【ウェアラブルEXPO】建設・物流現場、最新導入トレンド! | RBB TODAY
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【ウェアラブルEXPO】建設・物流現場、最新導入トレンド!

ビジネス 経営
ウェアラブル機器に関する展示やセミナーを行う「第4回 ウェアラブルEXPO」
  • ウェアラブル機器に関する展示やセミナーを行う「第4回 ウェアラブルEXPO」
  • 鉄道や建設現場でのウェアラブル活用を語る、アイテック阪急阪神事業戦略室主幹の雪定登氏
  • 雪定氏によると保守点検の現場では、遠隔で監視と指示ができるヘッドマウントディスプレイの活用が進んでいるという
  • フレームワークス商品開発部部長の村松大輔氏は、物流現場におけるウェアラブルの活用例を紹介
  • 倉庫におけるピッキング作業に、HMDやウェアラブルなバーコードリーダーが利用できると村松氏は話す
【記事のポイント】
▼作業員がHMDを装着することで、作業の遠隔監視や声による指示が可能に
▼HMDを装着しての作業をモニターし、分析結果を業務効率化に生かす


■現場全体を把握・分析・最適化し、人員削減にもつながるHMD

 ARやVRといった技術の進化とともに、ウェアラブル機器がビジネスの現場に取り入れられつつある。東京ビッグサイトで1月18日より開催された「第4回 ウェアラブルEXPO」では、各ブースでスマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ(HMD)、IoTソリューションといった、ビジネス用途を想定した製品の姿を見ることができた。

 会場ではその他、ウェアラブル端末のビジネス活用についてのセミナーも開催されている。そのうちの一つ、「保守・点検に変革をもたらすウェアラブルソリューション」では、スマートグラスやHMDの業務利用の現状、および将来性について具体的な事例も含めた紹介が行われた。

 登壇者の一人は鉄道会社系のソリューションを提供する、アイテック阪急阪神事業戦略室主幹の雪定登氏。同氏によると鉄道会社では、信号機、車両、保線などの保守のため、膨大な点検作業が日々行われているという。そこで考えられているのがHMDの活用だ。

 作業員にHMDを装着させることで、点検時には現場の状況をリアルタイムで事務所に知らせることが可能になる。とくに故障や事故といった非常事態には、作業員だけでは判断がつかず、保安事務所への問い合わせが発生するケースがあるとのこと。このような現場では、映像を事務所に送るとともに、通話も可能なHMDの活用が考えられるとしている。

「ほかにも、鉄道関連では運転手育成のための簡易シミュレーターなども、HMDで代用できるようになると考えています」

 一方、建設現場ではすでにウェアラブル端末がすでに実用化されており、同社は戸田建設にソリューションを提供。こちらも作業員にHMDを装着させ、事務所にいる現場監督が映像を見ながら指示を出せるようになっている。複数のチームが音声情報を共有することもでき、高層ビルの建設など多くの人員が作業を行い、作業場と事務所が離れている場合などには便利なソリューションと言えるだろう。

 また、ビル管理では警備員にHMDを装着させるというのが、一般的な想定用途だ。ショッピングモールなどで客とのトラブルがあった場合には、現場の映像を送ることで責任者の判断を仰ぎ、的確な対応を取ることができる。

 HMDの業務用途について雪定氏は、「スマートフォンやトランシーバーなどでの連絡と違い映像が送れること。そして作業員は両手を使って指示に従って作業を行えることなどがメリットです」と話す。こういったウェアラブル機器の活用によって、現場全体を把握、分析、最適化し、人員削減やコストダウンが図れるとのことだ。


■人材不足が続く物流現場での活用術

 セミナーではもう一人の登壇者であるフレームワークス商品開発部部長の村松大輔氏が、膨大な物流を支える倉庫からの正確なピッキング(荷物を選択し配送する)のために、ウェアラブル機器の活用法を紹介している。

 村松氏によれば物流業界でも、とくに倉庫では人材不足が慢性化しているという。そのために効率化が強く求められており、正確でなおかつ効率的なピッキングに向けて、ウェアラブルの活用が考えられるとしている。

 会場では同社のソリューションを使い、倉庫の棚をバーコードで管理。HMDと腕にはめるバーコードリーダーを使って、正確なピッキングを実現する様子が紹介された。これにより注文を受けたとき、ほぼリアルタイムに倉庫の作業員が商品をピッキングし、流通に乗せることができるという。

 このとき倉庫や作業者の状況は可視化されており、アーカイブすることで分析にも転用できる。例えば、より使う棚を入り口近くに配置したり、なるべく近いところに集めたりといったことが可能だ。また、同社では端末の種類による差についてもテストしており、両眼タイプよりも片眼タイプの方が、ピッキングの時間が短縮されることなども明らかにしている。

 リアルタイムの状況把握、遠隔操作、効率化、コストダウンなどのキーワードで語られるウェアラブル端末の業務活用。人手不足が蔓延し、生産性向上が訴えられる中で、その存在は見過ごせないものになっていくだろう。コストの問題から本格的な導入が困難な中小企業では、まず作業状況の分析用として、テスト的に導入することも考えられる。
《関口賢/HANJO HANJO編集部》
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