韓国サッカー協会(KFA)のチョン・モンギュ会長が、ホーム開催の国際親善試合における“興行失敗”に言及した。
チョン会長は10月17日(日本時間)、サウジアラビア・リヤドで開催された「AFCアワード2025」に出席。先日行われたパラグアイ戦で指摘された観客数問題について語った。
14日にソウルワールドカップ競技場で開催されたパラグアイ戦の観客数は「2万2206人」だった。これは10日に同会場で行われたブラジル戦の「6万3237人」から4万人以上減少した数字で、ソウルワールドカップ競技場開催のAマッチとしては2015年10月13日のジャマイカ戦(2万8105人)以来10年ぶりの“3万人切り”となった。
なお、試合結果はブラジル戦で0-5と大敗するも、パラグアイ戦では2-0の勝利を収めている。

『聯合ニュース』などの韓国メディアが報じたところによると、チョン会長は「さまざまな理由があると思うが、ブラジル戦とパラグアイ戦に対するファンの関心度に大きな差があったので、試合の順番が入れ替わっていればもう少し良かったのではないかと思う。(秋夕の)長期連休が影響した可能性がある」とコメント。対戦カードによる“関心度の差”や連休が要因であるとコメントした。
また、「会長のイメージが良くないことが興行に悪影響を与えたのではないか」という報道陣の質問には「そういうこともあるかもしれない」と素直に認め、次のように続けた。
「(観客数低下は)一つや二つの理由ではないだろう。これからもっと頑張っていく。ファンからより多くの関心を得られるよう努力する。どれだけしっかり準備するか、どれだけ上手くやるかが重要だと思う。W杯の準備をしっかりして、国民の皆さんを喜ばせたい」

チョン会長は、忠清南道天安市(チュンチョンナムド・チョナンシ)の韓国サッカー総合センターに移転中のKFAの状況にも言及した。元々はソウル新門路(シンムンロ)のサッカー会館に事務所を構えていたKFAは、韓国代表の新拠点となる同センターが建設されるに伴い事務所移転を進めている。ただ、ソウルから同センターまで約90km離れており、職員の大多数が首都圏に居住している関係上、地方への勤務地移転に負担を感じていると伝えられている。移転に伴い、今後協会に入社する新入職員の人材力が弱まるのではないかとの懸念もある。
これに対しチョン会長は、「そうはならないと思う。変化は誰にとっても最初は嫌なものだが、少しずつ慣れていくだろう。実際に行ってみると感じ方が違うかもしれない。政府が世宗(セジョン)に移転した際の事例をすべて研究している。数年間は“節約モード”でいなければならないが、(職員たちを)上手く説得していく。(韓国サッカー総合センターは)韓国サッカー発展のきっかけになるだろう」と述べた。
そして、チョン会長は同日のアワードで年間最優秀国際選手賞を受賞したイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)を祝福。「イ・ガンイン選手も素晴らしい活躍をしており、所属チームがUEFAチャンピオンズリーグで優勝するなど多くの成果があった。今回の受賞がイ・ガンイン選手の発展により役立つだろう。韓国サッカーの発展にも役立つだろう。イ・ガンイン選手は先日のAマッチでも良いプレーを見せた。パラグアイ戦では見事なアシストを記録した。イ・ガンイン選手が活躍するかどうかは、北中米W杯での成果を左右する重要な変数になると思う」と伝えていた。
なお、韓国代表は11月の国際親善試合でアフリカ勢と対戦。14日にボリビア、18日にガーナと対戦予定で、キックオフ時間や試合会場は未定となっている。