感動の実話を映画化した『奇跡のリンゴ』の初日舞台挨拶が6月8日（土）に都内で行われ、本作で夫婦役を演じる阿部サダヲと菅野美穂が登壇。同日は、AKB48総選挙の開票日とあって、菅野さんは「みなさんが映画をご覧になることが、阿部さんへの投票になります！」と呼びかけた。NHKのドキュメンタリーでも紹介され反響を呼んだ、青森県のリンゴ農家・木村秋則氏の取り組みを映画化した本作。体が弱い妻のために無農薬のリンゴを栽培しようと思い立った男の11年にも及ぶ戦いと、彼を支える家族の姿を描き出す。5月にイタリアで開催されたフィレンツェ映画祭でオープニング作品として上映され、「観客賞」を受賞している。主人公の木村氏を演じる阿部さんは「結末が分かっていても、あまりに苦労し辛いんで泣けてくるんです。最後は（リンゴ作りが成功し）本当に良かったなって…。でも木村さん本人は歯がないから、せっかくのリンゴが食べられない（笑）。ある意味、ムチャクチャな人ですよ」と役柄をふり返った。この日は、初めて木村氏が栽培する本物のリンゴを口に「うんめえー！」と歓喜の声を上げる場面もあった。一方、木村氏を支える妻を演じ、現在“新婚”の菅野さんは「阿部さんは現場で暗くて、心配した」と役に入り込んだ阿部さんの様子を暴露。改めて「見たことない顔を見せてくれ、俳優として尊敬し直した」と言い、「それにしても、売れてるねえ。阿部さん、いい俳優さんなんだから、長生きしてね」と、話題作への出演が相次ぐ阿部さんに珍エールを送っていた。舞台挨拶には夫婦を明るく見守る三姉妹を演じる子役の畠山紬ちゃん、渡邉空美ちゃん、小泉颯野ちゃん、主人公の親友を演じる池内博之、そして中村義洋監督が舞台挨拶に同席。中村監督は「いままでの気持ちがウソというわけではないが、今日の感無量は本当の感無量。木村さんには及ばないが、新人監督のつもりで3～4年取り組んだし、だんだん力強い映画になっている」と誇らしげ。それでも「映画の初日がAKBの選挙と重なるとは…」と苦笑いも浮かべていた。『奇跡のリンゴ』は全国東宝系にて公開中。
