【Interop Tokyo 2009(Vol.5)】IRI、光通信量子暗号伝送装置を展示 | RBB TODAY
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【Interop Tokyo 2009(Vol.5)】IRI、光通信量子暗号伝送装置を展示

エンタープライズ その他
NuCrypt社のPYHSEC伝送装置
  • NuCrypt社のPYHSEC伝送装置
  • PHYSECの特徴
  • 日立情報通信エンジニアリングのPYHSEC伝送装置
 Interop Tokyo 2009のベンチャーブースにて、インターネット総合研究所(IRI)は、伝送経路の物理層の暗号化技術「PHYSEC」を実装した製品を展示していた。物理層の暗号化というのは、パケットのコードの暗号化ではなく、最下層レイヤの信号そのものをノイズのように暗号化してしまう技術だ。

 基本になる技術は、光通信量子暗号(Y-00)と呼ばれる技術だ。光波長の量子の揺らぎを応用したもので、ビットパターンを多値化する。観測波形に意味のあるパターンがでないので、物理的な解読は不可能な技術とされている。

 基礎研究は、2000年に米国Northwestern大学のH.P. Yuen教授によってなされ、日本の玉川大学 広田修教授の強度変調技術と組み合わせることで、実用化が進んだものだ。その後、日立情報通信エンジニアリングが製品開発を進めている。米国ではNuCrypt社が位相変調との組み合わせでやはり実用化を進めている。

 IRIは2006年から玉川大学と研究協力を続けており、量子暗号化技術の事業開発活動を始め、上記2社の実用化モデルの展示を行っている。伝送路のファイバー化が進むなか、物理層でのセキュアな通信ニーズが今後高まれば、このような技術は重要になってくるだろう。

 サービスの組み合わせやマッシュアップがイノベーションといわれてしまう昨今、量子暗号化などの基礎研究技術の市場への広がりに期待したい。
《中尾真二》
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