マンチェスター・ユナイテッドに勝利したASEANオールスターズ(東南アジア諸国連合)を率いた人物は、日本とも縁ある韓国人監督だった。
マンチェスター・Uは5月28日、マレーシア・クアラルンプールのブキット・ジャリル国立競技場でASEANオールスターズに0-1で敗れた。
今月22日のUEFAヨーロッパリーグ決勝ではトッテナムに敗れ準優勝、プレミアリーグも20チーム中15位と、シーズン通して不振が叫ばれたマンチェスター・U。
今回、アジアツアーの一環で行われた試合はリーグ最終節から中2日と厳しい過密日程だったとはいえ、即席の選抜チーム相手に無得点で敗れたことで、観客席からブーイングが飛ぶ事態となっていた。
勝利の立役者は韓国人指揮官
マンチェスター・Uに勝利して注目を集めるASEANオールスターズだが、チームを率いたのは韓国出身の48歳。昨年5月からフィリップ・トルシエ氏の後任でベトナム代表指揮官を務めるキム・サンシク監督だ。
昨年末のASEANチャンピオンシップでベトナムを無敗優勝に導いた同氏が、今度は欧州ビッグクラブを破る番狂わせを起こした。

キム・サンシク監督は日本とも縁が深い人物だ。現役時代はKリーグの城南一和天馬(ソンナム・イルファ・チョンマ)や全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースに在籍し、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で浦和レッズや柏レイソル、セレッソ大阪、鹿島アントラーズとも対戦している。
浦和は2007年のACLで初優勝しているが、準決勝で対戦した城南一和天馬のキャプテンを務めたのがキム・サンシク監督。埼玉スタジアム2002で行われた第2戦では、PK戦で城南一和天馬1人目のキックを成功させている。
引退後も、全北現代の監督としてACLで浦和や横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸、ガンバ大阪と対戦。浦和が3回目のアジア制覇を達成した2022年大会では、埼スタ集中開催の準決勝でPK戦までもつれる死闘を演出していた。

そんなキム・サンシク監督のマンチェスター・U撃破を、韓国メディア各社は「キム・サンシクがアモリムを破った」(スポーツ紙『スポーツソウル』)、「キム・サンシク号の東南アジアオールスター、マンチェスター・Uにサプライズ勝利」(総合メディア『news1』)、「サンシク・マジック」(経済紙『イーデイリー』)などと報じている。