カナダMatrixStream、2MbpsでHD映像が配信できるソリューションを日本で展開 | RBB TODAY
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カナダMatrixStream、2MbpsでHD映像が配信できるソリューションを日本で展開

ブロードバンド その他
説明を行なった、日本担当副社長の脇山弘敏氏
  • 説明を行なった、日本担当副社長の脇山弘敏氏
  • デモに使用されたシステム。TVモニタ右下に設置されているのがレシーバ。映像配信サーバにはノート型PCを使用しており、PCとレシーバの間は無線LAN(IEEE 802.11g)で接続された。使用帯域幅はおよそ2Mbps程度
  • IMX 1020HDハイビジョンIPTVレシーバ。いわゆるセットトップボックスで、TVモニタに接続して映像配信を受信できる。ネットワーク接続は、10/100BASE-TXイーサネットのほか、IEEE 802.11g、11nなどの無線LANやWiMAXといったワイヤレス接続にも対応する
  • MatrixStreamのソリューションを使用したIPTVシステムの構成図。CATV局のようなイメージでTV放送を受信し、リアルタイムでエンコードして配信したり、あらかじめストックされたコンテンツをオンデマンド配信したりといったさまざまな形態に対応する。配信局とユーザーの間の回線にQoSなしのブロードバンド接続が利用でき、かつ帯域幅がさほど必要ない点が最大の特徴
 カナダに本拠を置くMatrixStreamは2日、同社のHDTV対応IP TVソリューションについて、日本国内では初めてのデモンストレーションを都内で行った。

 このシステムは、高精細動画(HDTV)をIPネットワーク(インターネット)で配信するためのサーバ、ミドルウェア、レシーバなどからなるソリューションで、従来に比べて低コストで「インターネットTV局」の開設が可能になる。

 最大の特徴は、使用する帯域幅が少なくて済む点。QoS(Quality of Service、サービス品質の保証。この場合は帯域保証とほぼ同義)がないベストエフォート・ネットワークでもハイビジョン規格の最高レベルである1080P(1920×1080ピクセル)の配信が可能という。おおよその目安として、TV品質で750Kbps〜1Mbps程度、DVD品質で1.5Mbps程度、ハイビジョン品質で2.5Mbps以上の帯域幅が確保できればよいという。現在日本で提供されているIP TVサービスの大半はSD(通常のNTSCのTV画質)以下の品質で、HD品質で配信を行っているのは1社だけだが、そこで使用されている帯域幅は8Mbpsだという。デモではおおよそ2Mbps程度で配信していたが、動きの速いシーンでも特に乱れることはなく、高品質の動画再生ができていることが確認できた。

 これを実現しているのが、同社独自のトランスポート技術である「XMSトランスポート」だ。効率よくデータ配信を行うと同時に、高速なチャンネル切り替えや、レスポンスのよい早送り/巻き戻しなども実現されている。

 システムは、マネージメント・サーバ(IMX M2200)、VoD(Video on Demand)サーバ(IMX 500)、XMSストリーミング・サーバ(IMX 2400)、リアルタイム・エンコーダ(IMX 4000)、レシーバ(セットトップボックス)などで構成される。

 たとえば、通常のTV放送のイメージでサービスを展開するには、映像コンテンツを「リアルタイム・エンコーダ」でデータ化し、「XMSストリーミング・サーバ」でインターネットを介して配信、視聴者は自宅のTVに接続した「レシーバ」でこれを受信して再生する、という構成になる。あるいは、あらかじめエンコード済みのコンテンツを「VoDサーバ」に蓄積しておき、ユーザが「レシーバ」を通じてリクエストしたコンテンツを再生する、という構成も考えられる。

 同社では、「HD IPTVスタータキット」として、IMX 500エンタープライズ ミドルウェア VoDサーバ、IMX 2400 XMSストリーミング サーバ、IMX 1020HDハイビジョンIPTVレシーバ×10を600万円で販売する。このキットを利用することで、従来は数千万円必要だったIPTV局の開設が、600万円で始められることになり、初期コストの低減が可能になる。

 サービスの提供は、IP TV事業を手がける事業者(放送局やISPなど)がシステムを導入し、契約視聴者に対してレシーバを配布する、という形態が想定されている。この場合、レシーバは当該事業者のサーバにのみ接続可能なように、あらかじめ接続情報を組み込んだ形で提供される。将来的には、レシーバのみを単体販売し、任意のサーバに接続できるように変更することも技術的には可能だという。

 現在、日本国内では富士ソフトを技術パートナーとして営業活動を開始しており、すでに複数の事業者のサイトでトライアルが開始されている段階だという。IP TV市場は、2010年には270億ドル以上の規模に成長すると予測されており、中でも現時点での最有望市場は、ブロードバンド接続環境の普及が著しい日本および韓国で、次いでヨーロッパ、北米での普及が想定されている。
《渡邉利和》
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