ネットカフェ規制を睨みセキュリティ対策——FREESPOT協議会に聞く | RBB TODAY

ネットカフェ規制を睨みセキュリティ対策——FREESPOT協議会に聞く

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FREESPOT協議会幹事企業のバッファロー フリースポットプロジェクトチームリーダ 山下誠氏
  • FREESPOT協議会幹事企業のバッファロー フリースポットプロジェクトチームリーダ 山下誠氏
  • 公衆無線LANスポット数
  • 推移サービス名別シェア
  • 携帯認証の図
  • 改良されたログイン画面
 面倒なログイン認証などがなく、無料で使える公衆無線LANスポット、FREESPOTのお世話になったことのある読者は少なくないだろう。無料で手軽な反面、セキュリティ対策について不安視する向きもあるが、実際のところをFREESPOT協議会に聞いてみた。

 本サイトRBB TODAYの【スピード速報】でも、近年ADSLの平均速度より公衆無線LANの速度のほうが速くなる傾向を報告しているが、無線LAN内蔵のPDAやモバイルコンピューティングなどの動向から、今後のビジネスでも公衆無線LANスポットは重要なインフラとして機能するだろう。しかし、ビジネスユースを考えた場合、無料だからとはいえセキュリティをないがしろにはできない。協議会としてどのような取り組みをしているのだろうか。


 インタビューしたのは、株式会社バッファローのフリースポットプロジェクトチームリーダである山下誠氏だ。バッファローは、FREESPOT協議会の幹事企業であり、事務局の運営にあたっている会社だ。山下氏によれば、FREESPOTは、無料で運営されているとはいえ、設置店舗や企業はすべて登録され、設置場所の責任者が明確に存在し、アクセスのログファイル(syslog)を保存しているので、いわゆる「野良スポット」とは明らかに異なるものだ。しかし、その上で、セキュリティについては法令遵守の立場からも協議会の中で「セキュリティ分科会」を設置して検討中だそうだ。

 現在、ウィルス・スパム配信、違法オークション、その他のトラブルにネットカフェからのアクセスが問題となっている。ネットカフェについては、さらに住所不定者など新たな問題も生んでいる。このため、「公衆にインターネットを提供する施設」に対する条例や規制強化を見据えた体制づくりを行っているという。これまでも、アクセスログの収集や保存などを行ったり、アクセスポイント設置オーナーが任意でVPN機能やWEPキーの設定などを行っているが、この先それでは不十分という認識のもと、メール認証機能、ログサーバの強化、フィルタリング機能、VPNサービスなどの機能強化案が挙がっている。

 メール認証機能は、これまでもPC用の認証ページ機能が提供されていた。これを携帯ゲーム機や携帯電話から認証できるように認証手順のページを効率化、簡略化して利用のハードルを下げるとともに、接続機器のMACアドレスも保存することで不正利用の歯止めにするというものだ。ワンタイムパスワードをサーバから発行してもらうための手順があるので、手軽にすぐにつながるというFREESPOTの特徴が制限されるが、有料の公衆無線LANサービスのログイン作業とそれほど変わらないはずだ

 ログサーバの強化は、リアルタイムに違法性のある通信を監視・通報する予定だ。通報先は、FREESPOT協議会であるが、今後関係省庁との情報共有も考えられる。

 フィルタリング機能については、未成年がアクセスするような場所でのコンテンツフィルタの導入計画がある。設置オーナー向けの有料サービスになるそうだが、標準的なフィルタリング機能を搭載したアクセスポイントを開発し、FREESPOT設置オーナーに使ってもらう。これは、一般のネットカフェなどにも使えるようにしたいそうだ。

 VPNは暗号化トンネルによるIP通信技術だが、これを有料でユーザーに提供するサービスだ。VPNによる暗号化通信は、一般的なセキュリティサービスとしてさまざまなプロバイダーが提供している機能だが、盗聴されやすいといわれる無線LANにおいては通信内容を守るための効果的な手段だ。FREESPOTに限らず、他の公衆無線LANや宿泊施設などでインターネット接続する際にも、セキュリティを向上できる。

 以上のように、協議会としていくつかの取り組みを紹介してくれたが、これらは設置オーナーごとのポリシーでなんらかの形で機能そのものは提供されているものばかりだ。セキュリティについては以前から取り組んではいたが、状況の変化や社会的ニーズを考慮しつつ、対策強化などを検討し続けているということだ。

 そうはいっても、もともと無料で手軽に使える無線LANスポットとして、協議会としては運営その他になるべく規制はかけない方針できているので、これらのセキュリティ対策もすべてを必須にするのではなく、あくまで設置オーナーやサイトの運営ポリシーにゆだねている。利便性と安全性のバランスは、ビジネスといってもユーザーの意識や目的によって変わってくる。その要求に柔軟に対応するためには、規則で画一的に制限するのは、FREESPOT協議会の基本ポリシーにそぐわないということだろう。
《中尾真二》

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