J1リーグの優勝争いが熾烈を極めるなか、お隣の韓国Kリーグ1(1部)では残り5試合時点で王者が決定した。頂点に立ったのは全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース。ACL常連の強豪クラブが、4年ぶり10度目のリーグ王者に返り咲いた。
全北は10月18日、本拠地・全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1第33節で水原(スウォン)FCに2-0で勝利。勝ち点を71まで伸ばし、同日にFC安養(アニャン)に1-4で敗れた2位・金泉尚武(キムチョン・サンム/勝ち点55)との差を16ポイントに広げ、残り5試合時点で優勝を決めた。
全北は2021年以来4年ぶり10度目のKリーグ1制覇を達成し、通算優勝回数でリーグ史上初の二桁到達。第33節終了時点の成績は21勝8分4敗で、総得点「57」はリーグ最多、総失点「27」はリーグ最少という圧倒的な成績だった。昨季はまさかの入れ替え戦に回る不振も経験したが、今季より就任したグスタボ・ポジェ監督のもとで復活に成功した。

また、このリーグ優勝により2026-2027シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)出場権を獲得。2024-2025シーズンにはAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)に出場していたが、かつて日本勢を苦しめた韓国の“ACL常連”が、2季ぶりにアジアの舞台に帰ってくることになった。
優勝をかけた一戦はキックオフ直後にスコアが動いた。前半2分、DFキム・テファンのクロスをFWアンドレア・コンパーニョがヘディングで叩き込み、あっという間に先制。勢いに乗った全北はDFラインを下げ、水原FCに支配される展開が続いたものの、時折カウンターで相手ゴールを脅かす。前半27分にはFWイ・スンウのシュートがこぼれたところをコンパーニョが押し込んだが、VARの結果ハンドと判定され、得点が取り消された。
それでも、全北は冷静さを失わなかった。前半33分に先制スコアラーのコンパーニョが負傷退場するアクシデントがあったものの、交代出場のFWチアゴが後半に結果を残した。後半12分、ペナルティエリア内で水原FCのDFキム・テハンがハンドを犯すと、VARの末にPKを獲得。これをチアゴが冷静に沈め、リードを2点に広げた。

以降、水原FCは反撃を試みたが、全北GKソン・ボムグンの好守に阻まれ得点を奪えず2-0で試合終了。同時刻キックオフで行われたFC安養対金泉尚武の結果により、全北が王座奪還を果たした。
Kリーグ1はスコットランドなどと同じ「スプリット方式」が採用。第1節から第33節までを全12チーム3回総当たりで行った後、「ファイナルラウンド」として第34節から第38節までを上位と下位6チームずつ2グループに分け、各チーム5試合ずつ実施する。上位グループでは優勝やACL出場権を争い、下位グループでは熾烈な残留争いが繰り広げられる。
ただ、全北はファイナルラウンドに突入する前に優勝を確定し、残り5戦は早くも“消化試合”となった。

なお、全北は来る12月6日には光州(クァンジュ)FCとのコリアカップ(前FAカップ)決勝を控えており、2025年シーズン“国内2冠”の可能性も残している。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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