FC町田ゼルビアとACL初戦で激突するFCソウルが、深刻な”守備崩壊状態”に陥っている。
FCソウルは9月13日、アウェイの江陵(カンヌン)ハイワンアリーナで行われた江原(カンウォン)FCとのKリーグ1第29節で2-3と敗れた。これでリーグ戦2連敗とし、10勝10分9敗の勝ち点40、37得点・38失点で12チーム中7位に転落した。
今夏に韓国代表DFキム・ジュソンがサンフレッチェ広島へ移籍してからというもの、FCソウルは“守備崩壊状態”が続いている。「Kリーグ最高の外国籍CB」と呼ばれるヨルダン代表DFヤザン・アルアラブが健在だが、彼はキム・ジュソンとコンビを組んだからこそ抜群のパフォーマンスを発揮できた。キム・ジュソンの退団はアルアラブのプレーにも影響を及ぼしている。
何より、キム・ジュソンの代役が未だ定まっていない。今夏にレンタル加入したDFチョン・テウク、またユース出身の若手DFパク・ソンフンに続き、江原戦では負傷から復帰したDFイ・ハンドがアルアラブのパートナーを務めたが、期待に及ぶパフォーマンスではなかった。

FCソウルは江原戦の前半39分、相手のカウンターを受けた際に守備の切り替えが遅く、セカンドボールの対処も不十分で、最終的に先制ゴールを奪われた。後半6分には、コーナーキックの守備時に相手選手の動線を無理に阻止したとしてPKを献上し、2失点目。同9分には中盤でのビルドアップミスでボールを奪われ、ダメ押しの3点目を許した。
後半10分時点で0-3とリードされたFCソウルは敗戦濃厚に。その後、FWチョ・ヨンウクとDFキム・ジンスの得点で1点差に迫ったが、同点に至ることはなかった。
江原戦で明らかになったように、FCソウルはキム・ジュソンが退団して以降、後方でのビルドアップ時のミスはもちろん、カウンターやサイドの守備時にDF陣が相手FWを逃す現象が続いている。
対人守備を強みとするキム・ジュソンは、攻撃時にビルドアップのスタート地点となる役割も果たした。アルアラブは持ち味のスピードを活かし、後方スペースのカバーや攻撃時の“エンジン”となる役割をこなした。ただ、現在はDF陣全体がバランスを取れない状態にある。
ただ、問題は守備だけではない。キム・ギドン監督は常に素早い攻撃への転換を注文するが、FW間の動線やパスの方向などが効果的ではないのだ。
江原戦でも、FWアンデルソンがボールを持った際に他の選手の動きが制限的だった。パスの出し所がなく、最終的にボールを奪われる場面が頻繁に見られた。これでは守備陣の負担が重くならざるを得ない。

FCソウルはキム・ジュソン退団以降の5試合で計15失点も喫した。1試合当たり平均3失点で、この間は1勝1分3敗にとどまった。
最終ラインが不安定になれば、結果を出すことが難しくなるのがサッカーだ。加えて、FCソウルは本日(9月16日)行われるアウェイでの町田戦を皮切りにAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)もスタートする。このような流れで主力のコンディション悪化、負傷などまで起これば、手の施しようもなくチームが崩れる恐れがある。
クラブを5年ぶりにアジアの舞台に導いたキム・ギドン監督の悩みが、いつにも増して深まっている。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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