【CEATEC JAPAN 2011(Vol.1)】iコンシェルの進化版と放射線測定機能も付いた着せ替えジャケット | RBB TODAY
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【CEATEC JAPAN 2011(Vol.1)】iコンシェルの進化版と放射線測定機能も付いた着せ替えジャケット

ブロードバンド 回線・サービス
「直感型情報提示アプリ」表示の一例
  • 「直感型情報提示アプリ」表示の一例
  • 【CEATEC JAPAN 2011(Vol.1)】iコンシェルの進化版と放射線測定機能も付いた着せ替えジャケット
  • 部屋に模した情報表示
  • 「直感型情報提示アプリ」表示の一例
  • NTTドコモ移動機開発部の太田学氏
  • 情報提供側の管理画面
  • 【CEATEC JAPAN 2011(Vol.1)】iコンシェルの進化版と放射線測定機能も付いた着せ替えジャケット
  • 放射線線量計機能付ジャケット
 NTTドコモのブースでは多種多様なコーナーが設けられているが、やはり注目どころはスマートフォンの機能を活用したさまざまな機能やソリューションだ。ここでは2つの項目に絞ってレポートしたい。

■イラストアニメーションの表現で必要な情報を的確にプッシュ通知……「直感型情報提示アプリ」
 まず「直感型情報提示アプリ」。天気や交通情報、テレビ情報、バーゲン情報などの様々な情報を「1枚の絵」で表現、携帯電話の待受画面に表示することで、一度に多くの情報を視覚的に読み取れるといったもの。例えるなら、フィーチャーフォンの「iコンシェル」と「きせかえ」の機能を合体させて、スマートフォンの性能を活かして3Dによるリッチな表現を実現したものだ。

 デモ機として用意されたスマートフォンやタブレット端末には、部屋をイメージした画面が表示されており、ベッドの上にある洋服をタッチすると気温情報、サングラスでは紫外線情報、DVDは返却日、など絵をタッチすることで埋め込まれている情報を確認することができる。また、別の端末では街並みの様子が再現され、自動車が混み合っている様子が渋滞を、ビジネスマン風の男性が携帯電話を手に話しているアニメーションでは「着信あり」を表現している。

 利用者のニーズに応じたプッシュ型のメッセージングサービといえば、フィーチャーフォン向けにサービスしてきたiコンシェルが思い浮かぶが、メッセージだと情報の価値がフラットで重み付けがしにくく、何が自身に関係していてしていないのかを直感的に判別しづらかった。こうした情報の羅列を改善して、まさに直感で把握できるようにしたのが今回のアプリだ。

 開発を担当した、NTTドコモ移動機開発部の太田学氏は「まず、プッシュ配信サービスの見栄えを変えることで利用促進を図るのが目的の一つ。また、アプリ内で表示される服や物などは、例えばコンテンツ会社やキャラクターの版権を持つところなどが参加することで、コンテンツビジネスとして発展できる可能性もあると考えている」と語る。

 表現方法を取り入れたことに関しては、「あくまでもそれとなく情報を教えてくれるもので、自分に必要にない情報があっても、気にならない点もひとつのポイント」(太田氏)とのこと。複数パターンが用意されたデモ端末の動作やアニメーションは可愛らしい印象で、自分の部屋を模したあたりはかつての「ポストペット」を思わせ、若年層には受けが良さそうだ。

 また、コンテンツプロバイダ(CP)など情報提供側向けには、PCサイトの管理画面も用意。これは、プルダウン式のメニューを選ぶだけで配信する情報の内容やタイミングを任意に設定しておくことで自動でXMLを生成し、利用者の希望する情報を選別して提供できるようにするものだ。具体的なサービス展開時期や提供時の価格などは明らかにされなかったが、アプリそのものの完成度だけでなく、情報の提供側にも配慮した展示となっていたことから、実現はそれほど先ではないと感じられた展示だった。

■サーバへ情報を集約し新たなビジネスを展開……「着せ替えセンサジャケット」
 もうひとつの注目が、スマートフォンに着脱することで、様々なセンサ機能をカスタマイズできる「着せ替えセンサジャケット」だ。ジャケットはいずれも単なるモックではなく各種センサをジャケット側に埋め込んでおり、実際に測定するデモンストレーションを行っている。

 今回の出展では、口臭/アルコール/UVチェッカーを搭載した「女性向けジャケット」、放射線センサを搭載した「災害対策ジャケット」、体脂肪計の「健康管理ジャケット」、利用用途に応じて装着する3種類のジャケットを用意している。

 NTTドコモの移動機開発部要素技術開発担当主査の林宏樹氏は「スマートフォンが登場して、ソフトフェアをお客様が自由にダウンロードしカスタマイズすることが普通となっている。今回は、様々なセンサを好きなように着せ変えて、ハードウェアを含んだカスタマイズが簡単にできるような仕組みを提供したいということで開発しました」と語る。

 ジャケット側と端末側はFeliCaによる通信でセンサー情報をやりとりしている。Bluetoothではない理由については、「Bluetoothはペアリングが大きな障壁となる。その点、FeliCaであればペアリングの手間も省ける。またジャケットという形であれば、端末と一体で持ち歩くこともできるなど、活用の幅は広い」(林氏)と説明した。

 「専用の測定端末に通信モジュールを組み込むという考え方もあるが、使い勝手やユーザーインタフェースの面から見て、一般の方が専用の各種測定器を購入するのは敷居が高い。アプリという形でブレークダウンする必要はあるが、普段使うスマートフォンに様々な機能を追加できることで、導入を容易にできるのではないかと考えた」と林氏。

 とはいえ、こういった周辺機器を開発や販売することがドコモの最終的な目標ではない。

 「最終的にはスマートフォンユーザーが計測したデータを個人情報を抜いたうえでネットワークに集約し、再びお客様に情報提供サービスとして展開したい。今回は3つのセンサーを用意したが、たとえば端末から気温や室温などを収集して、詳細な気象情報を提供できるサービスなども考えられる」と林氏は説明する。

 スマートフォンそのものがひとつのセンサーとして情報を収集できれば、その流通数は群を抜いているだけに、あらゆる可能性が期待できる。ドコモが「総合サービス企業」を打ち出してきた背景には、通信のインフラと強力なデータセンターを擁する強みを活かし、膨大なデータを集約して分析・統合し、新たなtoB/toCビジネスへと昇華させる「ビッグデータ・ビジネス」に本腰を入れてくることの前触れとも捉えることができそうだ。
《RBB TODAY》
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