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宣言文の手交フォトセッションの様子
左から伊東良孝国際博覧会担当大臣、マーヘル・ナセル国際連合事務次⻑補 陳列区域代表、ディミトリ・ケルケンツェス博覧会国際事務局(BIE)事務局長
大阪・関西万博宣言フォーラムは、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の成果を広く世界に発信していくため、閉幕日である2025年10月13日に、「大阪・関西万博宣言」を発表しました。
大阪・関西万博宣言
世界各地からの参加者と出展者が、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、大阪・関西に結集して184日間の登録博を開催し、世界中から2,800万人を超える来場者を迎え入れた。
会期前のパビリオン建設や展示準備における様々な制約、そして会期中の運営における困難などを乗り越え、関係者は一貫して密接に連携し、日々、改善・進化を続け、会期を全うした。国際社会が多様な課題に直面し、将来に向けた展望に不確実性が高まる中、165の公式参加者とホスト国はナショナルデー・スペシャルデーを称え合いながら、それぞれの独自の文化とアジェンダを力強く表現し、大阪・関西をはじめ日本中、世界中からの来場者とともに万博を共創しつつ、大屋根リングに体現される「多様でありながら、ひとつ」とのメッセージを世界に発信した。
この万博では、コロナ禍が克服された中、訪れた人々はつながりの重要性を再認識し、偶然の出会いがもたらす喜びや恵みを享受することができた。分断という言葉がより強く語られ始めている中、様々な文化が一つの場に集いつながるリアルなイベントとしての万博が多くの人々を魅了し、非日常の大きな熱狂を生み出し得ることを見せた。これは、外交、ビジネス、学術、文化など多様な分野での新たな交流が促進されたことと併せ、万博が相互理解と対話を促す重要な公共財であることを改めて示し、次の時代に向けた弾みを付けるものである。とりわけ、公式参加者やホスト国の地域コミュニティ、学生、非営利団体、ビジネス・学術・文化関係者など様々な関係者が、多様なプロジェクトを協同して準備し、万博会場の内外において相互の関係者や来場者との交流を進め、新たな活動を生み出し、更には様々な課題に対して関係者が自発的に動き、対話し、協力してきた姿は、将来の万博や国際交流の道しるべとなりうる。
会場では、生態系である「静けさの森」を中心に据え、それを取り囲むシグネチャーパビリオン、公式参加者や国内関係者のパビリオンの展示やイベントにおいて、自らの国や事業の魅力を訴求するだけではなく、「いのち輝く未来社会のデザイン」という問いに対するそれぞれの解釈を示した。半年という限られた期間だからこその実験的なパビリオンを舞台に、遊びやアートなどを駆使しながら子どもや若者たちが未来を選択していくにあたっての学びの機会を提供するとともに、郷土文化を踏まえつつ前衛的なものもあった踊りや音楽、食など五感に訴える体験を広く共有し、多くの感動をもたらした。
同時に、「SDGs+Beyond」で締めくくられた8つのテーマウィークを軸とする様々な議論の場において、国内外の有識者や政府・企業関係者から来場者までを含むステークホルダーが、「いのち」の本質的な在り方への根源的な探究から持続可能な将来の生活の在り方まで、多くの問いについて複層的な議論を重ねた。あらゆる「いのち」の固有の輝きを解き放つ未来社会とはどうあるべきか、この世界に脈々と受け継がれてきた貴重で多様な「いのち」を未来に残すために我々は何をすべきか、といった問いについて活発な対話がなされた。
また、展示や議論に加えて、デジタル、モビリティ、AI・ロボットといった分野における未来社会の在り方や、循環経済やライフサイエンス・ヘルスケア、ダイバーシティなどの現代的な課題への取組は、各パビリオンにおける活動や、万博自体のインフラや日々の取組においても実践された。例えば、デジタルの観点では、来場予約システムの導入などによって得られたデータを分析し毎日の運営改善に活用することで、安全で快適な会場運営に活かしたほか、循環経済の観点からは、パビリオンや大屋根リングなど会場内の様々な施設において練られているリユースなどの計画は、万博の理念が具体的に実践された表れと捉えられる。こうした試みが、世界が直面する課題に向き合うすべての関係者にとって、行動のきっかけや示唆となることが期待される。
大阪・関西万博では、関わったすべての人々が、多様でありながらも、ひとつにつながり、対話し、共働し、それぞれの文化を共鳴させ合う中で、いのち輝く未来社会に向けたメッセージを発信してきた。そうした議論や実践が、今後の万博に継承されるとともに世界の人々が未来社会をデザインしていくことに資することを願い、本宣言とする。
(ご参考)
▽「大阪・関西万博宣言フォーラム」概要
○開催日時 2025年10月13日 (月) 10時30分 ~ 11時30分
○会場 EXPO ナショナルデーホール「レイガーデン」
○プログラム(敬称略)
1. 開会の辞・日本政府挨拶・開催自治体挨拶
<登壇>
・2025年日本国際博覧会協会会長 十倉 雅和
・国際博覧会担当大臣 伊東 良孝
・大阪府知事 吉村 洋文
2. パネルディスカッション
<モデレーター>
・会場運営プロデューサー 石川 勝
<パネリスト>
・会場デザインプロデューサー 藤本 壮介
・アンゴラ陳列区域代表
アルビナ・ファリア・デ・アシス・ペレイラ・アフリカーノ
・カナダ陳列区域代表 ローリー・ピーターズ
・ジャマイカ陳列区域代表 モーリーン・スミス
・ウーマンズパビリオンin collaboration with Cartier
カルティエ・ジャパン・プレジデント&CEO 宮地 純
・「いのち会議」事業推進協議会議長
国立大学法人大阪大学 前総長 西尾 章治郎
・シェイプ・ニューワールド・イニシアティブ代表理事 佐久間 洋司
3. 国際連合及びBIEへの宣言文の手交・閉会の辞
<登壇>
・国際連合事務次⻑補 陳列区域代表 マーヘル・ナセル
・博覧会国際事務局(BIE)事務局長 ディミトリ・ケルケンツェス
▽大阪・関西万博宣言(添付ファイル参照)
・大阪・関西万博宣言(英文):PDF形式 110KB
・大阪・関西万博宣言(和文):PDF形式 160KB