トレンドマイクロ、日本に地域密着研究拠点を開設——2007年度戦略発表会 | RBB TODAY

トレンドマイクロ、日本に地域密着研究拠点を開設——2007年度戦略発表会

エンタープライズ その他

代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏
  • 代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏
  • 顧客に向けてカスタマイズ可能なソリューション
  • Webからの攻撃を防ぐ4つの領域。トレンドマイクロはすべてを提供可能
  • 地域特性に対応する新施策
  • トレンドマイクロ日本代表の大三川彰彦氏
  • Webセキュリティのコンポーネント化
  • 従来の地域拠点を元にリージョナル・トレンド・ラボを開設
  • パートナーシップの実例
 トレンドマイクロは19日、帝国ホテルにて「2007年度トレンドマイクロ戦略発表会」を開催した。変化するITセキュリティを先取りするため、日本に日本顧客向けの研究開発拠点を設置、特にWeb閲覧時にダウンロードされる脅威について、パートナー企業と連携した統合的なサービスを開始することなどを発表した。

■インターネットからの脅威は変化している

 代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏は「オンラインからの攻撃が変化している」と指摘。従来のようなウィルスやトロイの木馬などによる“不特定多数のPCを破壊する”という脅威のほかに、フィッシングのように“地域、企業、条件に見合う個人のPCから情報を盗む”という新しい脅威が発生し、その被害が拡大していると語った。これは、近年のウィルス感染報告がほぼ横ばいになっており、かつ、昨年は大規模なウィルス発生事件がないにもかかわらず、不法な侵入や情報流出の被害が増えているとデータが示している。

 つまり、従来はウィルスを作って繁殖させてネットワークに被害を与えるという破壊行為がオンラインの脅威だったが、現在は明らかに意図をもって標的のPCを選別し、そのPCを遠隔操作したり、PCの情報を盗み出す行為が大きな脅威となっている。チェン氏は「これらの新しい脅威は従来のようなパターンファイルの提供では対応しにくい」と説明し、顧客が構築している環境に合わせた、カスタマイズかつ拡張可能なセキュリティサービスが必要だと主張した。

 そのための大きな施策として、Webからの脅威に対抗するための4つのレイヤーについて強化が必要だ。4つのレイヤーとは、インターネット側から見て、URL、DNSレベルの信頼度(レピュテーション)、Webからダウンロードされるファイル、WebとPC間で送受信されるコントロール信号(ビヘイビア)、PCの堅牢性である。トレンドマイクロはフロントエンドのPCの堅牢性、すなわちウィルスやスパイウェアの検出と修復における第一人者としての不動の地位をもち、なおかつ他の3レイヤーにもソリューションを提供できる技術をもつ企業である。

 しかし、オンラインの脅威が新たに地域性や産業分野などに特化した形になっているために、より顧客に近いところでセキュリティ技術を高めていく必要がある。そこでトレンドマイクロが新たに実施する施策が、「リージョナル・トレンド・ラボ」の設置だ。これによりトレンドマイクロは地域特価型の事象や攻撃に対して迅速な対応を取るほか、その国で起きた脅威に対する情報を収集し、対応策を開発する。このような活動を続けることで、地域における脅威に対するリーダーシップを確立する。

■パートナー企業との連携を強化

 トレンドマイクロ日本代表の大三川彰彦氏は、エバ・チェン氏による全社的な取り組みを受けて、日本での具体的な展開を説明した。

 まず、日本における「リージョナル・トレンド・ラボ」は2007年1月に組織化し、2月には同社の新宿オフィスにオペレーションセンターを開設済みだ。現在は人材の育成、研修、サービス内容の準備などを進めており、今年5月には同社の企業顧客のうちプレミアムサポート対象会社に緊急対応できる体制をスタートさせる。さらに2008年には地域別セキュリティ対応パターンファイルの提供が開始される予定だ。

 パートナー企業との連携については、トレンドマイクロが総合的なセキュリティとウィルス対策技術を提供したうえで、運用監視サービス、PC以外の機器に対するセキュリティ保守サービス、インフラ構築企業がサービスを商品化していく。これらのパッケージにはすでに「トレンドマイクロ セキュリティロゴ」が表示されているという。また、現在実現しているパートナーシップの実例として、シスコシステムズ、大塚商会、リコーなどを紹介した。これらのパートナー企業には、トレンドマイクロ社の技術をコンポーネント化し、必要なサービスを提供していく。

 最後に大三川氏は「トレンドマイクロは『リージョナル・トレンド・ラボ』の稼働と強化を進め、今後、日本に特化したサービス展開や、多様な形態の新しいセキュリティサービスを開発していく」と締めくくった。

 トレンドマイクロがこれらの新しい施策を実施する背景には、ネットワーク環境が複雑多様化し、従来の“受け身のセキュリティ対策”では顧客の満足を得られないという予測がある。また、コンシューマ向けセキュリティ分野にマイクロソフトが参入し、競合関係が変化しているという厳しい現実もある。今回発表された施策により、トレンドマイクロは「総合的なITセキュリティの旗手として社会に不可欠な企業」という地位を確固たるものにするだろう。
《杉山淳一》

関連ニュース

特集

page top