3G、WiMAX、無線LAN間でシームレスなトリプルプレイを実現 -ノーテル、BBモバイルなど | RBB TODAY

3G、WiMAX、無線LAN間でシームレスなトリプルプレイを実現 -ノーテル、BBモバイルなど

ブロードバンド その他

端末でVoIPアプリケーションを実行。画面左の3つのグラフは各ネットワークのデータ流量を示す。
  • 端末でVoIPアプリケーションを実行。画面左の3つのグラフは各ネットワークのデータ流量を示す。
  • 実験会場のネットワークレイアウト
  • 会場の外に設置されたWiMAX基地局のキュービクル
  • 端末側に装着されたNortel 1700 HSDPA data card
  • ハンドオーバー技術の概要
 ノーテルネットワークス、BBモバイル、LG電子は、ワイヤレスネットワークを利用したトリプルプレイに関する実証実験を行った。10月25日、その実験が報道陣に公開された。

 同実験では、3G HSDPA、WiMAX(IEEE802.16e)、無線LAN(WiFi)など、さまざまなワイヤレス・テクノロジーを利用して、音声、ビデオ、データサービスといったブロードバンドコンテンツ(いわゆるトリプルプレイ)を中断することなく同時に利用することを実証して見せ、「トリプルテクノロジーの上でトリプルプレイを実現する」という言葉どおりの結果を示した。

 これにより、携帯電話事業者は、3G HSDPAネットワークとWiMAXとWiFiの間をシームレスにハンドオーバーしながら、ブロードバンドコンテンツを楽しめる環境を提供することができるようになるとしている。つまり、WiFiとWiMAXと携帯電話のそれぞれのカバーエリア間を、ユーザーはネットワークの切り替えを意識することなく、自由に移動することができるようになる。

■電波状態に応じて3つの自動切換え
 報道陣に公開された実験会場は、BBモバイルのHSDPAトライアルエリアである埼玉県さいたま市の与野第一ホテルだ。ホテル近辺のエリアをカバーする3G HSDPAネットワークと、ホテルの外に設置したWiMAX基地局の屋外キュービクル、およびホテル内に設置した無線LANアクセスポイントを利用する。

 端末は、無線LAN機能搭載のPCにノーテルの「Nortel 1700 HSDPA data card」を装着。ソフトウェアは試作段階のものを搭載しているという。

 まずはVoIPの実験が行われた。汐留のソフトバンクビルに設置されている、SIP(Session Initiation Protocol)ベースのマルチメディア・コラボレーティブ・アプリケーションをユーザーに提供するノーテルの「Multimedia Communication Server 5100」に接続し、VoIPによるテレビ電話アプリケーションでオフィスにいるスタッフとコミュニケーションを開始する。音声も明瞭で、相手の映像の動きもスムースだ。

 実験用端末には、使用しているネットワークが切り替わった瞬間に音声でそれを知らせる機能が組み込まれている。会話中にHSDPA、WiMAX、WiFiとオペレータが手動でネットワークを切り替えていく。切り替わる瞬間にも音声やビデオはまったく途切れることはなかった。

 続いて、ストリーミングビデオの再生や、Webアクセス、FTPのダウンロードもデモ。ストリーミングでは、再生アプリケーション側のバッファリングが接続切り替えに伴うオーバーヘッドを吸収してくれることも考えられるが、FTPによるダウンロードも途切れることなく行われたのはとても印象的だ。説明によると、たとえばHSDPAカードを急な抜き取りなどがあれば別だが、電波状態の変化だけならば、中断することなくサービスを提供し続けられるとしている。

 デモでは切り替えが手動で行われたが、本来は、ユーザーが手動でネットワークを切り替える必要はなく、その場その場で最適な接続に自動的に切り替わる。しかし、実験会場内ではWiFiのカバーエリアから出ることがないため手動で切り替えられた。実際、WiFiのアクセスポイントを柱の陰に移動させると、自動的にWiMAXに切り替わった。なお、すべてのネットワークにアクセス可能な場合に、どれを優先するかというプライオリティが設定できるそうである。ただし、この優先順位は、ユーザーが決めるというよりは、事業者側で決定することになるという。

■既存システムへの最小限の追加で実現
 このシステムを簡単に説明すると、まず、汐留のソフトバンクビル内にあるホームエージェント(Nortel Shasta HA)と、端末上のホーリーエージェントとの間で、接続ネットワークごとの使用アドレスが交換される。そして、ホームエージェントは、ホーリーエージェントの接続ネットワークが切り替わった場合に、瞬時に登録アドレスに切り替えて通信するというものだ。

 各社の説明によれば、今回実験に使用したシステムは、IP網をベースとして開発し、シンプルなシステム構成をとることで、安価で柔軟なシステム構築が可能だとしている。セルラー網に依存せず、どの方式にも柔軟に対応できるほか、FMCへの発展も可能だという。また端末についても、既存端末に最小限の変更でハンドオーバーが可能になるなど、かなり現実的なソリューションであることを強調していた。
《竹内充彦》

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