7月19日(日)よる11時放送の「情熱大陸」(MBS/TBS系)では、世界的ピアニスト・辻󠄀井伸行に密着した特集が放送される。
取材初日、辻󠄀井は肩をすくめながら「緊張しています…」とはにかんだ表情を見せた。これまで非公開とされてきた東京のプライベートスタジオに、初めてカメラが入ったからだ。
生まれつき視力を持たない辻󠄀井は、新たな曲に挑戦する際も譜面を見ることができない。膨大な音のパーツを耳で聴き取り、一音ずつ辿るようにして暗譜を進める。その様子は純粋に音の響きを楽しむ少年のようであり、世界を舞台に躍動する異能のピアニストのイメージを裏切る。

辻󠄀井は1988年9月13日、東京都豊島区生まれ。小眼球症により生まれつき全盲となったが、2歳のときにおもちゃのピアノで自然とメロディーを弾き始め、7歳からピアニストの川上昌裕に師事した。2009年、20歳にして「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」で日本人初の優勝を果たし、世界的ピアニストへの扉を開いた。
その後もベルリン・フィルハーモニーとの共演やカーネギーホールでのソロリサイタルなど、圧倒的な表現力で世界中の聴衆を魅了し続けてきた。2024年には世界最古のクラシック音楽レーベル「ドイツ・グラモフォン」と、日本人ピアニスト初となるグローバル専属契約を締結。その偉業を機に、改めて世界中の注目が集まっている。
しかし取材中に辻󠄀井が何度も口にしたのは「やがては世界を目指したい…」という言葉だった。そのためにはさらに様々な作曲家に挑戦し、レパートリーを増やす必要があるのだという。
番組ではこの春から、辻󠄀井が新曲に取り組むプロセスを丹念に追った。フランスを代表する作曲家の一人・プーランクをはじめ、初挑戦となる3つの楽曲をゼロから音として紡いでゆく日々が記録されている。そして迎えた本番で、辻󠄀井は珍しく弱音を吐いた。唯一無二と称される才能が、そのとき何を思ったのか。世界を驚かせる第2章が、いま始まろうとしている。
番組は7月19日(日)23時から23時30分まで、MBS/TBS系で放送。


