韓国・密陽(ミリャン)集団性暴行事件の加害者の個人情報を公開したユーチューバーに、実刑判決が下された。
10月15日、現地通信社『聯合ニュース』によると、ソウル南部地裁刑事15単独のキム・ウンス判事は、情報通信網法違反(名誉毀損)などの罪で起訴されたユーチューバーAに懲役8カ月、罰金300万ウォン(約30万円)を言い渡し、法廷で拘束したという。
Aは自身のYouTubeチャンネル「ナラク保管所」に、密陽集団性暴行事件の加害者とされる人物の名前や顔写真、居住地、勤務先などの個人情報を公開したとされる。Aはこれらの情報をネット上から取得し、動画として再編集したうえで、自身のSNSやチャンネルに再投稿した罪に問われていた。
裁判所は、「被告は“加害者たちに罰を与えたい”という思いで投稿したと述べているが、それは現行法で許される行為ではなく、公共の利益を目的としたものとは認められない」としたほか、実際には事件への関与が確認されていない人物の個人情報が公開された点についても指摘。さらに、「私的制裁は司法制度そのものを損なうおそれがある」と強調した。
なお密陽集団性暴行事件とは、2004年12月に密陽地域在住の男子高校生44人が、蔚山(ウルサン)の女子中学生1人を呼び出し、約1年にわたって性暴行を繰り返した事件。発生から20年となった昨年、ネット上で加害者とされる人物の個人情報が大量に拡散し、社会的論争を呼んでいた。同事件を題材とした映画『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』が2014年に公開されている。

(記事提供=OSEN)