【実践ソリューションフェア 2013】ガマンの節電から効率的で快適な節電へ!BEMS導入は今がチャンス!! | RBB TODAY
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【実践ソリューションフェア 2013】ガマンの節電から効率的で快適な節電へ!BEMS導入は今がチャンス!!

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
電力見える化ブースのようす
  • 電力見える化ブースのようす
  • セミナーに登壇した大塚商会の森田健司氏
  • 会場内、展示スペース中央のメインステージでは、大塚商会のソリューションを劇形式で分かりやすく紹介
  • プラグワイズソリューション 右の3つは参考展示。近日中のサービスインを目指す
  • 電力料金の仕組み
  • 2つの節電対策
  • 大塚商会の節電ソリューション全体像
  • デマンドレスポンスについて
 大塚商会は2月6日から8日の3日間、芝公園ザ・プリンス パークタワー東京にて、同社が扱うソリューション群を紹介する「実践ソリューションフェア 2013」を開催した。ここでは初日に催されたセミナーの中から、「『ガマンの節電から効率的で快適な節電へ』 ~実践してわかった“見える化”の効果とコスト削減~」を取材した。

■節電対策は重要な経営課題! 更なる電気料金の値上げに備え、無駄な電力の削減を

 電気料金の値上げは、企業にダイレクトに影響を及ぼす。セミナーに登壇した大塚商会の森田健司氏は「即効性のある節電対策として、LED照明や最新ノートPCなど、省エネ機器への入れ替えが考えられます。また無理のない長期的な対策として、デマンドコントローラやBEMS(Building and Energy Management System)ソリューションによる“電力の見える化”も重要です。これらは継続的に実施するもので、長い目で見た計画性が必要になります」と説く。

 もちろん節電対策の前提として、電気料金の仕組みについても理解しておかなければならないだろう。電気料は基本料金+電力量料金で決まる。電力量料金は電力量料金の単価×使用電力量で計算され、1ヵ月に使った分で決まるので分かりやすい。ところが面倒なのは基本料金のほうだ。基本料金は、基本料金単価×契約電力である。しかし契約電力は、過去1年間を遡って電気を最も使った日(30分単位で計測される)のデマンド値をベースに算出される。そのため何か突出したケースが1度でもあると、それがベースになってしまうのだ。

 「基本料金は、常にピーク値を抑えるきめ細やかなコントロールを行ってキープしなければ、節電してもすぐに料金に反映されない仕組みです。これを意識しているだけでも、かなり変わってきます」。そこでデマンド値の見える化を行って、ピークコントロールを行なう必要があるのだ。電力料金を削減するためには、それと同時に総使用量を抑えて、無駄な電力を利用しない施策も打たなければならない。

■いまが絶好のチャンス!補助金制度でBEMSソリューションを導入

 大塚商会では、自社ビルで電力の見える化と省電力を実現しており、「これをもって事業として顧客にも提供できるという自信を深めました」という。具体的には「キュービクル(受電設備)に設置する“デマンド監視装置”や、キュービクル・分電盤にセンサーを付けて電力を監視する“BEMS”、PCやプリンターなどのコンセント機器に接続して無駄な利用を発見する“スマートコンセント”という3つの分野があります」とのこと。

 ビル全体のエネルギーを管理するBEMSソリューションでは、分電盤などに付けたセンサーからデータを収集することになるが、センサーの数が多いと工事や管理が大変になるため、フロア単位あるいは系統別単位で導入するケースが多い。収集されたデータは、クラウド上の管理サーバにアップされ、電力の見える化に一役買うことになる。さらに、使用量をモニタリングするだけでなく、データを基に空調室外機などをオンオフ制御することで電力のコントロールも可能だ。実際に一般的なオフィスビルでは空調制御の要請は大きい。

 森田氏は、「実は、いまはBEMSソリューションを導入するチャンスです。来年3月まで補助金制度が適用されるため、導入の敷居がだいぶ下がっているので、ぜひご活用いただきたいと思います」と説明する。補助金の対象事業は契約電力50k~500kWの高圧小口需要家で、削減率は10%を目標に設定されている(罰則規定はない)。そして一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)に登録を受けたBEMSアグリゲーターが提供する補助対象システム(設備費と工事費)に適用される。このBEMSアグリゲーターに大塚商会も採択されている。

 気になる補助金の割合だが、工事費は3分の1、また設備費は3分の1~2分の1までの金額が確定検査2ヵ月後に支払われる(上限は170万円または250万円)。この補助費の支払い額(補助率・上限額)の違いは、デマンドオンレスポンスの対応によって変わる。デマンドオンレスポンスとは、電力会社の需給状況が逼迫した際に(使用率97%超)、電力使用量を強制的に抑制する仕組みだ。これを受け入れる場合には設備費が2分の1まで補助される。実際にはデマンドオンレスポンスが発動されるケースはほとんど起きないため、デマンドオンレスポンス有りを選ぶ企業が多いそうだ。

■大塚商会の電力見える化ソリューションと実践事例とは?

 また森田氏は、同社のデマンド監視装置やスマートコンセントなどの商品についても紹介した。デマンド監視装置「エコ.WebIV」は、デマンド値を常時監視し、設定値を超過するとメールやパトライト(オプション)で警報を発する装置だ。最大32点の電力量(デマンド監視警報は1点)、ガス、パルスなどを計測し、10分間隔で2年分のデータを保存できる。オプションだが機器の自動制御も可能だ。「蓄積された統計データは、Webブラウザーからアクセスでき、サイネージ画面によって従業員の節電意識も高められる」という。

 もう1つのスマートコンセント分野では「プラグワイズ」を用意。こちらはコンセントに繋がれている機器ごとの電力を見える化するものだ。無線でデータをモニタリングすることで電力の無駄を発見でき、たとえば、PCの一斉入れ替えなどの際に、導入前後の電力量を比べられる。このほか天井裏等に設置する埋め込みタイプのステルスというモデルもある。電線と接続して照明の電力をモニタリング・制御するもので、デマンドコントローラとの連携も可能だ。

 今後発売するプラグワイズ最新ソリューションでは、無線の届かないロケーションでも、フロアー・建屋越えで個別機器の電力管理が可能なSLPタイプや、使用電力のデータをゲートウェイで収集して管理できるクラウドタイプ、効率的な照明の節電が可能な人感・照度センサータイプなどもサポートしていく予定とのこと。

 最後に森田氏は、自社のBEMSや電力の見える化による省エネの実践例も紹介した。大塚商会では既存のBEMSに加え、エネルギーモニターを新規に設置し、合計168ポイントで電力を計測。これらのデータはオープンBEMSサーバで一元管理し(既存BEMSのデータはCSV形式でインポート)、さらに公開サーバで「見せる化」し、各フロアのリアルタイムの利用状況を把握。同社のWebサイトや東京ショールームでもデータを公開中だ。

 具体的な省エネ対策の実践としては、まずWindows7採用のノートPCを1800台ぶん入れ替えた。「これはかなり節電効果がったため、我々のお客様にも入れ替えを薦めています。ノートPCであれば日中の電力ピーク時にバッテリ駆動させることもできますし」。また見える化によって、いろいろな問題点も見つかったそうだ。たとえば本社3Fは天井が高く、訪問客も多いことから他フロアーよりも電力が使用されている。本社5Fはフリーアドレス制になっているが、17時以降にOAコンセントの電力量が減っていくにも関らずフロアーの電気量は減っていない。つまり人が誰も居ないエリアで電気をしっかり消していないということだ。

 また技術フロアーのサーバの待機電力の異常値も発見。いかに物理サーバの電力を減らすか、同社にとってサーバの電力は今後の大きな課題の1つだという。検証用サーバを24時間稼動しないくてよい場合はシャットダウンすることや、仮想化によって物理サーバの台数を減らすなどの施策を検討しているところだ。また自動販売機など、普段意識されない給茶機の電力も可視化。給茶機は夜間や休日に停止することで、年間消費電力34400kWhを17800kWhまで削減でき、節電効果が非常に高いことも分かった。このような徹底した施策により、同社は2011年には年間100000kWh(前年比20%)の電力の無駄をなくせたそうだ。森田氏は「大塚商会では、これまでも節電対策に努力してきましたが、まだまだ削れるところはあると分かりました。電力の見える化以外にも、照明のLED化などのソリューションも用意しています。さらなる節電効果を図り、お客様にもご提案していきたいと考えています」とした。
《井上猛雄》
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