「“データのグループウェア化”で強い企業増やしたい」……「cybozu.comカンファレンス II」基調講演 | RBB TODAY
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「“データのグループウェア化”で強い企業増やしたい」……「cybozu.comカンファレンス II」基調講演

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏
  • サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏
  • 基調講演に乱入したアントニオ猪木氏
  • アントニオ猪木氏と青野氏の対談も実現。世紀の対決、モハメッド・アリのマッチの裏話も
  • 「cybozu.com」では、ユーザーに専用サブドメインが付与され、強固な2要素認証によってアクセスできる
  • 業務アプリ構築クラウド「kintone」
  • サイボウズOffice最新版は、JavaScriptの読み込みに対応
  • 「データのグループウェア化」というコンセプトは、グループウェアにデータを乗せて、チームワークを高めようというもの
  • スケジューラのグループ化の事例
 サイボウズは26日、水道橋の東京ドームホテルにて「cybozu.comカンファレンス II」を開催した。同カンファレンスは今年3月にも催されているが、今回はスペシャルゲストにアントニオ猪木が招かれ、1000名以上の来場者が駆けつけて大変なにぎわいだった。

 同社は昨年11月に「サイボウズ Office」などの製品をクラウド環境で利用できるサービス「cybozu.com」をリリース。1ユーザーあたり500円から利用できる破格の料金もあってか、中小・中堅企業を中心に導入企業数が2000社を突破し、同社の予想を超えて急速に広がりつつある。同カンファレンスの基調講演では、サイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏が、「cybozu.com」の戦略やロードマップ、新サービスなどについて発表した。

 「cybozu.com」では、旧来のグループウェアの使い方、いわゆる「E-mail」「スケジュール共有」を超えて、ビジネスワークフローや営業案件の管理、プロジェクトマネジメントなど、より具体的に業務改善につながる活用が行える。今回は「データのグループウェア化」というキーワードで、業務データの共有と、メンバーのコミュニケーションが一体化した新しい活用方法が紹介された。

 青野氏は「『cybozu.com』がSMBクラウド市場(年商500億円以下)で、『Google.Apps』や『Office 365』を抜いて第1位(12.6%)を獲得した」と自信を見せた。同社のクラウドをユーザーが導入した理由は、「モバイル環境での利用や、運用コストの削減が主な目的だ」という。「cybozu.com」の基盤はすべて自社開発で、「これら基盤の構築に20億円もの投資を行っており、いま命がけで頑張っている」と鼻息も荒い。自社クラウド用IaaS「Forest」の構築から、クラウドサービス専用ミドルウェア「CyDE-C」、各種アプリケーションの開発まで、すべて国内で行っているという。「信頼性を向上するために、国内有数のデータセンターに基盤を置き、すべてのレイヤーで多重化を図った。99.9%の稼働率とISMSの認証も取得した」と語る。

 「cybouz.com」は中堅・中小企業のみならず、大企業での導入が増えてきたという。たとえば、3200名以上の社員と全国300拠点の窓口がある「ほけんの窓口グループ」は、Garoonをオンプレミスで社内運用していたが、それを「cybouz.com」へ移行。「ビジネス拡大に伴って、処理速度やリソース増加への柔軟な対応が必要になったこと、ミッションクリティカルや事業継続性(BCP)への対応という観点からクラウドを選んだ」(同社担当)という。またサイボウズの担当者の対応のレスポンスが早かったことも導入の決め手になったそうだ。

■「データのグループウェア化」によるデータ共有とコミュニケーション一体化の活用法

 青野氏は、15年間に渡るグループウェアの仕事を振り返り、「強い企業は情報をオープンにして、共有化していることが分かった。情報を暗黙知から形式知へと変えている。そういった強い企業を増やしていきたい」と強調。2年前からサイボウズでは「NO-Email」キャンペーンを推進してきており、当時は反対意見も多かったが、今年になって欧米企業などがE-mailを否定し始めて、流れも変わってきたという。そして、いま同社のソリューションを提供するにあたり、「データのグループウェア化」という考えを提唱している。これは日々利用するグループウェアに、さまざまなデータを乗せて、チームワークを高めようという発想だ。

 たとえばスケジューラひとつ取っても、会議前に情報が掲示板に書き込みされ、さらに顧客情報が紐づいてCRMのようにも使える。会議後に報告書を書けば、会議に参加できなかった人にも情報を共有できる。もちろん「KUNAI」を利用すれば、スマートフォンなど外部からのモバイルデバイスにも対応。スケジュールをグループウェア化することは「単にスケジュールを共有化するという意味ではなく、目的を明確にして、事前に意見を出し合ったり、決定事項を周知徹底させたり、顧客情報とつなげたり、モバイル活用を推進することだ」(青野氏)という。

 メールについてもグループウェア化が重要ということで、機能を大幅に強化して「cybouz.com」上で使えるようにしたグループメーラが「メールワイズ」。問い合わせ対応や採用業務などで使う共通メールアドレス宛てのメールを複数ユーザーで共有できるというもの。少人数で役割分担をしながら大量メールの対応を可能とし、対応漏れや2重対応を防止できるというものだ。いつ誰がどんな対応したのか履歴が残り、よく使う対応内容の文面もテンプレートとして登録しておけば、効率よくメンバーを育成できるというメリットもある。この「メールワイズ on cybouz.com」は、10月から発売される予定で、ディスク容量1GB(無料)、1ユーザー当たり500円(スタンダードコース)からとなっている。

 タスク管理もグループウェア化すれば業務効率が良くなる。たとえば1つのプロジェクトに関してグループでタスクを管理すれば、タスクごとに業務プロセスを設定し、進捗のフローをチェックできる。さらに、これらタスクがスケジュールとシームレスに連携する。青野氏は「仕事の進捗を見える化し、負荷を分散でき、見落としもなくせます。プロジェクトが終わった後で仕事を分析し、次に同様のプロジェクトがあれば、これを雛型として再利用することも可能です」と説明する。企業内には、グループウェア化すれば、まだ効率よくなる業務が多く残されている。今後もサイボウズは“グループウェア化を推進するツール”を提供していく方針だ。
《井上猛雄》
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