日本アニメの主題歌にK-POPアイドルが入り込む流れが、このところ目に見えて強まっている。
i-dle、Hearts2Hearts、ILLIT、RIIZEと、最近だけでも日本アニメのオープニングやエンディングを担当するグループが相次いでいる。
いまやK-POPの日本進出ルートは、アルバムやライブ、テレビ出演だけではない。アニメという、日本ポップカルチャーの中核そのものに接続し始めているのだ。
アニメにも侵食するK-POP
象徴的なのが、i-dleだ。彼女たちは4月8日にスタートしたアニメ『オタクに優しいギャルはいない!?』のオープニングテーマ『HIDE AND SEEK』を担当した。
i-dleは日本EP収録曲『Invincible』も、人気アニメ『BEYBLADE X』のオープニングテーマに起用されている。つまり、一度きりのコラボではなく、日本アニメ主題歌がすでに現地活動の流れの中に組み込まれ始めているわけだ。

この動きは、新人グループにも広がっている。昨年新人賞9冠を達成したHearts2Heartsは、4月12日からスタートするアニメ『キャッチ!ティニピン』のシーズン4、『デザート キャッチ!ティニピン』のオープニングテーマを歌う。彼女たちは3月に初の日本語歌唱曲を発表したが、今度は日本の子ども向けアニメIPと結びついた。
深夜アニメや若年層向け作品だけでなく、子ども向けアニメにまでK-POPが入り込み始めている。言い換えると、K-POPは一部の若いファンだけに向けたものではなく、日本の家庭で自然に流れる音としても浸透し始めているわけだ。

ILLITのケースは、さらに戦略的といえるかもしれない。
彼女たちは4月6日に日本デジタルシングル『Bubee』を発表し、アニメ『魔法の姉妹ルルットリリィ』のオープニングテーマに起用された。この楽曲はJ-POPベースに渋谷系サブカルチャーの感性を加えたダンスポップで、作詞には日本の人気シンガーソングライター、振付には日本の著名コレオグラファーが参加している。
要するに、単にK-POPグループがアニメを歌うのではなく、日本市場に合う感性へローカライズされたK-POPが、アニメ主題歌というルートで届けられているのだ。しかもILLITは、すでに映画主題歌や別のアニメオープニング曲でも日本で成果を出しており、日本のポップカルチャーと接続する導線を着実に増やしている。

RIIZEもまた、その流れを後押しする存在だ。
彼らは日本2ndシングル『All of You』で日本レコード協会のプラチナ認定を受け、東京ドーム公演まで成功させた。そのうえで今度は、アニメ『キルアオ』のエンディングテーマ『KILL SHOT』を担当する。
ここで重要なのは、アニメ主題歌が“まだ売れていないグループの飛び道具”ではないということだ。RIIZEのようにすでに日本で十分な人気を持つグループですら、さらに接点を広げるためにアニメ主題歌を活用し始めている。つまり、日本アニメ主題歌はいま、K-POPアイドルにとってかなり有力な“日本浸透ルート”になりつつある。

なぜアニメなのか。最もよく言われる理由は、アニメ主題歌が “日常的に耳に入る”音楽の一つだからだ。アニメは毎週放送され、繰り返し流れ、子どもから大人まで幅広い層に届く。しかも近年は、アニメそのものがNetflixや各種配信プラットフォームを通じて世界中へ拡散される。アニメ主題歌は、日本国内向けでありながらグローバル露出まで同時に狙える、きわめて効率の良い入り口といえそうだ。
加えて、ショートフォーム時代との相性も大きい。アニメ主題歌はイントロやサビの印象が強く、オープニング映像やダンスチャレンジとも結びつきやすい。ILLITがまさにそうであるように、日本の短尺トレンドや振付文化と組み合わせれば、主題歌は単なるBGMではなく拡散装置になる。
アニメ主題歌に起用されること自体が宣伝であり、その後SNSで再消費されることで、さらに認知が広がる。これはK-POPが得意としてきた“楽曲・映像・パフォーマンス”の三位一体戦略と極めて相性がいい。
この流れは軽く見られない。日本アニメ主題歌は、K-POPが日本市場の周辺にいるのではなく、本流に食い込み始めたことを示すサインかもしれない。アニメにも侵食するK-POP――その現実は、もう目の前まで来ている。
■【写真】ILLIT・ウォンヒ、“毛穴ゼロ”の至近距離SHOT



