました。これにより、複数の車種・バッテリーに対応可能な診断・放電プロセスを検証するとともに、車種ごとの治具(専用アタッチメント)の開発を行いました。
電知が提供するサービスは、持ち運び可能な機器(下イメージ図)を用いることで短時間・非破壊のバッテリー診断を可能にし、リサイクル現場や中古車販売店、整備工場など、場所を問わず迅速なバッテリー評価を実現します。診断には電気化学に基づく「電気化学インピーダンス法(注2)」を採用し、一般的なSOH測定(注3)では測定できない電池そのものの劣化度合いを直接計測します。これにより、バッテリーのリユース・リパーパス・リサイクルの正確な判断が可能となります。さらに、この診断機器を用いた放電処理サービスも提供しており、リサイクル現場における発火リスクの低減や安全な保管・輸送を支援します。
診断機器イメージ
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179233-O3-n9doHMAi】【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179233-O1-1RvlTsA7】【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179233-O2-KI9bO6Y8】
Bi-S.C003P(注4)) Bi-S.C002P(注5) Bi-S.C002P診断放電実証の様子
場所:日本オートリサイクル
(注1)「CHAdeMO端子」:EVやプラグインハイブリッド車向けの急速充電規格の一つで、充電の際に差し込む部分を指す。
(注2)「電気化学インピーダンス法」:バッテリー内部の劣化状態や性能を非破壊で解析できる技術。多くの学術的根拠と論文に支えられており、精度の高いバッテリー診断が可能。
(注3)「一般的なSOH測定」:バッテリーなどの健康状態を示す指標(SOH)を、車両の走行距離や年式等の間接的データを用いて推定されるため、正確な状態を把握するには限界があるとされている。
(注4)「Bi-S.C003P」:診断機能を基本とし、中古車販売店や整備工場などに適合。
(注5)「Bi-S.C002P」:診断及び放電機能を備え、リサイクル現場などに適合。
3.(各社役割)
JA三井リースグループ:実証実験の企画・取りまとめ、新たなソリューション開発
電知:診断・放電技術を活用したデータ分析及びサービス開発、実証実験の企画
日本オートリサイクル:フィールド(工場・車両)の提供、実証実験の企画
4.(今後の展望)
本サービスは、バッテリーの性能・劣化状態を正確に把握することで、リユース・リサイクルの可否を判断するとともに、放電作業の実施により発火リスクを低減し、安全な保管・輸送を可能にします。今後は、診断・放電技術のさらなる高度化を図るとともに、全国展開を視野に入れたサービス体制の構築を進めてまいります。
【各社概要】
JA三井リース株式会社
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M103460/202511179233/_prw_PT1fl_oE1Uh08i.png】
JA三井リースオート株式会社
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M103460/202511179233/_prw_PT2fl_CbPFhjyC.png】
株式会社電知
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M103460/202511179233/_prw_PT3fl_j84xd29j.png】
日本オートリサイクル株式会社
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M103460/202511179233/_prw_PT4fl_Hezj2jEu.png】
【関連するSDGs】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179233-O7-7C57T26W】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179233-O8-Fgk58nMF】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179233-O9-J91rVU38】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179233-O10-4uf3665h】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179233-O11-G53qlbyQ】

