“世紀の結婚”として注目を集めた女優シン・ミナと俳優キム・ウビンの結婚式で行われた「主礼のあいさつ」が公開された。
去る12月20日にソウルの新羅ホテルで行われた2人の結婚式で、主礼(式を主宰する立場の人物)を務めたのは法輪僧侶だ。
キム・ウビンが上咽頭がんを患って闘病していた2017年当時、法輪僧侶の相談を通じて大きな慰めを受け、シン・ミナもそばで看病を続けながら僧侶の助言を心の支えとしてきたことから、結婚式の主礼を依頼したという。
主礼のあいさつで法輪僧侶は、「まず、お二人の結婚を祝福する」と切り出し、「ミナさんは心が温かく優しく、10年余り前から貧しい子どもたちを助ける活動に継続して支援をしてきた」と話した。
続けて「ウビンさんは、かつて健康状態が良くなく困難を経験しましたが、ミナさんが供養米を頭に載せて慶州南山の観世音菩薩の前へ行き、宗教を超えて共に祈りを捧げた。その後、ウビンさんが再び健康を取り戻し、今日この場でお二人が手を取り合い、一生を共に生きていこうと結婚を約束するに至ったのは、本当に深い縁の結果だ」と述べた。
法輪僧侶は結婚の助言として、「それぞれの独立性を保たなければならない」「相手を尊重し、理解することが真の愛」「国民的な愛を受けている存在であるため、その愛に背かない社会的責任も負っていることを忘れてはならない」と伝えた。

シン・ミナとキム・ウビンは、2014年の広告撮影現場で初めて縁を結び、翌2015年に交際を認めて以降、公開恋愛を続けてきた。その後、キム・ウビンが上咽頭がんで闘病していた時期にも、シン・ミナは変わらずそばを守り続け、2人は多くのファンから変わらぬ応援と信頼を受けてきた。
法輪僧侶のあいさつ全文は、以下の通り。
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まず、お二人の結婚を祝福します。
私はお二人と長い付き合いがあります。ミナさんは心が温かく優しく、10年余り前から貧しい子どもたちを助ける活動に継続して支援をしてきました。
特に、北朝鮮から韓国へ渡ってきた脱北住民たちの苦しみを和らげるために、多くの支援を行ってきました。脱北住民と共に来た子どもたちは、韓国社会に適応できず、学校でいじめに遭うことが少なくありませんが、その子どもたちを放課後に世話するプログラムにも常に支援を続けてきました。
ウビンさんは、かつて健康状態が良くなく困難を経験しましたが、ミナさんが供養米を頭に載せて慶州南山の観世音菩薩の前へ行き、宗教を超えて共に祈りを捧げました。
その後、ウビンさんが再び健康を取り戻し、今日この場でお二人が手を取り合い、一生を共に生きていこうと結婚を約束するに至ったのは、本当に深い縁の結果です。
しかし、共に暮らすことは決して容易ではありません。
いつも今日のような気持ちでいられたら、どれほど良いでしょうか。生きていくなかで考え方の違いが生じ、それによって葛藤が生まれます。多くの人は、結婚すれば二人は互いに好きなのだから同じでなければならないと考えがちです。そうなると、結婚の良さもありますが、結婚が個人の自由を縛ることも少なくありません。
その結果、離れたいという気持ちが生じます。これを乗り越えるためには、結婚した夫婦が互いに寄りかかる温かさだけを追い求めるのではなく、個人の自由を非常に尊重することが必要です。
半分と半分が集まって一つになる結婚は、丸い月になっても真ん中にひびがあります。しかし、一つと一つが出会って丸い月になるなら、真ん中にひびはありません。そうしてこそ、完全に結びつくことができます。
そして、たとえ何らかの理由で別れが訪れたとしても、半分を失って味わう苦痛なく、自ら一つとして立つことができる、そんな二人であってほしいと思います。だからこそ、結婚が束縛ではなく、互いをより自由にする結婚になってほしいのです。
多くの人は、愛を好きであることだと考えますが、好きであることは愛というより欲望である場合が多いのです。好きという感情が冷めれば、嫌い、あるいは憎しみに変わることもあります。
先ほどウビンさんが誓いの言葉で述べたように、互いの違いを認めなければなりません。どれほど結婚した夫婦であっても、考えが違い、感じ方が違い、信じるものが違い、見解が異なることがあります。互いの違いを認めることを「尊重」と言います。つまり、相手を尊重することができなければなりません。
次に、互いの違いを認めることを土台として、「妻の立場ではそうであるかもしれない」「夫の立場ではそうであるかもしれない」と、相手を理解することが必要です。理解を伴わない愛は、時として暴力に変わることがあります。親は子どもを愛しているといいますが、子どもにとってはそれが大きな苦痛になることも多いでしょう。だからこそ、常に相手の立場を理解することを基盤とした愛をしなければなりません。
互いの違いを認める尊重と、相手に対する理解、この二つを必ず心に留めてほしいと思います。ここに一つ付け加えるなら、愛には責任が伴うという事実を忘れてはなりません。
妻としての責任、夫としての責任だけでなく、お二人はこの社会において国民から愛される広く知られた存在です。したがって、二人の間に何らかの葛藤が生じれば、それは二人個人の問題にとどまらず、社会全体に影響を及ぼします。
だからこそ、お二人が持つ名誉に伴う社会的責任を常に念頭に置く必要があります。愛する妻に対する夫としての責任、尊敬する夫に対する妻としての責任だけでなく、多くの国民が皆さんを愛している分、それに背かないよう生きていく社会的責任を持つことが、ぜひとも必要です。
改めて申し上げますと、第一に、結婚が束縛ではなく、より高い自由へと進む道となるためには、互いに寄りかかりながらも、それぞれの独立性を保たなければなりません。第二に、相手を尊重し、理解することが必要です。理解こそが真の愛です。第三に、妻としての責任、夫としての責任だけでなく、子どもが生まれたなら親としての責任を持たなければならず、またお二人は社会において国民的な愛を受けている存在であるため、その愛に背かない社会的責任も負っているという点を、必ず心に留めてください。
これらを常に胸に刻んで生きていけば、今日のこの良さが、これから先もずっと、さらに良いものへとつながっていくでしょう。改めて、お二人の結婚を祝福します。
◇シン・ミナ プロフィール
1984年4月5日生まれ。本名ヤン・ミナ。1998年に韓国のファッション誌『キキ』の第1期専属モデルとしてデビュー。当時は本名で活動していた。2001年にドラマ『美しき日々』(SBS)、映画『火山高』に出演。女優シン・ミナとしてその名を知らせた。かなりの読書家で、自身も2009年にフランス紀行エッセイ『フレンチダイアリー』を執筆している。2015年7月に5歳年下の俳優キム・ウビンとの熱愛を認め、2025年12月に結婚した。
◇キム・ウビン プロフィール
1989年7月16日生まれ。韓国・ソウル出身。身長188cm。2008年からファッションモデルとして活躍し、2011年にドラマ『ホワイトクリスマス』を通じて本格的に俳優デビュー。『紳士の品格』『相続者たち』、映画『技術者たち』といった多彩な映像作品に出演した。その後、2017年に上咽頭がんの診断を受けて活動を中断。闘病生活の末に2020年から芸能界に復帰している。2022年にはドラマ『私たちのブルース』、映画『宇宙+人』に出演。2015年7月に女優シン・ミナとの交際を認め、2025年12月に結婚した。



