「日本も決して弱い相手ではない」
自国でチェコ相手に2連勝で収め、敵地での“日韓戦”に臨む野球韓国代表のリュ・ジヒョン監督の顔には自然と笑みが浮かんだ。“宿命のライバル”侍ジャパン(野球日本代表)との差は広がって久しいが、「簡単にはやられない」という手応えを掴んでいるためだ。
韓国代表は来る11月15~16日にかけて、東京ドームで日本との強化試合を行う。来年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に先立った実戦テストであり、1次ラウンドで同居する日本の戦力を事前にチェックできる貴重な機会だ。
近年、韓国は国際舞台でプライドを大きく傷つけられた。WBCでは3大会連続の1次ラウンド敗退を喫し、日本どころか台湾にも競り負けるなど、世界での競争力を失いつつある状況だ。
今月8~9日のチェコとの2連戦は3-0、11-1と完封に近い形で連勝し、まずは最初のハードルを乗り越えた。とはいえチェコは世界ランキング15位の相手なだけに、快勝に満足することはできない。
日本へ出発する前、報道陣の取材に応じたリュ監督は「韓日戦(日韓戦)はやはり意味が違う。もちろん、結果も良くなければならない。その結果が選手たちの自信につながれば、来年にも良い形でつながるのではないかと期待している」と語った。

国際試合では、ストレートの球速がとりわけ重要になる。世代交代が進むなか、韓国でも時速150km台の速球を投げる若手投手が次々と台頭している。チェコとの強化試合で失点を許した投手はキム・ソヒョン(21、ハンファ・イーグルス)ただ一人。強力投手陣を揃える日本との対戦だけに、期待が膨らむのも当然だ。
リュ監督は「現在のコンディションを見ると、十分に良い結果を出せると思う。選手たちの意欲も高く、最近は本当に雰囲気が良い」と自信を見せた。例え結果が悪くても良い経験になる、というのが指揮官の説明だ。今回はイベント性の高い試合でもあるだけに、WBC本大会で挽回するチャンスも十分に残っている。
日本は負傷やコンディション不良によってメンバー変更が多く、必ずしもベストな布陣とは言えない。リュ監督は「相手には良い投手が3~4人いる。抑え投手もNPB最高レベルで、打者も各球団の主軸が揃っている」と警戒心を明かした。

そして最後、「WBC本大会では日本も海外組が合流する。決して弱いとは思っていない」とライバルとの一戦へ気を引き締めた。



