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高齢者にも重要な“むし歯予防”とは? …高齢化社会を乗り切るために

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日本フィンランドむし歯予防研究会理事、日本歯学センター 歯科医師 田北ユキヒロ氏
  • 日本フィンランドむし歯予防研究会理事、日本歯学センター 歯科医師 田北ユキヒロ氏
  • 20本以上の歯を有する者の割合(厚生労働省 平成23年歯科疾患実態調査)
  • 現在の歯に対するむし歯を持つ割合の年次推移(厚生労働省 平成23年歯科疾患実態調査)
  • 厚生労働省のサイト(福祉・介護 地域包括ケアシステムのページ)
 「高齢化社会」という言葉が、あたり前に使われている今日。日本で暮らす高齢者数をきちんと答えられる人は、どれくらいいるだろうか。

 5月28日現在、厚生労働省のサイトには、「65歳以上の人口は、現在3,000万人を超えており(国民の約4人に1人)、2042年の約3,900万人でピークを迎え、その後も、75歳以上の人口割合は増加し続けることが予想されています」と記載されている。

 これから訪れる高齢化社会の中で、健康的に余生を送るには、食べ物を噛んで味わえる“健康な歯”を維持することが、大切になってくるだろう。

 そこで、日本フィンランドむし歯予防研究会理事であり、日本歯学センターの歯科医師でもある田北ユキヒロ氏に、「高齢化社会を乗り切るためのむし歯予防」について、お話をうかがった。

――田北先生は、高齢者のむし歯予防として、厚生労働省と日本歯科医師会が1989年から推進している「8020(はちまるにいまる)運動」をご存知かと思います。運動が開始されてから今年で25年になりますが、歯を有する高齢者の方は増えてきているのでしょうか?

 はい、増えています。「8020運動」は80歳で20本の歯を残すことを目標にしているのですが、現在80歳以上の方たちのうち4割の方が、目標を達成されているんです。そして、今から10年後には5割の方が、その目標を達成できると推測されています。

――「8020運動」が開始された25年前と比べて、いま発売されているむし歯予防商品(歯ブラシ・歯磨き粉・ガムなど)は進化していると思うのですが、むし歯を持つ人の割合は減ってきているのでしょうか?

 残念ながら、残っている歯が多くなるのと比例して、高齢者のむし歯は増えているというのが現在の実情です。その逆に、現在20歳以下の方たちは、歯科衛生知識の増加や、歯ブラシ回数、歯磨き時間のアップ、フッ素入り歯磨き剤の普及やキシリトールガムなどの使用により、むし歯を持つ人の割合が年々減っています。

――若年層のむし歯は減少傾向なのに、高齢者は増加しているのですね。高齢者が特に注意すべき、むし歯のタイプがあれば教えてください。

 高齢者の方は、歯と歯茎の境目にむし歯ができる「根面う蝕(こんめんうしょく)」にかかりやすくなるので要注意です。根面う蝕の原因は、加齢によって歯茎の位置が下がり、歯の根本のむし歯に弱い部分が露出してしまうこと。そして、唾液量が少なくなり、歯の表面に残っているむし歯原因菌の栄養になる食べカスの洗い流しができにくくなること。この二つが考えられます。

――高齢者になっても健康な歯を持つためには、どういった対策が必要でしょうか?

 まずは、口の中の総菌数を減らすことが大事です。さまざまな道具や材料を複合的に使用して、口の中の汚れを落とし、きれいな状態を保ちましょう。また、汚れが溜まりやすい、むし歯になってしまった部分を、早めに治療することをお勧めします。

――最後の質問になりますが、高齢者のむし歯予防で「注意すべきこと」はありますか?

 とにかく、食事をしたら早めの歯磨き。そして、お茶や水を使ったうがいで、口の中の食べカスとばい菌を減らすことです。唾液を増やしてくれて、歯の修復も補助するキシリトールガムやキャンディも有効です。また、予防に力を注いでいる歯医者さんで、むし歯のチェックとプロフェッショナルクリーニングを定期的に受けていただくことが、とても大事ですね。

――年を重ねても、自分の歯で食事ができるように、日頃から口の中を清潔にし、定期的な歯科検診を心がけたいと思います。ありがとうございました。
《ダイエットクラブ編集部》
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