NTT西日本と九大など、「宝塚歌劇 雪組」水夏希サヨナラ公演を高臨場感ライブ配信 | RBB TODAY
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NTT西日本と九大など、「宝塚歌劇 雪組」水夏希サヨナラ公演を高臨場感ライブ配信

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センタースピーカーからの音響を可視化
  • センタースピーカーからの音響を可視化
  • 高臨場感ライブ配信のシステム構成イメージ
  • 高臨場感ライブ配信の広がり
 九州大学、宝塚クリエイティブアーツ、角川シネプレックス、およびNTT西日本の4者は3日、東京宝塚劇場で公演される「宝塚歌劇 雪組公演 東京宝塚劇場千秋楽」を、シネプレックス幕張へ高臨場感ライブ配信することを発表した。

 12日に東京宝塚劇場で公演される「宝塚歌劇 雪組公演 東京宝塚劇場千秋楽」の公演内容は、ミュージカル「ロジェ」、ショー「ロック・オン!」、退団する水夏希(みずなつき、雪組主演男役)のサヨナラショー。開始時刻は13時30分で、配信元会場は東京宝塚劇場。全国の映画館にライブ配信されるが、高臨場感ライブ配信先会場はシネプレックス幕張のみ。

 4者は「通信ネットワークを活用したライブ配信における高臨場感環境および劇場音響・映像設計に関する研究開発協定」を締結しており、共同研究開発の取り組みの一環となる。この研究開発は、NTT西日本において、九州大学と2004年7月27日に締結した連携契約の下で実施する、九州大学と複数の企業とによる共同研究となる。

 主な検証項目のうち「音場を可視化することによる音声品質の検証」は、九州大学が持つ音響計測に関する技術を用いて、これまで見えにくかった音場の特徴を可視化する。これにより、ビジュアル的に音響的な特徴を把握できるようになる。具体的には、配信先の空間を360度パノラマ写真化し、そのパノラマ空間に、場所による音の跳ね返り度合い等を可視化し反映させることで、再生音場に応じた音声品質の検証を行う。

 「効率的なデータ圧縮による、ネットワーク帯域の有効活用の検証」では、これまで困難であった圧縮した音声の劣化のない伝送が、ロスレス音響符号化装置を採用し、配信元で収音されたそのままの音を劣化なく圧縮して配信先に伝送し、配信先における高臨場感環境の実現を検証する。また、ロスレス符号化の圧縮率は入力される音声信号の特性によって変化するため、音声を圧縮して空いた帯域を、映像帯域に動的に割り振ることで、通信ネットワーク帯域の有効活用についても検証する。

 「映像配信ソフトウェアによる配信業務の効率化と、配信のセキュリティ、信頼性向上の検証」では、これまでライブ中継の際、配信元や配信先が都度異なるため、映像配信のオペレーションが複雑となっていたが、映像配信用ソフトウェアでは、配信元・配信先を一元的に管理し、配信オペレーションをグラフィカルに直感的に操作できるようになる。ライブ配信において、効率的な配信業務・管理が可能となることを検証し、このソフトウェアでは、情報の欠落等が配信時に起こるような環境においても、コンテンツデータの暗号化やエラー訂正により、映像を途切れることなく再生することが可能で、配信のセキュリティと信頼性の向上を図ることができるかを検証する。

 研究開発期間は、2011年3月31日まで。各社の役割として、九州大学は「高臨場感音響技術(音取得手法、再生環境構築手法)の提供測定機材の提供」、宝塚クリエイティブアーツは「配信コンテンツの提供」、角川シネプレックスは「配信先劇場環境の提供および配信コンテンツの提供」、NTT西日本は「データ伝送技術および機材(研究機材、測定機材含む)の提供、試験研究用ネットワークの技術提供、高臨場感高精細映像技術、多チャンネル音声配信・再生技術(5.1chロスレス音響伝送技術を含む)の提供、映像配信用ソフトウェアの提供」などを実施する。

 今後、一般の公共ホールや映画館等文化施設の音響映像再生設備や建築音響特性等を踏まえたコンテンツのネットワーク配信時における高臨場感環境の実現についての技術を確立させ、公共ホール等文化施設の活性化による地域への貢献に向けた取り組みを進めていくとのこと。
《池本淳》
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