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Firefox 2では使い勝手が向上、3ではレンダリングが高速化

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米Mozilla Corportaionの技術担当バイスプレジデントのマイク・シュレーファー氏
  • 米Mozilla Corportaionの技術担当バイスプレジデントのマイク・シュレーファー氏
 Mozilla Japanは3月2日、東京都内のホテルでセミナーを開催した。米Mozilla Corportaionの技術担当バイスプレジデントのマイク・シュレーファー氏(Mike Schroepfer, VP Business of Engineering, Mozilla Corporation)は「Mozillaテクノロジーとコミュニティ」(Mozilla Products and Technology)と題する講演を行ない、FirefoxとMozillaに関して技術面から説明を行なった。

 Firefox 1.5は、1.0のリリースから約1年後となる2005年11月にリリースされた。公開初日のダウンロード数は150万に達している。開発期間は約18か月で、1.0がリリースされる前から1.5の開発は始まっていた。

 機能面では、まずユーザー・エクスペリエンス(User Experience)を重視した。また、セキュリティとプライバシーに関する機能も重要だ。オープンな標準仕様にきちんと準拠していくことと、ユーザーによるカスタマイズや拡張機能をサポートしていくことも重視している。

 今後の計画についても、より詳細に説明された。現在リリースされているFirefox 1.5では、レンダリング・エンジンとしてGecko 1.8が使われている。今後は2か月に1回のペースでアップデートを行なっていく予定だ。まず1.5.0.1が今年2月にリリースされた。次は1.5.0.2を4月上旬にリリースする予定になっている。1.5.0.2では、1.5.0.1に対して指摘されたさまざまな不具合を修正する。セキュリティやクラッシュ、メモリリークなどの不具合も判明しているので、これらに優先的に対処する。また、Intel Macのサポートも1.5.0.2から提供する計画だ。

 一方、今年第3四半期にリリースする予定のFirefox 2では、Gecko 1.8.1がベースとなる。このリリースは使い勝手の改善を大きなテーマとしている(User Experience driven)。コア・コードの大幅な変更は極力避ける方針だ。これに伴い、既存のWebサイトの見え方が変わってしまうリスクを最小限に抑えられるはずだ。ここで大きく拡張されるのは、タブ・ブラウザ機能やブックマーク、履歴といったユーザー・インターフェイスの部分になる。ブックマークや履歴の管理に関しては、組込データベースを利用した高度な管理手法を利用可能にする。

 さらに、2007年前半にリリース予定のFirefox 3はGecko 1.9ベースとなる。Geckoのバージョンが上がることで、Firefox 2から3への変化は、1.5から2への変化よりもずっと大きなものになる。グラフィック・エンジンはCairoプロジェクト(cairographics.org)に基づいたものになる。PCの3Dハードウェア・アクセラレータをサポートすることでより高速に高精細な描画が可能になる。また、Javascriptは、新しく拡張され、標準化されようとしている新仕様(Javascript2とも呼ばれる)をサポートする予定だ。これによって、より大規模なWebアプリケーションが実現できるようになるだろう。

 XULRunner(ズールーランナー)についても紹介された。XULRunnerはリッチ・クライアント・アプリケーションを構築するためのプラットフォームとなるもので、現在は開発者向けのプレビュー版が公開されている。この正式リリース版(Production release)が2007年の早い時期に行なわれる計画だ。Firefox 3は、XULRunnerをベースに、XULRunner上で実行されるアプリケーションとして実装される。XULRunnerの開発にはおよそ10年を要しており、多大な努力の成果である。
《渡邉利和》
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