重要なのは品質と利便性〜アップルiTunes担当ディレクターAlex Luke氏 | RBB TODAY
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重要なのは品質と利便性〜アップルiTunes担当ディレクターAlex Luke氏

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Alex Luke氏
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 アップルは5月30日、DRMフリーの音楽配信「iTunes Plus」を発表した。オリジナル音源とほとんど区別がつかない高品質(256kbps AAC)の楽曲が、転送回数などの利用制限のない形で提供されている。このような画期的なサービスの魅力を米アップルのiTunes担当ディレクター Alex Luke氏に聞いた。

---iTunes Plusの特徴について教えてください。

 エンドユーザーが望んでいることに応えるために、iTunes Plusを通じて、EMIをはじめ、多くのレーベルからDRMフリーの非常に高い品質の楽曲提供を行っています。

 高品質と利便性はアップルにとって非常に重要なことで、特にiTunesやiTunes Plusには、高品質と利便性が考慮されています。

 アップルが提供する楽曲をエンドユーザーが自分に一番合った形、たとえば、PC、iPod、アップルTVで楽しんでいただきたいのです。

---iTunes PlusがDRMフリーということは、コピーが無制限にできてしまいますが、P2Pによる楽曲の再配布についてはどのように考えていますか?

 レーベルができるだけたくさんの楽曲を売ることができるようにするということに注目しているのであって、エンドユーザー同士が楽曲を交換するというところにビジネスとして注目している訳ではありません。アップルは、合法的にオンラインで楽曲をお届けするというのがビジネスの核であると考えています。

---今までに購入した楽曲についても、iTunes Plusバージョンで提供可能になれば、アップグレードできるということですが、楽曲を1曲ずつに選ぶのではなく、ライブラリにある楽曲全てがアップグレードされてしまいます。楽曲ごとにアップグレードできないのでしょうか?

 いろいろと検討したうえでこのような形で提供することになりました。

 ユーザーは、高品質を望む方と、従来の品質でもよいという方の大きく2つに分かれます。高画質を望む方は、ライブラリ全体をアップグレードしたほうが使い勝手が良いという結論に達しました。将来どうなるかということはコミットできません。

---今回発表された、ワーナーミュージック・ジャパンの楽曲提供についてお聞かせください。

 iTunes Storeは、2年前に始まりました。以来、ビクターやポニーキャニオン、BMGなど多くのレーベルがiTunesで音楽配信をしています。そして今回は、ワーナーミュージック・ジャパンが加わることになりました。楽曲数は、サービス開始時の100万曲から、現在400万曲に増加しています。今後もさらに増加予定です。

 ワールドプレミアは、昨年始まったサービスで、世界中の22カ国のiTunes Storeで受け入れられています。絢香の新作ビデオがこのワールドプレミアに公開され、すでに4つのレビューが書き込まれていますが、とても評判が良いようです(実際にダウンロードしたビデオは、大画面で表示してもDVDと同じくらいの高画質。形式はH.264)。アップルは、アーティストが国境を越えて活躍ができるような機会を作っていきます。

 さまざまなレーベルがボーナストラックなどの特典を付けた楽曲の先行予約注文を受け付けています。予約注文システムのおかげで、売上げが伸びているケースもあります。一例を紹介すると、リンキン・パークの配信開始から1週間の売上げの半分がこの予約注文によるものでした。

---日本では、JASRACという音楽関係の著作権を管理する団体がありますが、iTunesのような音楽配信を日本で展開するのは難しかったのでしょうか?

 とりわけ日本でという訳ではなく、どの国でも難しかったです。イギリスにはMCPS、カナダにはCMRRAという著作権管理団体があります。レーベルの方々とさまさまな話をして、やっとサービス提供に至ったのです。それだけやったかいがありました。

---iTunesにとってのライバルは?

 競合は意識していません。エンドユーザーが使いやすいものを追求しています。好きなところで好きな音楽を楽しんでもらえるように努力しています。

---今日は、ありがとうございました。
《工藤めぐみ(たべらぶ)》
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