アルカイーダの“バーチャル・ジハード戦士集団”とは? サイバーテロ最新事情をマカフィーが報告 | RBB TODAY
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アルカイーダの“バーチャル・ジハード戦士集団”とは? サイバーテロ最新事情をマカフィーが報告

エンタープライズ セキュリティ
バーチャル・ジハード戦士集団「GIMF」のシンボルマーク
  • バーチャル・ジハード戦士集団「GIMF」のシンボルマーク
  • Namouhのコンピュータのデスクトップ画面
  • Namouhによる投稿
 マカフィーは13日、インターネット関連のテロ事件を紹介する文書を公開した。“バーチャル・ジハード戦士”たちは、オンラインで計画を練り、訓練し、資金を集めているという。

 モントリオールで開催された、サイバー犯罪に関する国際会議「Francopol」は、フランス語圏の警察組織をつなぐもので、カナダを含めた複数地域からインターネット関連のテロ事件事例が紹介された。初期の頃に起こった事件として、「イギリス肥料爆弾計画」、続いてイスラム教過激派グループ「トロント18」による事件が紹介された。トロント18事件の犯人はインターネットで肥料爆弾の作り方を学び、トロント証券取引所で爆弾を使う計画だったと供述したという。最近では、2010年2月17日にSaid Namouhが終身刑の判決を受けた事件があげられる。Namouhは「グローバル・イスラミック・メディア・フロント」(GIMF)のビデオ製作者で、テロ行為の計画とジハードの宣伝活動に積極的に関与。専門家の調べでは、Namouhがインターネット上での何百ものジハード支持のディスカッションに参加していたことが判明している(彼の640件の投稿は、逮捕から数日後にすべて削除された)。さらに、英国で収監され、アルカイーダが釈放を求めていたテロリストの写真も発見された。この写真は、Alan Johnston記者の身代金要求ビデオに使用されていた。

 イスラム教徒のテロリストたちがインターネットをどのように利用しているかを理解するためには、まず「GIMF」を理解する必要があるとのこと。GIMFは、アルファジル・メディア・センターが認めるもっとも重要な“バーチャル・ジハード戦士集団”の1つだが、いずれの組織も、アルカイーダを含む世界中のムジャヒディンのために、ロジスティクス、メディア、宣伝等のサービスをオンラインで提供している。現実世界での活動に加え、インターネットを利用して神経戦を行い、自らの戦略を伝え、調整し、決定し、さらには資金も集めているわけだ。さらには世界的なカリフ統治を最終目標に掲げ、「ジハード・バーチャル大学」を設立しようとしているとのこと。

 GIMFが取り組んでいる活動の1つには、ビデオ配信の「カリフェイト・ボイス・チャンネル」(CVC)などもあり、独自のVPNと暗号化ソフトウェアの開発と配信も行っている。なおジハード戦士集団は、バックドアが仕込まれていることを怖れてPGPなどの標準的なソフトウェアは使用しないという。「Francopol」で講演を行ったDudemaine氏は、カナダ検察が今後取り組んでいく方針について、「バーチャル・ジハード集団」によるインターネット利用を監視する、「バーチャル・トレーニング・キャンプ」を調べ接続を遮断する、ジハード戦士が殉教者となる前に彼らを逮捕するという3項目を掲げている。
《冨岡晶》
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