乳がん啓発を目的としたチャリティーイベントで過激なパフォーマンスを披露し、物議を醸した歌手パク・ジェボムが謝罪した。
10月15日、ソウル・鍾路区のフォーシーズンズホテルでは、ファッション誌『W KOREA』主催による「第20回 乳がん認識向上キャンペーン」が開催された。ガラディナーとパーティー形式で行われたこのイベントには、BTS、TOMORROW X TOGETHER、LE SSERAFIM、MONSTA X、Stray Kids、i-dle、IVE、ILLIT、aespa、NMIXX、ENHYPEN、ITZYなどのアイドルグループをはじめ、俳優のコ・ス、コ・ヒョンジョン、コンミョン、ムン・ソリ、パク・ウンビン、ピョン・ウソク、イ・ヨンエ、ハ・ジョンウなど、多くの著名人が参加した。

しかし、イベントの様子がSNSなどで公開されると、一部の間で批判が噴出。「乳がん認識向上」という趣旨にもかかわらず、イベント内で乳がんに関する言及がほとんどなかったという指摘が相次いだ。
実際、海外の多くの乳がん啓発イベントでは、チャリティーの象徴である“ピンクリボン”を掲げたり、ドレスコードをピンクで統一したりするのが一般的だ。ところが今回の『W KOREA』主催イベントではそうした演出が見られず、「これでは乳がん関連のチャリティーとはわからない」との声が上がった。また、豪華な芸能人を集めた華やかさとは裏腹に、過去20年間の累計寄付額が11億ウォン(約1億1000万円)にとどまる点も失望を招いた。
「善意でノーギャラ」
さらに批判を加速させたのが、アフターパーティーでの出来事だった。アーティストのパク・ジェボムが自身のヒット曲『MOMMAE(モンメ/“体つき”の意)』を披露したことが判明し、非難の声が広がった。
同曲は“成人指定”を受けた楽曲で、「君の胸についている姉妹 双子」など、女性の身体を露骨に描写する歌詞が特徴。そのため、乳がん啓発を目的とするチャリティーイベントの場で歌うのは不適切だとする意見が殺到した。
当初、『W KOREA』は公式Instagramにパク・ジェボムの『MOMMAE』パフォーマンス動画を投稿していたが、「乳がん患者を侮辱しているようにしか見えない」といったコメントが相次いだことから、動画を削除した。
パク・ジェボムは16日、Instagramで「正式な乳がんキャンペーンイベントが終わった後、パーティーとステージは、忙しいスケジュールの合間を縫って“良い趣旨と気持ち”で集まった方々のために行ったものと理解していた。もし僕のステージを見て不快に感じた患者の方がいらっしゃったなら申し訳ない。健康を願っています。ファイティン!」と謝罪。


さらに「ケガをした状態でも善意でノーギャラのステージを行った。どうかその善意を悪用しないでほしい」と呼びかけ、「“悪用しないで”というのは、この善意の行動を話題作りに利用しようとする人たちへのお願い。誤解しないでください」と補足説明した。
ただし、謝罪後も「パク・ジェボムは単に依頼されて歌っただけ」と擁護する意見がある一方、「イベントの趣旨を知りながら、場にそぐわない選曲をしたのは問題だ」とする批判も根強く、議論は続いている。
(記事提供=OSEN)