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360度死角なし!明大発ベンチャーが開発する自律移動型“警備ロボット”が街に出る日も近い?

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自律移動型ロボットを出展するSEQSENSE。創業者(Co-Founder)の1人でCEOを務める中村壮一郎氏に話を聞いた
  • 自律移動型ロボットを出展するSEQSENSE。創業者(Co-Founder)の1人でCEOを務める中村壮一郎氏に話を聞いた
  • ユニークなフォルムの同社ロボット、「セキュリティロボットSQ-2」。環境を3Dで認識、異変を察知して伝えることをミッションにしている
  • そのユーモラスなフォルムの中には360度カメラ、人工知能、各種センサーなどの最新技術が搭載されている
  • セキュリティロボットSQ-2の足周りの様子
 東京ビッグサイトにて、2018年1月17日より開催される「第2回 ロボデックス ~ロボット開発・活用展~」。人工知能(A.I.)、IoT、クラウド技術、各種センサーなどを駆使したサービスや新製品が出展されるとあり、注目している人も多いことだろう。本稿では、自律移動型ロボット「セキュリティロボットSQ-2」を出展するSEQSENSEに話を聞いた。

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自律移動型ロボットを出展するSEQSENSE。創業者(Co-Founder)の1人でCEOを務める中村壮一郎氏に話を聞いた
自律移動型ロボットを出展するSEQSENSE。創業者の1人でCEOを務める中村壮一郎氏に話を聞いた


■SEQSENSEとは

 SEQSENSEは、明治大学発のロボティクスベンチャー。同大学理工学部の黒田洋司教授による『自律移動型ロボット』の研究が創業の出発点となっている。

ユニークなフォルムの同社ロボット、「セキュリティロボットSQ-2」。環境を3Dで認識、異変を察知して伝えることをミッションにしている
ユニークなフォルムの「セキュリティロボットSQ-2」。環境を3Dで認識、異変を察知して伝えることをミッションにしている


 同社の設立は2016年10月。同社の自律移動型ロボットは、レーザースキャンを用いた独自の3次元マッピング技術で、ロボットの周辺の環境をリアルタイムに把握できるのが特徴。レーザースキャンの形状から人間を判別できるため、商業施設やオフィスビルなど人が行き交う環境下でもスムーズに移動できるという。

そのユーモラスなフォルムの中には360度カメラ、人工知能、各種センサーなどの最新技術が搭載されている
そのユーモラスなフォルムの中には360度カメラ、人工知能、各種センサーなどの最新技術が搭載されている


■警備ロボットで新しい市場を創出

 同社 研究室で、CEOの中村壮一郎氏に話を聞いた。

 SEQSENSEでは、高度な水準のセキュリティを警備ロボットで実現し、24時間の巡回警備を要する施設内の警備など、今後人材の確保が難くなる領域にサービスを提供していく。

――現在の状況は。

 中村氏「セキュリティロボットSQ2のプロトタイプが完成したところです。今月から実証試験を開始しました。1年後のビジネス化を目指しています」

――開発の背景には、どんな想いがあったのか。

 中村氏「世の中で役立つものをつくりたい、そしてビジネスとしても成り立つロボットをつくりたいという想いが常にありました。いま市場では、どちらかというとエンタメ用途のロボットが多く出てきている気がします。私たちは地味でもよいので、役立つサービスをつくりたい。いま現在、世の中にないマーケットにおいて0から1を創っていきたい。新しい市場を創出するお手伝いができれば、というのが理念です」。

――なぜ、このタイミングで警備ロボットなのか。

 中村氏「国内外で犯罪やテロが増えており、オリンピックも見据えたときに警備の重要性が増しています。しかし、国内では労働人口が低下傾向にある。今後、少子化が訪れるために回復も望めないでしょう。そこでセキュリティロボットの需要が高まるのではと考え、開発をスタートさせました。これまでにない市場なので、やってみないと分からない部分も大きい、というのが正直なところではあります」。

■競合は?価格は?

――海外に競合する企業は存在するのか。

 中村氏「自律移動型ロボットとなると、搬送目的なら出てきています。工場内の搬送などが目的のサービスですね。ただ、ビジネス化は現在進行中といったところ。弊社では、最終的に人の混雑した状況でも安全に的確に動くロボットをつくりたい。技術的なハードルが多いため、競合はそれほど多くない印象です」。

セキュリティロボットSQ-2の足周りの様子
セキュリティロボットSQ-2の足周りの様子


――技術上の強みは。

 中村氏「ロボット開発は、インテグレーション(統合)が大事だと思っています。ソフトウェアとハードウェアをワンストップで開発して、それに伴う細かいパラメータを調整して、という職人技的なところがある。だから、特定の特許を抑えたメーカーが勝てるというものでもない。いまセンサーの開発が進んでいますし、位置情報の精度も上がってきています。人工知能の研究も続けられているので、弊社はそれらを統合して、さらにいいロボットにしていければと思っています」。

――どれくらいの価格帯を想定しているのか。

 中村氏「1ヵ月の費用として、警備員さん一人分くらいを想定しています」。

――1月のロボデックス展の見どころは。

 中村氏「最新型のSQ-2を持っていきます。そこまで自由に動かせるスペースは確保できないかも知れませんが、レーザーセンサーがどのように周囲の環境を捉えているか、ディスプレイに映し出します。それを見ていただくことが可能です」。

――展示会等でSQ-2を展示したときの反響は。

 中村氏「導入を検討してもらう際には、警備だけでなく来客を案内する機能なども要望としてあがってきます。SQ-2も、将来的には警備のほか、案内、搬送にも対応していくことがあり得るかもしれません。ただ、いま現在はひとつの機能(=警備)に集中したい。経営資金もないですし、現時点では警備機能を極めていくことが大事。将来的には、ニーズに合わせて様々な機能を付加させていければ」。

■モデルケースを確立したい

――どんな業界にアピールしたい?

 中村氏「強いて挙げるなら警備会社さん、ビルオーナーさんなどですね。すでに多方面からお声をかけていただいております。ただ、残念ながら社内に人手が足りなくて(苦笑)」。

――開発はすでに実証段階か。

 中村氏「直近では、公共施設とオフィスビルで実証実験をスタートさせるところです。ロボットに実務を課すことで、このくらいの効果があった、そんなデータを集めていきます。実用化に向けたモデルケースが確立できれば、そこから横展開はしやすい。逆に、実証実験で現場に出してみないと分からないところもあると思っています」。

――近い将来、警備員が不要になるということか。

 中村氏「考え方としては、人間の代替ではなく、人がわざわざやらないことをロボットにやらせたい。それに加えて、人間ではできないことを付加させていく予定です。たとえば警備員さんがビルを巡回されるとき、常に同じクオリティで仕事を続けていくのは難しい。体調、気分などにも左右されることがあるでしょう。でもロボットなら、定点チェックをいつでも的確に継続できる。具体的には写真を撮って、画像認識で判断して、ということになります」。

――現在の課題は?

 中村氏「開発の方は淡々と進めていますが、エンジニアがもっと必要ですね。ただ、自律移動のできるロボティクスのエンジニアとなると特殊な領域なので数が少なくて。ロボティクス、クラウドを含めたWeb周り、人工知能の3つの領域に強い人を増やしていきたいと思っています」。

■独特のフォルムの理由

――ユニークなフォルムに理由はあるのか。

 中村氏「四角い箱型のロボットにすることも可能でしたが、このようなフォルム・サイズに落ち着きました。混雑した状況で動かすことも想定しているので、あまり小さいと見えなくて逆に人の邪魔になってしまうんですよね。だから小学生くらいの背の高さが欲しかった。あとは顔認証などの機能を利用する際にも、人の目線から外部を捉えることで、画像認識の精度を上げることができます」。

――今後の展開で、いま何か考えている機能などがあれば。

 中村氏「将来的には、人間だったら感じるであろう”不審な人物”を、機械学習を通じてロボットにも認識させることができたら。危険を防止する、そんなアプリケーションを搭載できたらと思っています」。

 「可愛らしいフォルムと言われることもある。けれど、実際に遠くから”あれ”が動いてくると、結構不気味。中に、どんなセンサーが入っているのかも分からないので、悪いことはできません」と、冗談交じりに話す中村氏。ただ真面目な話として、ロボットが人の世で活躍し始める近い将来、人間側がSQ-2のようなロボットに慣れる必要はある、と話していた。「乗用車が街を走り出した時代も、出始めの頃は皆さん驚いたことでしょう」と中村氏。

 ロボットが街を歩いていても不思議ではなくなる、そんな『SFの時代』が、実はほんの数年先には到来するのかも知れない。新年1月17日より開催される「第2回 ロボデックス ~ロボット開発・活用展~」で、そんな近未来に思いを馳せるのも良いだろう。

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《近藤謙太郎》
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