【インタビュー】中小企業のネットショップを支援!締め日から最短5営業日、業界の常識を破る早期入金の仕組み | RBB TODAY

【インタビュー】中小企業のネットショップを支援!締め日から最短5営業日、業界の常識を破る早期入金の仕組み

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ペイジェント 代表取締役社長 上林靖史氏(右)とグロービス・キャピタル・パートナーズ マネージング・パートナー 仮屋薗聡一氏(左)
  • ペイジェント 代表取締役社長 上林靖史氏(右)とグロービス・キャピタル・パートナーズ マネージング・パートナー 仮屋薗聡一氏(左)
  • ペイジェント 代表取締役社長 上林靖史氏
  • グロービス・キャピタル・パートナーズ マネージング・パートナー 仮屋薗聡一氏
  • ペイジェント
 ECサイト決済代行サービスを営むペイジェントは、加盟店への売上金の支払いサイクルを通常よりも早くする「早期入金オプション」サービスを開始した。その狙いは一体どこにあるのか、こうしたサービスが中堅・中小企業に与える影響はどういったものなのか。ペイジェント 代表取締役社長の上林靖史氏、および数多くのベンチャーに支援を行ってきたグロービス・キャピタル・パートナーズの仮屋薗聡一氏に話を聞いた。

■資金負担を軽くすることで、成長企業の勢いを止めない

 「早期入金オプション」サービスは、別途手数料率を上乗せすることによって売上金の支払いサイクルを締め日から最短5営業日支払いに対応させるオプションサービスで、締め日も月に2回~最大4回まで設定できる。上林氏は「やはり売上げ後すぐに入金される方がよいというのは、どんな企業であれ持っているニーズだと思います。従来、ECサイトの決済代行サービスは月末締めで翌月末支払いというサイクルが一般的でした。それに対して、ペイジェントではこれまでも、月末締めで締め日から最短で9営業日支払いと、かなり早い支払いサイクルで対応してきました。しかし、お客様をさらに支援するには、もっと突き抜けて、早いサイクルで入金できる仕組みをご提供する必要があると考えました」と説明。

 さらに「EC市場では、新しいビジネスモデルで、新しい角度からチャレンジをして急成長している企業が多くあります。入金サイクルを短くすることで、資金的な負担を軽減し、本業にフォーカスしてビジネスをさらに発展させていただきたいという想いでサービスを開始しました」とのこと。支払いサイクルを早くすると、決済代行サービスを実施する側にそれなりの負担が掛かるが、その点については「我々は、もともとDeNAと三菱東京UFJ銀行とのジョイントベンチャーとして立ち上がった企業ということもあり、決済事業者として(資金力の)バックアップ面で恵まれています。そのアドバンテージを活かしながら新サービスを展開することで、加盟店の皆様にメリットを享受していただきたいと考えています」とした。

■成長するが故に資金は必要 中小企業にとって明らかに価値のあるサービス

 ベンチャーキャピタル側の立場では、このようなサービスについてどのように見ているのか? 仮屋薗氏によると、現在、国内ベンチャーキャピタルによる資本投下は年間1000億円強といわれているそうで、この金額は、いわゆるリーマンショック前と比べると約3分の1ぐらいとのこと。つまり、リーマンショックの頃から市況はずっと下げ止まりしたままになっている。「供給される投資が少ないため、新規ベンチャーの資金繰りも大変です。特に中堅未満で、数百万円から数千万前半の月商を出す伸び盛りの企業にとっては、1、2ヵ月間でも資金が寝てしまうと、固定費や原材料費の支払いに影響が出てしまいます」(仮屋薗氏)。たとえば新たに設立した会社でECサイトを立ち上げ、オープン当初から売上が好調に推移していたが、予想以上に商品が売れたため、倉庫から在庫が尽きてしまったというケースもある。そこで急遽、新商品を仕入れたいと思っても、売上げ入金が翌月末であるため手元に資金がなく、仕入れに困ってしまう。

 カートサービスにしてもネットワークのインフラにしても、今はSaaS型(ASP型)で廉価に利用できるようになり、EC事業への参入は比較的容易になっている。ただし、企業の成長にあたって、販売から回収に至るまでの運転資金は必ずついて回るもの。つまり成長するが故にお金が掛かるわけで、その部分を下げるわけにはいかない。これが資金力や体力のない事業者には大きなボトルネックとなっている。

 とにかくEC分野で活動する中小企業にとって、入金サイクルの問題はあまねく課題となるところ。支払いが1週間でも2週間でも早くなれば、それだけで助かるというのが正直な声だ。仮屋薗氏は「早期入金オプションサービスで締め日を分割すれば、入金サイクルが圧倒的に短くなります。こういったサービスは、多少の手数料が上乗せされるとしても資金の調達余力に限界のある中小企業にとって明らかに価値があるもの。意思決定の要件になる部分です」と大いに評価する。

■新たなバリューを生み出すベンチャー企業と共に成長していきたい

 従来までの「月末締めの翌月末支払い」というサイクルは、EC分野では当たり前のことだったが、あくまで慣習にすぎなかった。もともとペイジェントは、業界では比較的新しい参入組に入る。そのため古い慣習にも当初から疑問に思うところがあったようだ。上林氏は「決済代行はある種社会インフラともいえるものです。そのようなポジションで仕事をさせていただくのですから、日本経済の活性化に少しでも寄与したい。ECの部分で、ベンチャー企業が様々なアイデアによって、消費者に新しいバリューを提供していくというのは、個人的にも大変わくわくすること。いま我々が持つ決済サービスの枠組みの中で、少しでもお役に立っていきたいし、共に成長をしていきたいと考えています」と今後の抱負を述べた。

 今後、いろいろな形で電子決済は広がっていくだろう。いまや子供たちは小・中学生のころからPCやスマートフォンを自在に扱うデジタルネイティブ世代だ。社会インフラとしてのEC決済サービスはより重要なものになり、今回のサービスのように、インターネット上のビジネスチャンスを後押しする新しい施策がますます求められることになるはずだ。
《井上猛雄》

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