K-POPや韓国ドラマなど、韓流コンテンツが世界的な注目を集めるなかで、毎年のように新しいスターが次々に現れている。
だが、海外で「韓国コンテンツの顔」として選ばれる名前は、驚くほど変わらないことが明らかになった。
最新の韓流実態調査でも俳優部門はイ・ミンホ、歌手・グループ部門はBTSがともに1位。しかもこの構図、実はここ数年の話ではない。
広がる韓流、変わらぬ“顔”
韓国の文化体育観光部と韓国国際文化交流振興院が3月30日に発表した「2026海外韓流実態調査」(2025年基準)によると、最も好感度の高い韓国俳優はイ・ミンホが1位(7.1%)だった。2021年から2025年まで5年連続で首位を守った形だ。

歌手・グループ部門でもBTSが21.9%で1位となり、こちらも5年連続トップ。2位にはBLACKPINKが入り、こちらも5年連続で、歌手部門は上位2組の固定感が際立つ。
もちろん、こうした海外調査には「韓流といえばまず誰を思い浮かべるか」という、より広い認知の蓄積が反映されやすい面がある。それでもなお、この10年近い流れを並べてみると、韓流の広がりとは別のところで、象徴としてのスターがかなり固定化していることが見えてくる。
過去の調査をさかのぼると、2015年から2017年ごろは、いまの「最も好感度の高い韓国俳優・歌手」という設問ではなく、「会いたい韓流スター」という形で集計されていた。設問が異なる以上、単純な横並び比較には注意が必要だ。ただ、それでも上位に並ぶ名前には明らかな連続性がある。
2015年調査では、『江南スタイル』で知られる歌手PSY(7.1%)が1位、イ・ミンホ(4.2%)が2位。2016年はイ・ミンホ(4.4%)が1位に立ち、2017年は再びPSY(9.2%)が1位、イ・ミンホ(6.5%)が2位だった。
その後、設問の形式が変わっても、俳優部門でイ・ミンホの存在感は揺らがない。2018年もイ・ミンホは「好感度の高い俳優」1位となり、2019年も7.6%の1位。2020年も9.6%で首位に立ち、そこから現在までトップを維持している。
歌手側も構図は似ている。

2018年時点の「最も好感度の高い歌手・グループ」でBTSが15.2%で1位、BLACKPINKが6.5%で2位。2020年にはBTSが22.0%、BLACKPINKが13.5%となり、すでに現在につながる2強構図が見えていた。
2021年以降もBTSは26.7%、31.3%、29.1%、24.6%、21.9%と首位を維持し、BLACKPINKも2位を守り続けている。3位以下にはIU、TWICE、ジョングク、PSYらが入れ替わるが、頂点の顔ぶれはほとんど動いていない。
ここで興味深いのは、「韓流が広がったこと」と「韓流を代表する顔が増えたこと」は、必ずしも同じではないという点だ。
韓国ドラマもK-POPも、いまや世界のあちこちで日常的に消費されるコンテンツになった。配信環境の変化でヒットの出方も細分化し、国や世代によって人気作品もかなり分かれる。それでも、より広い層に向けて「韓流スターを一人挙げるなら」と問われたとき、票が集まるのは長く名前が浸透した象徴的存在だけなのだ。
新しいスターが出続けている一方で、世界の大衆的認知の中心には、なお少数の“定番”が強く残っているといえる。
俳優部門のイ・ミンホは、その典型と言っていい。2021年から2025年までの推移を見ても、2位以下にはヒョンビン、コン・ユ、ソン・ヘギョ、キム・スヒョン、IUらが並ぶが、1位だけは動かない。設問の形式が変わる前の調査まで視野を広げても、イ・ミンホの名前は長く上位に定着してきた。
海外において「韓国俳優といえば誰か」と問われたとき、まず想起される存在として、すでに強固な位置を占めていることがうかがえる。
歌手・グループ部門のBTSも同様だ。2018年の時点で1位に立ち、その後も首位を維持してきた。しかも2位のBLACKPINKもまた5年連続で同じ位置にとどまっている。
歌手部門は、新しいグループやソロアーティストが次々に登場しているにもかかわらず、海外で「韓流の顔」として選ばれる上位の構図はほとんど崩れていない。
韓流は確かに広がった。最新の調査でも韓国文化コンテンツに対する世界の好感度は69.7%に達している。だが、その広がりが、そのまま「韓流を代表する顔」の増加にはつながっていない。コンテンツの消費は多様化しても、世界が韓流を思い浮かべるときに最初に浮かぶ名前は、なお限られている。
今回の海外実態調査が映し出したのは、韓流が広く浸透した時代だからこそ、象徴として共有されるスターはむしろ収れんされていくという現実なのかもしれない。



