「過去最大のキャンペーン」「パートナーとのエコシステム」……インテル、Ultrabookのマーケティング戦略 | RBB TODAY

「過去最大のキャンペーン」「パートナーとのエコシステム」……インテル、Ultrabookのマーケティング戦略

 14日、インテルはUltrabookのマーケティング戦略と2012年以降のキャンペーンについてプレスミーティングを開催した。

エンタープライズ ハードウェア
インテル 代表取締役社長 吉田和正氏
  • インテル 代表取締役社長 吉田和正氏
  • モバイルユーザーのユーザー体験調査。全体ではPC利用が多い
  • ユーザーが情報機器に期待するもの
  • インテルによる時代ごとのユーザー体験の提案。2012年はいよいよUltrabookによる新世代ユーザー体験を実現していく
  • Ultrabookビジョンの展開ロードマップ
  • Ultrabookビジョンを実現するための施策
  • インテル マーケティング本部長 山本専氏
  • Ultrabookのマーケティングキャンペーンの概要
 14日、インテルはUltrabookのマーケティング戦略と2012年以降のキャンペーンについてプレスミーティングを開催した。

 まず登壇したのは、インテル代表取締役社長 吉田和正氏。吉田氏は、キャンペーンの詳細発表の前に、Ultrabook登場の背景と、それが提案するビジョンについて説明した。

 およそ3万人のモバイルユーザーの調査によれば、ゲーム、インスタントメッセージ、Webアクセスなどは、携帯電話やスマートフォン、タブレットなどを主に利用するが、それ以外のオンラインバンキング、EC、動画編集、文書作成など、多くのユーザー体験はPCにあるという結果がでている。また、インテルの調査では、情報機器に対するユーザーの期待は、応答性、接続性、性能、表現力、価格、安全性、直観的なインターフェイス、カッコよさ、(バッテリー駆動時間などの)実用性など、多岐にわたり、それぞれの要求レベルも高い。

 このニーズを満たすには、PCとタブレットの特性や性能を両立させたものが必要であり、それがUltarbookであるというのがインテルの考えである。そのため、Ultarbookと呼ばれるためには、使いやすく、起動時間も速く、ビジネスアプリも使え、バッテリー駆動時間も長く、セキュリティ機能も実装され、スタイリッシュであることが条件とされている。ただし、Ultrabookの定義は難しく、インテルがこだわっているポイントは、0.8インチ以下の薄さ、7秒以内の起動時間、デュアルコア以上、第2世代以降のプロセッサの3つだそうだ。それでも、このポイントは固定的なものではなく、今後の技術の進歩や市場ニーズの変化によっては、変わっていくものだとした。

 吉田氏はさらに、インテルではこれまで、ユーザー体験をいかに高めるかという視点で技術開発を行ってきていると述べた。1995年のMMXテクノロジーは、PCにマルチメディアというユーザー体験を導入し、2003年のCentrinoでは、Wi-Fiとモビリティというユーザー体験を広めた。そして2012年は、Ultrabookによって、軽さ、応答性、接続性、安全性、実用性などを高い次元で実現させたユーザー体験を提供するという。

 Ultrabookのビジョンを実現させるには、パートナー企業とのエコシステムも重要となる。インテルでは、システムメーカー、ソフトウェアベンダー、テクノロジー企業とも協力していくが、具体的な施策として、AppUpセンターへの投資、3億ドルのUltarbook基金の設立、数億円規模のマーケティングキャンペーンを挙げた。AppUpセンターへの投資は、ソフトウェアベンダーに対して、Ultrabookの特性を活かしたアプリケーションの開発を支援するために使われ、Ultrabook基金は、主にディスプレイ、センサー、バッテリー、その他、Ultrabookのスペックを実現、または進化させるための部品開発を支援する。

 マーケティングキャンペーンは、過去最大といわれる2003年のCentrinoのャンペーンに投入された3億ドル規模のものと同等か、それを上回るものになるだろうとした。そのキャンペーンの詳細については、プレゼンを引き継いだインテル マーケティング本部長 山本専氏が説明した。

 山本氏は、まず、2012年のUltrabookキャンペーンは、グローバルにかつ包括的に展開されるとし、マスコミ、量販店、Web、メーカー、各種イベントなど全方位でさまざまな施策を予定しているとした。そして、今回説明するものは日本での展開がメインとなるが、一部はグローバルでのキャンペーンでも展開される。

 TV-CMは、虎人間が月面でダンスをするものが制作されている。このCMは日本オリジナルのもので、Ultrabookの先進性、躍動感などを表現しているとのことだ。なお、会場では、CMと同じ虎が登場してダンスを披露し、最後に吉田氏と山本氏との記念撮影も行われた。

 量販店でも専用の展示コーナーや体験イベントなどを全国で展開する予定だ。キャンペーン実施や展示コーナー開設にあたっては、店員等の研修にも力を入れる。また、量販店からのUltrabookへの期待や興味の度合いも高く、山本氏は、非常に手ごたえを感じているとした。

 グローバルなキャンペーンとして、ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムをイノベーション&クリエイティブディレクターに起用した「Ultrabook Project」を紹介した。これは、ウィル・アイ・アムが全世界12カ国を1年かけてツアーし、現地のアーティストらと曲づくりやイベントを行うというものだ。その様子は特設サイトで順次公開され、すでに昨年12月に日本を皮切りとしてツアーが始まっている。このときのイベントやコンサートの様子や作曲した曲などが、特設サイトで視聴することができるが、撮影は360°のパノラマカメラを利用しており、公開されている映像は、動画ながら周囲の状況を自由に見ることができる。ツアーは、1月にはメキシコ、2月には韓国でも行われたという。

 ソーシャルメディアとの連携については、まず、公式Facebookで「SHAPE OF LOVE」というアプリを公開しているとした。これは、Facebookの友人やアップロードしている写真などを使ってオリジナルのハート型を作るものだが、ホワイトデーである14日から期間限定で、ハート形に虎が表示されるキャンペーンを実施している。

 YouTubeでは、「WoWファインダー」というアドオンを3月14日から公開を開始した。その機能は、視聴している動画からもっと「Wowなもの」を自動的に探してきて視聴できるというものだ。

 mixiでは「mixiブック」という女性ユーザーを意識したプロモーションページを公開している。これは、自分のプロフィールや参加コミュニティ、友人、日記やつぶやきなどの情報から、未来の日記や友人とのコミュニケーションを創作してみるというものだが、2月22日のスタートから、すでに40万人以上が利用している。

 その他、PCメーカーとの共同プロモーション、展示会への出展、適宜の発表会やプレスミーティングなども展開していくと述べた。

 プレゼンが終わったあと、吉田氏に以下の2つの質問を投げてみた。最後に、紹介しておきたい。

―すべてのPCが、必然的にUltrabookのようなスペックに進化していくという考え方も可能だが、インテルとしてはそういった進化を目指しているのか。

吉田氏:難しい質問だが、ユーザーのニーズは多様であり、メーカーもすぐにラインナップを統合できるものでもないので、すぐにすべての製品がUltrabookに置き換わることはないだろう。ただ、ディスプレイの大きいUltrabookをデスクトップPCとして使っているユーザーもいると聞いている。

―Ultrabookは新しい市場を開拓するとしているが、スマートフォンやタブレットのユーザー層をターゲットとしているのか。

吉田氏:Ultrabook、スマートフォン、タブレットと、利用シーンが被るところもあるが、基本的にはそれぞれの特徴や用途があるので、被ったとしても競合することはないと思う。
《中尾真二》

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