日立製作所は22日、メモリチップ単体に電子署名機能を組み込む技術を発表した。 通常の電子署名は、CPUによって所定の演算処理、例を挙げると、数百桁にも及ぶ数値を何百回も繰返し掛け合わせる複雑な演算を実施する必要があるため、メモリカードや電子チケットといったCPUを持たない従来のメモリデバイスでは、電子署名の機能を組み込まずに、シリアル番号などによる識別を用いた真正性の確認が一般的だ。 今回開発された技術は、署名生成に必要となるデータをあらかじめCHAP方式で暗号化してメモリチップに記録し、同データを適切に組み合わせることで電子署名を生成するというもの。電子署名を生成するためのCPUを用いずにメモリチップ本体で認証が行えるため、低コストで既存メモリデバイスのセキュリティを高められるというもの。同社では、デジタルカメラ、携帯ゲーム機器のメモリカード、電子機器のカートリッジ、入場券や商品券の電子チケットなど、様々なメモリデバイスに適用できるとしている。