キム・スヒョンが着ると、やはり売れるのか。
復帰後初の広告で、着用商品が“品切れ”となった。
グローバルファッションブランド「BENCH」は7月22日、キム・スヒョンとともに展開した新キャンペーンで、彼が着用した一部衣類が公開直後に品切れになったと明らかにした。
公式オンラインストアを中心に在庫がなくなり、一部商品は再入荷後にも再び品切れとなったという。
ブランド側は、キャンペーン公開後に商品への関心が続き、キム・スヒョンへの注目が実際の購買につながったと説明している。単なる話題性にとどまらず、“販売転換効果”まで生んだというわけだ。
キム・スヒョン復活を阻む“3つの壁”
今回の広告が注目されるのは、単に人気俳優が着用した商品が売れたからではない。
これは、キム・スヒョンが長い空白を経て再び公式活動に踏み出した後、初めて披露したグローバル広告キャンペーンだったからだ。

キム・スヒョンは昨年、故キム・セロンさんをめぐる私生活疑惑に巻き込まれ、大きな打撃を受けた。未成年時代から交際していたのではないかという疑惑が提起され、広告や作品活動にも影響が及んだ。
しかしその後、流れは大きく変わった。
韓国メディアによると、キム・スヒョンをめぐって流布された各種疑惑や資料について、警察捜査を通じて事実無根、あるいは操作された資料だった可能性が強まった。疑惑を提起してきたYouTubeチャンネル「カロセロ研究所」のキム・セウィ氏は、虚偽事実による名誉毀損などの疑いで拘束送致され、現在は収監状態で裁判を受けている。
キム・スヒョン側はこれまで、キム・セロンさんとの交際自体は認めつつも、交際が始まったのは相手が成人した後だったと主張してきた。
また、公開されたカカオトークの会話はキム・スヒョンとは無関係な人物とのやり取りを偽・変造したもの、故人の音声もAI技術を利用して作られた操作資料だったと説明している。
疑惑の核心が崩れたことで、キム・スヒョンは“疑惑の当事者”から“虚偽情報の被害者”へと位置づけが変わりつつある。その流れのなかで、今回のBENCH広告は、彼がどこまで元の場所に戻れるのかを測る、ひとつの試金石でもあった。

かつてキム・スヒョンの復帰には、いくつもの壁があった。
まずは「作品の壁」だ。主演を務めるディズニープラスのドラマ『ノックオフ』(原題)は、制作費約600億ウォン(約60億円)規模の大型作として期待されていたが、疑惑拡大の影響で公開が保留された。
疑惑が崩れたとしても、作品公開の判断がすぐに動くとは限らない。

次に、広告主との「法的整理の壁」もある。騒動の余波で広告契約をめぐる損害賠償訴訟が起き、キム・スヒョン側にとっては、イメージ回復だけでなく、契約上の問題をどう整理するかも重要な課題となっていた。
そして、最も厄介だったのが「世論の記憶」だ。法的に疑惑が崩れても、一度広がったイメージは簡単には消えない。長い間、「私生活疑惑の俳優」として報じられ続けたことの影響は、すぐに消えるものではない。
“市場を動かせる俳優”を証明
だが、今回の品切れ現象は、その壁に少しずつひびが入り始めていることを示している。
広告の世界は、世論の空気に敏感だ。ブランドはイメージリスクを避ける一方で、実際に購買を動かす人物を求める。
キム・スヒョンが復帰後初のグローバル広告で着用商品を品切れにしたという事実は、少なくとも広告市場が彼の影響力を再評価し始めていることを物語る。
実際、BENCH側はキム・スヒョンのグローバルな認知度、ビジュアル、商品の着こなしがブランド価値を高める要素として作用していると見ている。フィリピンをはじめとするアジア市場での認知度を背景に、今後もブランドとの協業シナジーは続きそうだ。

さらに、キム・スヒョンは最近、BENCHの創業者でCEOのベン・チャン氏が公開した広告撮影現場の写真を自身のSNSでリグラムし、約1年4カ月ぶりにSNS活動を再開した。ファンにとっても、これは単なる広告以上の意味を持つ出来事だった。
もちろん、これで完全復活したと断言するのは早い。『ノックオフ』の公開時期、残る広告主との訴訟、今後の作品活動など、整理すべき課題はまだ残っている。
それでも、広告に出れば商品が売れる。SNSを再開すればファンが反応する。久しぶりの公式活動でも、キム・スヒョンがなお“市場を動かせる俳優”であることは、今回の品切れ現象がはっきり示した。
疑惑の渦中にいた俳優から、虚偽情報の被害者へ。そして今、再び広告市場を動かすスターへ。
キム・スヒョンの完全復活はまだ道半ばだが、その輪郭は少しずつ、確かなものになり始めている。
◇キム・スヒョン プロフィール
1988年2月16日生まれ。2011年に放送されたペ・ヨンジュン企画のドラマ『ドリームハイ』(KBS)で一躍人気を集めた。日本でも大ヒットしたドラマ『星から来たあなた』で演技力が高く評価され、アジア各国で不動の人気を誇る。また、主演を務めた2024年の『涙の女王』が世界的なヒットとなり、韓流スターとしての地位を盤石にした。内向的な性格を心配した母親から演劇を勧められたことをきっかけに、俳優を志すようになった。
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