ガールズグループの華やかな再結成の裏側には、かなり現実的なお金の話があった。
デビュー10周年を迎えて再び集まったI.O.I(アイオーアイ)だ。
約9年ぶりのタイトル曲『Suddenly』で音源チャート1位を記録し、ソウル・蚕室(チャムシル)室内体育館での単独コンサートにも3日間で1万3000人余りを集めた。
数字だけを見れば、I.O.Iの復活は見事な成功だった。ファンは戻ってきた。会場も埋まった。新曲も結果を出した。10年前の記憶を呼び起こす再結成として、これ以上ないほど美しい展開だ。
ところが、メンバーの口から出たのは、祝祭ムードだけではなかった。
キム・チョンハは、I.O.Iとして再び集まることについて「集まるとお金が出ていく。個人的に活動するほうがはるかにお金は稼げる」と率直に語った。
ユ・ヨンジョンも「私たちがそんなに資本的に豊かでもなく、余裕のある状況で準備したわけでもなかった」と明かし、「“お金を稼げないのはわかっているから、今回は私も全部諦めて入る”と言って助けてくれた人たちが多かった」と説明した。
音源1位、コンサート成功という華やかな結果の裏で、メンバー自身は「個人で動いたほうが稼げる」と語った。そこに、今回のI.O.I復活の面白さがある。

音源1位、3日間で1万3000人
そもそもI.O.Iは、2016年のオーディション番組『PRODUCE 101』(Mnet)から誕生した11人組のプロジェクトグループだ。
『PICK ME』ブームを巻き起こし、韓国中に“国民プロデューサー”という言葉を広めたが、活動期間はわずか1年足らずだった。2017年1月のプロジェクト終了とともに活動を終え、メンバーたちはそれぞれの所属事務所、そして別々のキャリアへと戻っていった。

そのI.O.Iが、デビュー10周年を機に再び集まった。今回はチュ・ギョルギョン、カン・ミナを除く9人体制。5月には記念アルバム『I.O.I : LOOP』を発売し、5月29~31日にはソウル・蚕室室内体育館で単独コンサート「2026 I.O.I CONCERT TOUR : LOOP」を開催した。
3日間で集まった観客は1万3000人余り。公演初日にはタイトル曲『Suddenly』が音源チャート1位を記録した。
イム・ナヨンは「初公演の日に音源1位になってとてもうれしい。とても貴重なプレゼントだ」と語り、チョン・ソミも「コンサート当日に1位にしてくださって本当に感謝している。ドラマでもこんなふうに書いたら怒られる」と感激を口にした。
さらに、コンサートではI.O.Iの象徴ともいえる『PICK ME』で幕を開け、約3時間30分にわたり24曲を披露した。『24 HOURS』『Yum-Yum』など、番組時代のステージを思い起こさせる楽曲では、客席も一緒に過去へ戻った。解散前最後の楽曲だった『Downpour』の前奏が流れると、メンバーと観客は目頭を熱くした。

この再結成が、ファンにとってどれほど特別だったかは十分に伝わる。10年近い空白を経ても、I.O.Iという名前にはまだ人を集める力があった。
だからこそ、キム・チョンハの「集まるとお金が出ていく」という一言は余計に生々しい。
“売れても儲からない”の構図か
I.O.Iは売れていないから苦しいのではない。むしろ、売れているからこそ再結成の調整は難しくなる。それぞれが解散後に別々のキャリアを築き、個人としての仕事を持つようになったからだ。
I.O.Iは通常の常設グループではなく、『PRODUCE 101』から生まれた期間限定プロジェクトグループだった。活動終了後、メンバーはそれぞれの所属事務所へ戻り、ソロ歌手、俳優、グループメンバー、タレントとして別々の道を歩んできた。
10周年で集まるといっても、一つの事務所に所属する現役グループがカムバックするのとは構造が違う。
何よりもメンバーのスケジュールを合わせなければならない。関係する所属先も増える。I.O.Iという名前で動く以上、プロジェクトを管理する側、制作に関わる人たち、スタッフ、振付、衣装、映像、会場、プロモーションなど、多くの費用と調整も必要になる。
活動期間が限られている点も大きい。短期間で準備し、短期間で活動し、限られた期間で回収しなければならない。通常のグループのように、何年もかけて継続的に収益を積み上げる前提ではない。

その難しさは、ユ・ヨンジョンの言葉にも表れている。
彼女は、I.O.Iのカムバックが「一、二度白紙になった」と明かした。今回もメンバーの間には「これが実現するのか」という半信半疑の空気があり、「今回もダメなら本当に一生終わりだと思っていた」「好きでも嫌いでも持っていこう、これを全部やり遂げようという気持ちがあった」と語っている。
今回の復活は、すんなり用意された記念企画ではなかった。何度も崩れかけ、それでもようやく形になった再結成だった。
メンバーの発言を受け、ネット上でも「なぜI.O.Iは売れているのに儲かりにくいのか」という反応が広がった。
例えば、「I.O.IはSwingエンターテインメントとMnetの下で動いているから、メンバー個人の所属事務所は今回のカムバックであまり利益を得られないのではないか」「大人数グループだと、事務所と分けたあとに、さらに9人で分けることになる。そこから経費も引かれる」といった声があった。
売れている。話題にもなっている。ファンも待っていた。その一方で、個人活動に比べれば収益効率は悪い。このギャップが、今回のI.O.I復活をより印象的なものにしている。
個人活動のほうが稼げるという現実
キム・チョンハの「個人的に活動するほうがはるかにお金は稼げる」という発言には、かなりの現実味がある。
I.O.Iのメンバーたちは、解散後にそれぞれの名前でキャリアを築いてきた。キム・チョンハはソロ歌手として成功し、チョン・ソミもソロアーティストとして存在感を示してきた。キム・セジョンは女優としても活躍しており、キム・ドヨン、イム・ナヨン、ユ・ヨンジョンらもそれぞれの領域で活動を続けてきた。

個人活動であれば、I.O.I名義の再結成に比べて、スケジュールや収益の流れは比較的見えやすい。広告、ドラマ、バラエティ、ソロ音源、イベント出演など、個人の名前で動く仕事は、I.O.I名義の再結成に比べれば収益の流れも見えやすい。
一方で、I.O.Iとして集まるには、9人分のスケジュールと現在の活動を調整する必要がある。そこに制作費、スタッフ費、練習、録音、映像、衣装、会場、プロモーションが乗る。
しかも今回の再結成は、長期活動を前提にしたものではない。短い期間で準備し、限られたタイミングで成果を出す必要がある。音源1位やコンサート成功があっても、すべての費用や調整の重さを考えれば、個人活動ほど効率よく稼げるとは限らない。
売れたメンバーたちが集まるからこそ、お金も時間も調整もかかる。I.O.Iの再結成には、そんな逆説があった。
ユ・ヨンジョンの「今回のアルバムは愛だ」という言葉は、今回の流れを知ると重く響く。
彼女は、今回の準備が資本的に豊かでも、余裕ある状況でもなかったと明かした。それでも周囲には、「お金を稼げないのはわかっているから、今回は私も全部諦めて入る」と言って助けてくれた人たちが多かったという。

これは、スタッフや周囲の協力者も含め、採算だけでは割り切れない形でI.O.Iの復活が成立したことを示している。
K-POPの再結成には、ノスタルジーだけでは越えられない現実がある。所属、契約、収益分配、スケジュール、制作費。そこには多くの壁がある。
I.O.Iの10周年が胸を打つのは、その壁を越えてでも戻ってきたからだ。
集まればお金が出ていく。それでももう一度、同じ名前でステージに立つ。ユ・ヨンジョンの言葉を借りるなら、今回の再結成はまさに「愛」で成り立っていたのだろう。



