スマートフォン+クラウドVoice APIで広がるアプリとサービスの可能性……KDDIウェブコミュニケーションズ | RBB TODAY

スマートフォン+クラウドVoice APIで広がるアプリとサービスの可能性……KDDIウェブコミュニケーションズ

 KDDIウェブコミュニケーションズと米Twilioの業務提携について、KDDIウェブコミュニケーションズ boundio事業部 小出範幸氏にインタビューを実施。Voice APIサービスの現状、そして既存のboudnioサービスとTwilioのAPIサービスとの関係などについて話を聞いた。

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KDDIウェブコミュニケーションズ SMB事業本部 boundio事業部 ゼネラルマネージャー 小出範幸氏
  • KDDIウェブコミュニケーションズ SMB事業本部 boundio事業部 ゼネラルマネージャー 小出範幸氏
  • Twilio APIのサービスイメージ(発信)
  • Twilio APIのサービスイメージ(着信)
  • TwilioCON 2012
 10月31日、クラウド型のVoice APIについてKDDIウェブコミュニケーションズと米Twilioの業務提携が発表された。

 この提携について、KDDIウェブコミュニケーションズ SMB事業本部 boundio事業部 ゼネラルマネージャー 小出範幸氏にインタビューを実施。同社が力を入れるVoice APIサービスの現状、提携の狙い、そして既存のboudnioサービスとTwilioのAPIサービスとの関係などについて話を聞いた。

 その前に、簡単にTwilioのAPIサービスについて説明しておこう。TwilioのAPIサーバーは、キャリアのIP電話番号(日本ならば050番号)に紐づいた音声セッションを制御(呼制御)するAPI一式をクラウド形式で提供する。利用者はおもにアプリベンダーやサービスプロバイダとなるが、このAPIを利用して、SMSを含むさまざまなコミュニケーションサービスを構築できる。サーバーはクライアント(スマートフォンやPC、Webサイト)からの要求をキャリアのSIPサーバーとやりとりする。APIの利用は、Python、PHP、Ruby、Java、.NETなどから、通常のHTTPリクエスト、RESTライブラリ、TwMLという独自のXML形式などさまざまなアプローチが存在する。

 わかりやすく言うなら、SkypeやLINEのようなメッセージングツールやアプリが、クラウドAPIを利用するだけでだれでも簡単に実現できるというサービスだ。クラウドサービスなので、アプリベンダーやサービスプロバイダは、ネットワーク関係のインフラを持つ必要はない。自分の開発環境でアプリケーションのインターフェイス部分やロジック部分を書くだけでよい。

 KDDIウェブコミュニケーションズは、国内ではホスティング事業をメインとするKDDIの子会社だが、近年、収益モデルを広げるために、ホームページ作成ツール(Jimdo)やオンラインストレージによるファイル共有サービス(Corabbitベータ版)、そして電話APIサービス(boundio)などの事業を展開している。KDDIウェブコミュニケーションズとTwilioの提携によって、このAPIサービスが利用した国内向けのアプリやサービスの開発が可能になった

 小出氏は「2年ほど前、新規事業を開発するために転職してきましたが、そのころアメリカでは電話APIのサービスが流行っている、と聞いていました」という。それがboundioのサービスや今回のTwilioとの提携につながっている。boundioはシンプルで使いやすいAPIであり、簡単に電話アプリが作れるサービスだが、アウトバウンド側の制御しかできなかった。その点、TwilioのAPIはインバウンド側の制御も可能であり、固定電話や携帯電話との音声通話やメッセージングの自由度が高い。

 小出氏はTwilioのサービスを知った時「これはいける」という直感が働いたという。またコールセンター業界に籍を置いていた経験もあるため「コールセンターのシステムにこの手があったか!」とも思い、コールセンター業界に革新を呼べるサービスだと期待している。ただ、コールセンターのシステムには巨大な設備投資がなされているため、いいサービスが表れてもすぐに業界がリプレースすることはないそうで、変革には時間が必要だ、と期待をしつつもじっくりビジネスを育てていく考えのようだ。

 しかし、スマートフォンと連動させた通話アプリ、メッセージングアプリ、ECサイト、予約サイト、ゲーム、スケジュール管理、あるいは家電や情報機器に通話機能をつけるなど、音声サービスによって付加価値や新しい機能を与えられる分野は広い。実際にアメリカでは、ハイヤーをスマートフォンで手配する「UBER」というサービスや短期滞在の宿泊場所を探すポータルサイトである「AirBnB」などがTwilioのVoice APIサービスを利用しており、アメリカでは成長分野の市場のひとつとなっている。

 小出氏がVoice APIに期待を寄せTwilioと提携した目的は、「電話とウェブというこれまで別々のサービスだと思われていたものをつなぐ新しいサービスだから」とのことだ。スマートフォンやネットの普及により音声通話は減っているとはいえ、年間で1100億もの通話トラフィックが発生している。1通話の単価を10円と低く見積もっても1兆円からの市場規模があるといえる。今後の同社の動き、そして日本でのVoice APIを利用したサービスビジネスがどう拡大していくか注目したい。
《中尾真二》

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