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デジタルラジオはテレビに近いメディア

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「Choppaya!」のDJを務める山蔭ヒーロ氏。TOKYO FMのアナログ放送で、「MAGICLA DASH!」のパーソナリティでもある。背後のブルーバックは、放送する際に映像上で背景にCGを合成するために用意されたもの
  • 「Choppaya!」のDJを務める山蔭ヒーロ氏。TOKYO FMのアナログ放送で、「MAGICLA DASH!」のパーソナリティでもある。背後のブルーバックは、放送する際に映像上で背景にCGを合成するために用意されたもの
  • ゲストその1はジンの4人。アニメ「BLOOD+」の第4期オープニングテーマである「雷音」が、夏から秋にかけてヒットしたのが記憶に新しい。その迫力あるビデオクリップも流された
  • ゲストその2はモデル兼DJとして活躍する福田明子さん。カメラ慣れしているだけあって、ビデオクリップが流れている最中(自分たちが映っていない)は取材のカメラマンに向かって手を振ってくれるなど、余裕があった
  • 山蔭氏の後方から撮影したカット。一般的なテレビ用のスタジオに比べるとかなり小さいはず。カメラの台数自体が少ないので、機材も撮影スタッフも少人数
  • 80年代から洋楽シーンを追いかけている人にとっては、カリスマ的な人物であるピーター・バラカン氏(画面は、携帯画面を撮影したスクリーンのもの)。彼が紹介してくれるビデオクリップとなると、見たい人が大勢いるはずだ
 TOKYO FMが12月1日から実用化試験放送を開始したデジタルラジオ放送。後編では、TOKYO FMのデジタルラジオのチャンネルや番組について、そして公開生放送となった、記念すべき最初の放送「Choppaya(チョッパヤ)!」の模様をお届けする。

 TOKYO FMのデジタルラジオでは、3チャンネルが用意されている。701chの「AGGRESSIVE LIFE STYLE CHANNEL」は、最新ヒットチャートなど最先端の音楽シーンを扱う。702chの「HIGH QUALITY CHANNEL」は、音楽を愛するDJたちが数ある作品から良質な音楽だけを厳選して届けるという内容だ。そして、703chの「NEWS CHANNEL」は、10分ごとに政治・経済からスポーツ・芸能までの幅広い内容を扱った最新ニュースを届けるチャンネルだ。また番組としては、701chには今回生放送された「Choppaya!」(月〜金の12〜13時放送)のほか、丸山周氏ほかがDJを務める音楽番組「ROCK TRAIN」(月〜金の7〜9時)がある。702chには、カリスマとしてあがめられているピーター・バラカン氏らが厳選した曲を届ける「PREMIUM ZONE DJ」(月〜金の12〜14時)と、中村真理さんらがDJを務める洋楽ビデオクリッププログラム「MUSIC WATCH」(月〜金の18〜19時)だ(試験放送なので、24時間常に番組が用意されているわけではない)。

 そして今回の「Choppaya!」の放送だが、収録スタジオのすぐ横の取材スペースにて、「W44S」にて視聴している限り、テレビがライバルとしかいいようがない。DJの山蔭氏をカメラがとらえ、ひとりで話をしたり、ビデオクリップを流したり、ゲストとトークをするといった様子が、auの新機種「W44S」の画面で見られるのである。ただし、視聴者の立場ではなく、制作側に立ってみると、テレビとは違う様子だ。撮影そのものに関しては、機材はカメラなどが数台用意していたがテレビ番組の収録に比べたらだいぶ少ないようだ(スタジオの面積も小さい)。制作費的にはラジオよりはかかるけど、テレビに比べたら少ない、といった感じだろうか。そうした点は、もしかしたら新しいメディアとして今後発展していくためのポイントとなるような気がする。ただ、これまでラジオのパーソナリティーなどを務めてきた人たちからしてみれば、やはりちょっとした視線やしぐさなどもラジオと違ってすべて映像として放送されてしまうので、緊張感が格段に強いようである。もっともそれは、出演者の表情やその場の雰囲気などを視聴者に伝えやすいということでもあるので、メリットでもあるのだが。

 ちなみに今回の放送は、一般の方は視聴できないにもかかわらず、ゲストとして男女4人組のアーティスト「ジン」や、モデル兼DJとして活躍する福田明子さんが登場し、なんとももったいない限り。TOKYO FMの現行のアナログ放送の同時間帯に放送していた番組「A'll that RADIO」と相互乗り入れして、パーソナリティの赤坂泰彦氏と山蔭氏がトークをしたところは、唯一一般の方々にもデジタルラジオ放送の番組が試験放送されているのを実際に知ることのできた瞬間だったはずだ。

 実際のところ、今回の生放送を取材してみて、当たり前といえば当たり前なのだが、デジタルラジオはまだまだこれからという感じであった。現状、受信できる機器がまだ発売されていないというのもあるし、制作費はかからなそうな気がするが、本当にテレビとほぼ同じ土俵で対決していけるのか、といったところもある。「ラジオよりも格段に多い情報量を伝えられ、でもテレビほど制作側にリソースを必要としない」ということであれば、ラジオでもなくテレビでもない新たなメディアとして浸透していくように思えるのだが、いかがだろうか。なにはともあれ、こうした完全に新しいメディアが立ち上がっていく場面には、そうそう立ち会えないので、みなさんにもぜひチェックしてみることをお薦めする。あなたの手でこの新しいメディアを育ててみる、というのもいいのではないだろうか?
《デイビー日高》
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