BTSのリーダー・RMの愛読書としても知られるエッセイ『死にたいけどトッポッキは食べたい』の著者ペク・セヒさんが、35歳の若さでこの世を去った。
韓国臓器組織提供院は10月17日、ペク・セヒさんが前日、国民健康保険公団一山(イルサン)病院で心臓・肺・肝臓・両腎を提供し、5人が新しい命を得たと明らかにした。
同院は「人生の最期に分け与えた愛が命を救う奇跡となり、誰かの新しい始まりになった」と伝えている。
ペク・セヒさんはうつ病の診断を受けたのち、主治医とのカウンセリング記録をもとにしたエッセイ『死にたいけどトッポッキは食べたい』を発表し、大きな共感と支持を得た。
その後も『私ほどあなたを愛した人間はいないと思う』『書きたい 書きたくない』などを出版し、講演会やトークイベントを通じて読者との交流を続けてきた。

遺族は故人の意志を引き継ぎ、臓器提供を決断したという。妹のペク・ダヒさんは「文章を書くこと、人と心を通わせること、希望の夢を育むことを何よりも望んでいた、私が一番愛した姉。多くを愛し、誰も憎めない優しいその心を知っているから、今は空の上でゆっくり休んでね。本当にたくさん愛してる」と追悼の言葉を寄せた。
イ・サムヨル臓器組織提供院院長は「命の分かち合いを実践してくださったペク・セヒさんとご遺族の温かい愛に深く感謝します。温かい文章で誰かに慰めを、そして誰かに希望を伝えてきたペク・セヒさんが、人生の最期に分け与えた愛は命を救う奇跡となり、新たな人生を生みました。彼女の行動が、社会をより健やかで明るく照らす力になることを願っています」と述べた。