慶應大の「仮想電力会社」、1000家庭の電力需給制御実験に成功……M2M技術を利用 | RBB TODAY
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慶應大の「仮想電力会社」、1000家庭の電力需給制御実験に成功……M2M技術を利用

エンタープライズ その他
EVNOの電力の需要と供給の制御イメージ
  • EVNOの電力の需要と供給の制御イメージ
  • 個別需給調整の状況(各家庭)
  • 全体需給調整状況(EVNO 管理センタ)
 慶應義塾大学(理工学部 山中直明研究室)は22日、仮想電力会社(EVNO:Energy Virtual Network Operator)による次世代電力需給制御方式の研究において、1000家庭を想定した模擬実験システムを開発し、3社のEVNO環境で、2秒周期で制御を行う実験に成功したことを発表した。

 このシステムは、ICT技術を活用したスマートグリッドにおいて、各家庭の電力管理制御システム(HEMS: Home Energy Management System)の情報をマシンツーマシン(M2M: Machine-to-Machine)通信技術で相互にやり取りを行う、電力需給制御アルゴリズムを動作させるためのものとなる。

 EVNOは、HEMSやスマートメータが、API(Application Program Interface)を通して、各家庭の現在の電力需要状況と電力供給(太陽光発電や燃料電池、蓄電池からの放電)状況である需給状況を利用可能とする。各家庭のアプリケーションプログラムでは、APIを通して得られた需給状況をもとに、M2Mの通信技術を用いた家庭間での分散協調スケジューリングアルゴリズムにより自動的に需給調整を行う。

 EVNOによる需給調整は、電力料金を最低にする、再生可能電力を優先的に使う、家庭内の余剰発電をできる限り削減するといった、各社個別の特色を持った運用ポリシーに基づいた需給制御を可能とするものだ。各家庭は好みに合致したEVNOを選択できる。

 本研究成果は、5月29日~31日に東京ビッグサイトで開催される「スマートコミュニティJapan2013・スマートグリッド展」にて展示公開、実験デモを行う。デモは、運用ポリシーの異なるEVNO3社の環境を想定し、パソコン上に構築した1000家庭が各家庭の好みに合致したEVNOを選択、2秒周期でM2M通信技術を用いた分散協調スケジューリングアルゴリズムにより需給制御を受けるというものとなっている。
《冨岡晶》
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