カンヌ国際映画祭のレッドカーペットで、過度な露出を伴う衣装が禁止される。
第78回カンヌ国際映画祭の主催側は5月12日(現地時間)、公式ホームページを通じて、レッドカーペットでの過度な露出を伴う衣装を禁じるというドレスコードの改定を発表した。
全面的なヌードスタイルはもちろん、長いトレーンやボリュームのあるドレスも許可されない。これを守らない場合、レッドカーペットへの立ち入りが禁止される。
主催側は「この決定は品位を保つための措置である」と説明した。
実際、近年のカンヌ映画祭のレッドカーペットでは、モデルのベラ・ハディッドやケンダル・ジェンナーらが上半身をほぼ露出するシースルータイプのドレスを着用し、注目を集めた。
韓国映画祭におけるドレス論争
気になるのは、このカンヌ映画祭の決定が他の映画祭にも影響を与えるのかどうか、という点だ。
実際、華やかなレッドカーペットを演出する過激なドレスは、世界各国の映画祭でたびたび話題となってきた。韓国も例外ではなく、これまでに「伝説」とまで呼ばれたドレスがたびたび登場している。
最も有名なのは、女優オ・インヘさんが2011年の釜山国際映画祭で見せた赤いドレスだろう。
そのあまりに大胆で攻めたドレスは大きな注目を集め、それまでは無名女優だったオ・インヘさんは一気に話題を独占し、“釜山映画祭のシンデレラ”と呼ばれた。

そんなオ・インヘに続くように、翌年の釜山映画祭では女優のペ・ソウンがヌードトーンの果敢なドレスで登場し、注目された。

2013年に開催された青龍映画祭では、女優キム・ソニョンのドレスが話題を集めた。
優雅な魅力が際立つ淡いピンクのシースルードレスを選んだキム・ソニョンは、滑らかな脚のラインを披露しつつ、背中や脚には龍や花などのタトゥーを施して登場。その姿が注目を集め、しばらくの間、ポータルサイトのリアルタイム検索ワードを席巻した。

その前年に開かれた第33回青龍映画賞のハ・ナギョンのドレスも、今も語り継がれている。ハ・ナギョンは胸元と美脚を強調したブラックドレスで登場し、大きな話題を呼んだ。
ただでさえ目立つ彼女が、フォトゾーンに上がる瞬間に転倒しそうになり、重大な露出事故につながりかけるハプニングが発生し、さらに注目を集めた。その後、ハ・ナギョンは自身のSNSで「今後は気をつけます」と謝罪のコメントを投稿した。

ハプニングといえば、2023年11月に行われた第44回青龍映画賞の授賞式に参加したアン・ウンジンだ。
彼女はこの日、銀色のドレスを着て登場した。このドレスはビーズで飾られ、優雅さを強調しているのが特長で、特に胸の部分は自然なボリューム感を誇るデザインだった。
しかし、レッドカーペットでドレスの胸の部分が流れ落ち、ヌーブラが露出するアクシデントが発生。思わぬかたちで注目を集めてしまった。

後日、アン・ウンジンはこのアクシデントについて、「その日は一日がスペクタクルだった。言おうとすると恥ずかしいが、周りがみんな心配してるから話さなければ。写真を撮られるとき、とても緊張したのだが、その日に着たドレスが少し下がった。少し戸惑ったが、“生きていればそういうこともある”と思った」と心境を語った。
近年は、以前ほど過激なドレスは見られないが、それでも明確に「禁止」となると寂しさも残る。カンヌの影響が世界各国の映画祭にまで及ぶのか、注目される。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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